あれから4年と3ヶ月。
木はボロボロ、絶種寸前だったのですが
ようやく紺覆輪中透けの完全本芸で蘇ってくれました。
かの藤井清七氏がご自分の清の字に宝を付けた入れ込みようにも十分納得です。
見たわけじゃないのですが当時の木もこんな芸をしていたのではと思います。
当時は数少ない中透け品種でしかもルビー根まで出るとなればさぞ喜ばれたことでしょう。
そんな品種ですが今は本芸品が皆無で誰も見たことがないため
銘鑑ではどん尻近くになっています。
むしろ名前が消滅していないことに感謝です。
ただ、増えそうな感じもしますからこの至芸品が標準芸となるならば面白い存在になりそうです。
それにしてもこの木の親木の獅子王錦と青光墨は泥軸、青軸の違い以外は
柄の性質などがよく似ていて興味深い所です。
清宝は昨日、ちょっと触れた青光墨系でいうところの青軸羆といったところですが
それでは星光殿に対応する木はというと…1本ありました。
ただ、芸の固定も増えも悪そうですから少しの間楽しむことになりそうです。
あれから3年と4ヶ月。
一旦腐敗菌が入っちゃうとなかなか根腐れは止まらないものですが
翌年もう一度気合と期待を込めてクリプトモスに植え込みました。
その後、春の新根は3回出ましたが腐ることなく積み重なり、
いくらなんでもまた植え替えなければという事でようやく実行できました。
前は根が少なかったので10本寄せ植えしても3、3号鉢で間に合いましたが
今回は3、5号か4号鉢が必要となりました。
こんな風に寄せ植えしたのが全部で30鉢余り。
青軸羆はそんなになく青光墨や青軸羆から本芸落ちした青軸紺縞が多いのですが
全体的に木勢が盛り上がってきた事と相まって実に壮観で見ているといまだにワクワクしてきます。
それにしてもクリプトモス植えは棚環境にぴったりとハマりました。
植え替えの間隔は空けられるしその間根腐れは皆無。
これで今まではビクビクしながらだった肥料も思う存分与えられるというものです。
前提条件を一つ変えただけですべてが変わりますから面白いものです。
こちらは青軸羆から本芸落ちした青軸紺縞です。
今でも時々紺覆輪の仔がどこからともなく出てきますが
これは物量作戦のたまものでしょう。
メモ書きによれば昭和57年青軸羆を雅草園より2本立ち18万で購入とあります。
40年間で良く増えたものですが
そういえば眺めるばかりで全然元を引いてなかったです。
あれから2年半。
前日の杏里とは同種の柄ながら青軸青根で雰囲気はがらりと変わります。
こちらはあまり植え替えなくても古根は傷まず丈夫な品種のようです。
が、植え替えると更に元気に・・・。
寄せ植えですがたくさんの新根が絡まって株がばらけず
次の3年後の植え替えはラクチンかも。
え~~3年も放っておくの~とか言われそうですが
そうです放っておくのです。
あれから8年。
タイトルを泥軸墨流し曙芸としていましたが
蘭国さんが杏里という素敵な名前を付けてくれました。
それにしてもその後も作は思わしくありません。
どうしたものかと考えるのも面倒になり焼き鉢にクリプトモスで寄せ植えしてみました。
そしたらこの組み合わせが功を奏したのか急に元気になったようです。
古根が傷んで少ない分、新根がたくさん出てくれました。
柄の安定度はイマイチなものの仔吹きの良い品種ですから
数年後にはまた寄せ植えを解消し
味わいのある柄や姿を鑑賞できそうです。
あれから1年半。
一進一退が10年以上続きその間いつもの寄せ植え状態で
増えるどころではなかったと思います。
でも近頃は根も出来てきて何本かはようやく親木サイズになりました。
ただ、ここからそれぞれをきれいな株立ちに持っていくには
気の遠くなるほどの時間が必要です。
柄は羆の誉と同類の三光中斑ですがこちらのほうが明るく姿もシャープ。
例えば20本立ちくらいのきれいな株が大会に出たら
自分的にはひな壇最上位クラスでしょう。
あれから1年。
写真を撮ってみなければわからなかったことですが
意外に活発に生育したようで葉繰りは1作でなんと3枚半。
根は鉢底からも邪魔になるくらい出ています。
親木がご機嫌なら仔も良く育ちます。
ただ、紺中通しのある仔は2本ぐらい。
あとの2本は紺覆輪のみで根下ろしは良くないし
外せば枯れる木です。
紺地はあるように見えても性質は真鶴と一緒ですから。
それなりに仔出しに満足感は得ているつもりでも実は増えない品種です。
たぶん大株立ちなんか誰も見たことはないと思います。
羆の名前が入っていてもそちらの仲間ではありませんが
