あれから 1年。
葉は2枚葉繰りして下葉3枚落ちるっといった感じでしょうか。
仔が出て増えるイメージが全く湧いてこないまま
年々少しづつ衰退していくのでしょう。
天冴えと後冴え、2種類の柄の混在はさすがに厳しそう。
きれいなのに残念なことです。
あれから 4年。
たくさんの仔に恵まれましたが
よ~~く見ると紺中通しのある木は
親木と仔1本のみ。
よくある建国覆輪と違って大冠 のような大覆輪系ですから
固定性はこんなものなのかも。
そういえば方や羆覆輪から出た大冠とよく似ていますが
ルビー根が混在する大冠と違いこちらは泥根しか出ません。
ええ、ユウレイになっても泥根です。
建国系も変化種が出すぎるとややこしくなってきますね。
あれから 2年9か月。
柄は覆輪調で推移しています。
青に近い仔、2本は外し次に期待していましたが
ついに期待以上の柄の仔が出ていることに先ほど気が付きました。
下葉が1枚だけ中透け状になっていたのが幸いしたのでしょう。
まさにワンチャンスしかありませんでした。
少し紺を含んだ青白い柄が目に涼やかです。
元々は本芸の羆の柄抜けから出た縞ですが親木からルビー根は出ないようです。
この仔からも多分ルビー根は出ないでしょうが
それはそれとしてこの斑色ですくすくと育ってくれたら大満足です。
それにしても欲しいと熱望していたタイプの柄ではありました。
もう1個アタリが付きましたがこちらの柄はどうでしょうか。
ところでこれについていた柄の少ない仔、2本が見当たりません。
どこかに紛れてしまったようで失敗しました。
それでもどこかにあるでしょう。
柄のない木でもわずか 6年でここまで進展しますから
(この木の物語はここから始まっています。)
改めて大事にしなくちゃと思っています。
あれから10日。
寄せ植えを全部バラして1本ずつ植え替えてみました。
それにしても今まで確か三光中斑ぽかったといった先入観があって
しかも柄が冴えず40年間でたくさん増えたので丁寧な扱いをしなかったのは
お目出度い限りです。
いつ頃から中透けに変わっていたのでしょう、これは見れば見るほど建国殿
というか建国殿そのものです。
寄せ植えでしたから陰になって柄が冴えなかった木も
風通しが良くなって追々冴えてくることでしょう。
全部で80鉢余り。
楽しすぎて暇を持て余すことなど無くなることでしょう。
もちろん40年も育てていますと柄の少なくなったのやヌケもたくさん出ましたが
他の建国の青に混じってどこかへ行ったかもしれません。
他所でも中透けの木が出ている可能性が無きにしも非ずですね。
あれから3年半。
だいぶ増えましたので寄せ植えして一枠(10鉢)にまとめ
春から外棚に置いてみました。
燦燦と紫外線が降り注ぎ日差しもきつい環境と
柄が冴えだす秋口の時期が重なり急に柄が冴えてきました。
ええ、全部です。
大昔に1、2度こんな柄になったことがあってそれを目指していたわけですが
いきなりこんな鮮やかな紺覆輪黄中透けになるとは夢にも思いませんでした。
この環境で何作かすれば天葉だけでなく下葉まで同じ柄になってくれることでしょう。
その昔、40年ぐらい前でしょうか大家の木瀬さんが「柄が冴えんでの~」と言いながら
羆として育てていたのを雅草園が買い出し、それが私の所へ来たわけです。
普段は鳴りを潜めていても何度かはこんな柄になったのを木瀬さんも見ていたことでしょう。
富貴蘭って面白すぎますね。
とりあえず1本づつにして植え替えなきゃいけないんでしょうね~
あれから3ヶ月。
天冴えの中透け縞と後冴えの中透け縞が混在していて
とどのつまりは斑が多くて枯れそうな木なのです。
それでも長く伸びそうな根が出て今年も持ち堪えてくれそう。
枯れる前の命の煌めきというかそんな神秘的な美しさが宿っていますから
覚悟しつつもなるべく長く手に取って見ていたいと願っています。
あれから1ヶ月。
生長の始まりとともに艶やかさが増してきました。
元々は後冴え柄でルビー根の出ない建国縞でしたが
いつしかそれに天冴えの柄が重なりルビー根も出てきました。
今でも2種類の柄が同居していて
それが頭が混乱するほど複雑でしかも華やかに見える要因なのでしょう。
それにしても羆よりきれいな建国っていかがなものかと思ったり。
ルビー根は今から先細りで昨年と同様早々に止まってしまいそう。
しかし今回は泥根混じりの根も出てきました。
こんなところが建国由来と言えるのかも。
それでも泥根は良く伸びてくれそうで生育面でも一息つけそうです。
