一件冷徹に見え@バンパイアという別名も持っている弁護士のムヨンだが、実際は人並み外れた共感力の持ち主。世知辛い世の中で誰かから共感して貰えるのは有難いが、共感する人の方は他人の痛みを自分の痛みのように感じ辛いだけだということで、一周回ってバンパイアという有難くない別名がついているのだ。
何事も度が過ぎるのはトラブルの元。精神科に通いながらも弁護士を続けるムヨンが次に弁護を行う事になったのはある夫婦を殺害したという男性。既に犯人として夫婦の娘が収監されているのだが、男は自分が真犯人だというのだ。共感力の高すぎる彼が選んだ道は、自首した男が自慢気に自分の替わりに既に夫婦の娘が刑務所に入っている事と、自首によって罪が軽くなるだろうと軽口をたたいている録音テープを公にする事だ。弁護士とは思えないその行動は、共感力を発揮するのを自分の依頼人でなく、依頼人のせいで無実の罪で収監されている娘を選択したということなのだが、その娘のロウムもただ者ではなかった。とんでもない高いIQの持ち主でありながらも、他人の感情の動きには無関心で邪魔をされる事を極端に嫌う。刑務所でもサイコパスを思われていた彼女。
社会性も社会経験も一つもなくても、IQの高さだけで人生を乗り切れると思っているその自信満々な様子。人の気持ちに寄り添う気持ちはなくても、相手の行動パターンを読み切れるから、詐欺すれすれの行動も難なくこなす。
しかし、その心のないIQで乗り切る方法に全くマッチしない男性二人が出所後の彼女につきまとう事になるのだ。
彼女を刑務所から救い出す事になり、更に彼女から賠償金の為に弁護士に選任されたムヨンと、彼女の保護観察官であるコ。どちらも彼女のIQと無関心力にひるむことなく、自らの道を進む二人だ。
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ロウンを助ける赤目3人組もかなり怪しい。