なかなか渋くて趣のある柄の持ち主ですから
時々して忘れられないようにしなくては。
そんなに昔の品種ではありませんが少なくとも30年前には存在していました。
当時はバブルということもあってかゼロが6個ぐらい並ぶお値段だったようです。
この芸が評価されてのことでしょうが、
もちろん入手したのはその頃ではなくほんの5,6年前です。
でもなぜか当ブログでは初出かも。
柄は解説書などでは紺覆輪となっていますが
正確には紺覆輪に紺中通しを伴ういわゆる三光中斑芸です。
同芸品種には鉄橋殿、薩摩浄雲などがあります。
ただ、この羆の誉という品種は柄が不安定というか
紺中通しの無い紺覆輪だけの仔を量産するようです。
紺覆輪のみの仔は小型化し附けも波型に変わります。
初めの頃は変わった仔が出たと喜んだものですが
根下ろしが悪くようやく外せるようになっても外したらほぼ枯れてしまいます。
そこそこ紺地はありますので育つように錯覚しますが
たぶん西出から出る真鶴のようなものかも。
そんなこともあってか本芸品が増え出す前に人気は圏外へ・・・。
未だに未登録のかわいそうな品種ではあります。
ちょっとミステリアスな感じもあって好きな品種なんですけれどもね。
天気予報通り、大雪となっています。
一昨日から降り始めて今は70cmぐらいでしょうか。
それでもそれまで降らなかった分、大儲けかもしれません。
一昨日から降り始めて今は70cmぐらいでしょうか。
それでもそれまで降らなかった分、大儲けかもしれません。
さて、羆の光はあれから1ヵ月弱。
と言ってもこれは別の増え木です。
一応、青光墨系の変化種で紺覆輪黄中透けまで芸は一致していて
余り細分化しても紛らわしいかと思い羆の光としていました。
ただ、変化した場所が違ったせいか明らかに違った特徴も持っています。
こちらは天葉の柄がやや後冴えで伸び、葉肉厚く、葉幅引き
時折、鎌葉になったり燕尾葉になったりします。
また、柄は地味になっても次で柄が戻ったりその逆のケースもあったりで
トータルでは柄の安定度が高そうです。
仔はちょっと微妙な柄だったり
完全柄だったりと色々…。
こちらは一見鎌葉のない正しい姿ですが
こんな予兆のような芸の葉が出ていますから
いずれはぐりんぐりんした姿になるのでしょう。
因みに星光殿はこんな感じで確かに斑の色以外の特徴は似ています。
ところで先日、東海園さんがお持ち帰りになり
明らかに品種が違うし羆の光じゃ売り難いから「政宗」にしたらとのご提案を頂きました。
伊達政宗の兜の三日月がこの品種の鎌葉とリンクしているとのことです。
二ひねりくらいした命名かも。
ということでタイトルも「政宗」とさせていただきました。
鎌葉は姿を乱すような気がしてあまり好きじゃなかったのですが
個性としてクローズアップさせてみるのも面白そうです。
あれから13年。
田口さんや堀内さんの本の解説では紺覆輪白中透けを本芸とするとありますが
本の写真はそれらしき芸をした木ではありません。
たぶんその頃から昨今見当たらずということだったのでしょう。
完全中透けになると根も全部薄めのルビー根となり木は少し弱体化するようですが
それに輪をかけた放任栽培が祟り
我が家でも危うく絶種しかけるところでした。
油断して無くしたら再入手は困難でしょうから
紺覆気配の木を寄せ集め(冬の間は柄が暗んでいますので見え難い)
とりあえず一鉢にまとめてみました。
しばらくず~っとぼろい姿しか見ていませんでしたが
幸いにもきれいだった頃のイメージも頭に残っていますので
それを目指していきたいと思っています。
これから柄は白く冴えてきますので
手に取って見る機会も増えるでしょう。
次の植え替えの時には上芸品をピックアップして単独植えにしてみたいと思っています。
あれから7年半。
1~2本ぐらいは仔が外れてどこかへ行ったようですが
それ以外はそのままに。
いつの間にかまた株立ちになっています。
増えたといえば増えましたが
8作でこれぐらいの増殖速度はちょっとゆっくりかも。
もっとも3年に1度くらいの植え替えで
花も咲かせるとなればしょうがないのでしょう。
比較的根は丈夫な様でそんなに植え替えなくても耐えてくれますから
それに甘えちゃってます。
普通の曙のほうが植え替えないと根痛みしやすいようですね。
柄はお馴染みの曙柄ですが青軸青根。
ほんの少しの違いですが品種の違いが一目瞭然なこともあり
ちょっぴり大切にされているようです。
少し前の画像ですからあれから2年。
