前漢時代の中国を舞台にしたミステリー。
漢文の知識の無い私でも、キーとなるポイントは印象的に語られるので、道に迷うことはない。
ただその時代の常識とその時代の考え方・・・それをどんな風に想像し、どのように自分の中で消化するかは又別の問題だ。
私はその過程で「薔薇の名前」を思い出した。
私以外にもそんなに考える人は多いのでは無いかと思う。
その時代、個人の力ではどうする事も出来ない問題を、少女特有の我儘さに絡めて語るくだりはこの本特有の物。
元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ) | |
稲村 文吾 | |
早川書房 |
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