あれから2年。
昨日の白宝殿の元親の縞です。
覆輪になると固定度は高いのですが
縞のままで最上柄の維持は難しそう。
探しましたが最上柄はこれ一鉢しか見当たりませんでした。
それも仔は2本はまだ縞を維持できそうですが
残りは最上柄から覆輪になりつつあったり
いきなり覆輪の仔が出たりと散々。
最終的には縞が絶えて覆輪ばかりとなりそう。
ただ、ほぼ無価値と思える地味~な柄の木はたくさんあり
こちらから時折良柄の仔が生まれます。
これも粗末にせず大事に保存しなくちゃと思っています。
あれから2年と9ヵ月。
昨日の白宝殿の元親に当たる縞です。
こういう品種はペアで残しておきたいのですが
固定性の高い覆輪と違って縞は暴れん坊。
これも株分けしてみましたがどうも派手方向に逝っちゃうようで
上柄はこれぐらいしかありませんでした。
普通の宝錦ならたとえ棚から無くなったとしても誰かが育てていますから
欲しくなったらまた入手できますが
これしかないものには妙に当事者意識が芽生えます。
果たして10年後にも縞として棚に残っているのかどうか
これはこれでちょっとスリルがあって楽しみです。
あれから半年。
昨日の覆輪と同じものですがこちらは覆輪になる気配なし。
こうもすっぱり分かれるものかと感心してしまいます。
ただ、前回は最上柄だった親木の天葉は結構派手になってしまいました。
美人薄命は縞物の常。
幸い仔吹きはまだ良さそうですから次の最上柄候補を探さなくっちゃ。
しかし、覆輪と違って縞物は姿が微妙に落ち着きませんね。
あれから1年と9ヶ月。
初めは縞でしたが早くから覆輪に変化しましたので
今では縞と覆輪の芽数は半々ぐらいです。
縞のほうは不安定で青や派手が出ましょうから
だんだんとこっちのほうが押され気味になってしまうものと思われます。
それはそれとしていつも両方並べて見ていたい木ではあります。
宝錦由来の葉艶が乗った葉に後冴え気味の乳白色の千筋柄。
ちょっと引き込まれそうな美しさです。
あれから5ヶ月。
覆輪になった親木から生まれた縞ですが
まずは最上柄を維持しています。
とりあえず覆輪になる気配はなさそう。
姿はありふれた日本の風蘭で流行のアマミ系のような迫力はありません。
それでも人気は移り変わりますから
その内こっちに戻ってくるかもとちょっと期待もしています。
そうなった時には縞と覆輪、両方持つのが肝心。
ワンセット並べて見ると芸の奥深さが倍増する・・・かも
ジャンルの違う奄美系と比べてもあまり意味はないのですが
思うに痩せても肥えても間延びしてもいない普通の葉姿のちょっとした株立ちで
花茎の一本でも立った姿に限りなく深い味わい、旨みを感じます。
上作を目指すほどに味わいが置いてけぼりになるとはややこしい話ですが・・・。
ここら辺、どう言ったら良いのか難しいのですが
例えば上作された美術株はどうしても人が作った工芸品のような雰囲気が出てきます。
見る人にすごいっ!と思わせなければ大会で入賞できませんからね。
でも、自分的には同じように多くの手間を掛け、長い歳月を重ねたにしても
特に際立った主張がなく自然の中にぽんと置いても違和感無く、すっと景色に溶け込むような
そんな姿の株に育てるのが理想かなと思っています。
まあ、山野草なんかを育てていましたので
満作にしちゃうと山の草らしい風情が台無しになるという刷り込みがあるせいかもしれません。
行きがかり上、話が脱線しましたが上の株はこれとは関係ありませんです。