とはいえ増やすことを考えると遥か遠い道のりです。
あれから5ヶ月。
下葉2枚が落ちて姿的にはスッキリしたというか
これ以上葉が落ちなくて何よりでした。
そんなに日には当てていないのですが柄の冴えは羆以上。
後冴え気味の建国殿と違って天葉の柄も冴えています。
建国殿から羆が生まれたら大騒動ですがそれが現実になりつつある・・・のかな
あれから1年と2ヶ月。
今までタイトルは建国の縞とか羆の縞として紹介していましたが
柄が中透け系ですし建国殿と違って天葉から柄が冴える羆柄です。
ただ羆の青から出た木に間違いはないのですが一旦リセットされたためか
柄は本来の羆と違って渋くシックな装いです。
しかもルビー根が出ません。
よって裏芸くらいはありそうという事で上のタイトル名にしてみました。
親木は崩れながらも天葉で紺覆輪中透けの完成を見ましたが仔は青。
と思ったらこちらは天葉に白縞が・・・。
白縞だったらルビー根が出るのかも。
外した仔のほうは崩れながらも中透け方向に纏まりそう。
更に外した仔もこんな感じでとりあえず3代続けて柄はありますから筋は良さそうです。
1本入手しここまでで24年掛ったことになりますが
ようやくここから面白くなりそうです。
親木は中斑縞でルビー根も出る良系でしたが惜しくも芯痛になりガックリ。
幸い1本仔が出てくれて期待しましたが柄が見当たらず再びガックリ。
ところが今年の天葉に中斑縞が入り始め期待が高まります。
それにこの仔。
いきなり覆輪なんて出るんですね。
このままでしたら羆覆輪と大差ないのですが何しろ親木は中斑縞。
この仔にもその芸が現れルビー根でも出てくれれば大出世です。
という感じで遊び相手になってくれる愉快な木ではあります。
あれから4ヶ月。
柄が冴え過ぎてちょっとダメかもと半分諦めていましたが
元気な根が1本出ていましたし紺地も幾分戻してきました。
特に天葉の深い紺覆を見ると行けそうな気がします。
元々はルビー根の出ない羆錦タイプの木だったのですが
あれよあれよという間に大変身を遂げてくれました。
今では羆もかくやといった感じの柄です。
この木を得て柄が綺麗で泥根しか出ない木も関心を持って見ているのですが
今のところ柄の進展を見たのはこの木のみです。
あれから7ヶ月半。
柄の冴え具合を見るにつけ羆以上にきれいと思ってしまいます。
ただこれだけ柄が冴えると勢いのある根が出てくれません。
下葉も更に2枚落ちましたし枯れる少し手前ぐらいの一番輝いている時が今なのかも。
少しでも長く維持できればと思っていますがどうなることやら。
あれから2ヶ月弱。
さすがにこんなに冴えた柄では生育も徐行運転となってしまいます。
春から葉1枚出れば御の字としたものでしょう。
それでも生育は続いていますし新根も伸びていますから
もうしばらくはこの煌めくような柄を楽しめそう。
それにしても2ヶ月弱でずいぶんミズゴケが汚れています。
薄い肥料と木酢液を潅水毎に与えていましたのでそのせいでしょう。
それでもこんな柄でも木勢を維持しているのは葉面散布のおかげとも言えますし
そんなことが出来るのも根腐れの心配が皆無になったからでしょう。
と、ここでクリプトモス植えに繋がります。
これで植え替えさえしっかりできれば作は好循環になりますが
だいぶ心残りを残したまま秋を迎えてしまいました。
あれから2年。
親木の柄はすっかり影をひそめてしまいましたが
ほぼワンチャンスで出た仔が大出世。
これ以上ないほどの上柄です。
ただ、斑の色はなにやら御簾陰にそっくり。
仔は紺中通しですから神風でしょうか。
御簾陰柄は落ち着いた涼やかな色合いで好きな斑色の一つです。
親木は柄抜けでしたから斑色も一旦リセットされたのか
装いも新たにこんな斑色で出てくれたのは新鮮な驚きです。
この柄ですからいろいろな仔が出てくれそうで今後の進展が楽しみです。
あれから2年と2ヶ月。
2年も経つと姿はすっかり様変わりしています。
親木は芯痛のような感じから再起動。
柄は目出度いほうに進化し渋いながらも紺覆輪中透けになってきました。
以前、付いていた小さい仔はすでに外れていて
こちらも渋いというかベースが鶯色の中透けでほぼ固定しているようです。
これも元は羆の抜けなのですがとりあえずは
建国殿のバリエーションの一つに加わればこれはこれで楽しめる品種です。
これはもう建国の縞ではありませんから建国殿の裏芸、裏建国殿とでもしときましょうか。
裏羆のほうが語呂は良いのですが恐れ多いような気がします。