元々下葉の持ちがよくない品種なのに過密な寄せ植え
しかも2年も植え替えしていませんから
それぞれの木には葉が5枚程度しかついていません。
ただし柄は鶯色の地合いに紺覆輪がくっきり。
なかなかの美しさです。
そういえばと、11年前の画像を持ってきましたが柄はどこにあるのかといった状態。
ただ、葉はいっぱい付いていて当時のほうが作はうまかったようです。
木勢を落とす=柄がきれいになると、直結するのかどうかは不明ですが面白いものです。
苔も葉を開いて心地よさげですがこれは植え替えない=水持ちが良すぎるで直結してるかも。
あれから9年。
長らく木炭植えで放置していましたらあえなく作落ちし
どうしようもないのでバラバラにしてまたお得意の寄せ植えです。
木炭植えでも毎年鉢を換えたり新根を鉢の中に入れてあげれば木勢を維持できるのですが
5年もそのままにしていると流石にだめなようです。
もっともこれはもともと葉持ちの良くない品種というせいにも出来ますが・・・。
しかし長年の栄養不足がたたったのか地合いは薄くなり紺覆輪がくっきりと浮き上がっています。
それはもう芽変わりしたかのようで錦紺冠もかくやというほどの美しさです。
こういうのを怪我の功名というのでしょうか。
品種を維持しているというだけで長年目の端にも入らなかったのですが
これからはちょくちょく手に持つ機会も増えそうです。
それにしても国光殿ってこんなにきれいな品種でしたっけ。
あれから3年8ヶ月。
昨年は中はピートモス、外側に竹炭を当てるというハイブリットスタイルで植え込んでみました。
ここまでは悪くないのですがその後、手に取って見ることも無く
たぶん水不足だったのでしょう。
下葉バラバラ落ち小さな仔まで枯れていました。
結果、3年前の姿とそれほど変わりなく・・・。
そこで心機一転、今年も植え替えることに。
幸い、根だけは良く出来ています。
さすが愛楽園製の切高台。
4号鉢ですが鉢底まで根がびっちりです。
それを解きほぐし枯れた根を整理。
根の長さは40cmくらいはありそうです。
愛楽園製の切高台は根は良く出来るのですが
そのまますっぽり抜いては寸の短い富貴蘭鉢に入らないのが悩みの種。
つまり展示会などの出品には不向きと言うことです。
そこでちょっと思いついたアイデアを・・・。
まず根を2つに分け片方をのの字に内側に巻き込みます。
そしてもう一方の根をその外側にまくと・・・あら不思議。
鳥の巣のようになりました。
その鳥の巣にピートモスを詰め込みミズゴケで巻くと
3,5号の富貴蘭鉢にぴったりと収まりました。
最近思いついたやり方で予後がどうなるかは不明ですが
根を切ったり折ったりしていませんから
そんなにひどいことにはならないかと思っています。
先日は根の少ない木の植え方でしたが
これはたくさん根のある株の植え方でした。
あれから2ヶ月。
良く良く見たら親木の天葉がフリーズしていました。
なんか調子悪そうと思っていたのですがやはり芯痛。
ず~と前、手を滑らせて落っことしたのが遠い原因かもしれません。
まあ、こんなこともあります。
でも、その代わりに出たこの柄の仔が育ってくれることでしょう。
と、余裕でいられるのもこちらの大仔があまりにも良すぎるから。
こっちはまだアントシアニンたっぷりですし
向かいの仔もこれぐらいの柄だと生育良さそう。
傷一つ無い三本仔付きの美しい木ですし
来年、新根が降りたら外せそうでそれを楽しみに・・・。
こちらの仔も今はボロい姿ですが
柄は良いので下葉2枚落ちれば種木くらいにはなりそうです。
アクシデントを乗り越え着々と増えていくことにも愛着を感じますです。
あれから1年と3ヶ月。
墨が入って、しかも柄が派手。
その為か生育状況がイマイチで親木の途中の葉が抜け落ちたり
炭団のような黒いポチが付いたりしてとてもする気になりませんでした。
しかし最近、ぼろっは~着~ててっも~心・・・もとい仔~の~~錦~
といったものを目にしましたのでようやくその気に。
3枚葉だった仔は6枚になり
更に仔を3本生んでいます。
その仔は冴えた白柄に松葉を散らし、しかも紅を差してまことに綺麗です。
そしてこの品種はここから本領発揮し、いくら派手でも直に松葉を乗せてきます。
たぶん全部成長してくれるでしょう。
もう1本の仔は黒いポチが付いてハラハラさせられましたが
それも無事収まり仔が2本。
1本は久々に柄の少ない仔ですがこんな仔は元気に大きく育ちます。
柄抜けがほとんど出ない曙芸ですから
これを基点にして大きな柄のある仔を見てみたいものです。