紅天狗
2014年06月30日 | 花
あれから3年。
毎年思う存分に咲かせてしまうので株はなかなか増えません。
というかこの頃下葉が枯れこんできましたのでちょっと不味いかもと思っています。
やはり花物とはいえ増殖用と花見る用と幾鉢かに株分けしておくべきなのでしょう。
それにしてもこの濃い赤にはそそられるものがあります。
写真ではなかなか色が出ないと外で撮ったらこんな感じに写りました。
これはチョット出過ぎかも。
ふと、気がついたのですがだんだん開花の時期が早まっているような気が・・・
これも地球温暖化の影響なのでしょうか
あれから半年。
棚に入ってから3作目です。
そろそろこちらの環境にも馴染んできたようで生長スピードが増しています。
ただ葉丈は天葉3枚ぐらいの長さで落ち着きそう。
というか柄が派手目ですからこの姿でまとまってくれれば愛らしい一品となりそうです。
しかし派手目といっても紺中通しはしっかりありますから
ユウレイ木と違って倒れることはなさそうです。
それに今年は勢いが付いたのか天葉は紺がすぐ晴れずに残っていて
この残心さが芸に奥行きを与えています。
仔は派手かと観念していましたが3本共に紺中通しが現れて来ました。
どうやら親木と同芸くらいにはなりそう。
それにしても蘭の国からさんのなんかと比べると柄、姿共にまるで別種。
作の具合でもいろいろ遊べる楽しみな品種ではあります。
胡蝶の舞
2014年06月28日 | 花
今年は7月上旬に地元で展示会を予定しているのですが
それに合わせて満開の株を持っていこうとなるべく花芽は摘まずに様子を見ていました。
それが今満開。
遠くにいても香りが漂って来ます。
しかしこうなると花切り作業が大変です。
そんな中で胡蝶の舞が目に付きました。
あの時のは貧相な花でしたがこれは本咲きかな。
クリオネのような愛らしい花です。
ついでに青真珠。
昨年は7月中旬頃の開花ですから今年はちょっと早いようです。
相変わらず可愛らしい花です。
株全体の写真も撮ったのですが花が白トビしてしまいボツでした。
あれから8ヶ月。
新根が降りずにやきもきしていましたがようやく1本出てきました。
葉の成長はなかなか実感できないものですから
やはり目安となるのが新根で、これでちょっぴり安心しました。
しかもそれに伴い仔の動き出しまでおまけ付きです。
もっと下に付いていたアタリは潰れたようですがこっちのほうが勢いはありそう。
そして次の課題は柄ですが今のところありそうななさそうな。
自分的にはしっかり中透けに見えるのですが人はこれを欲目と言います。
あれから7ヶ月。
左右同じ長さの天葉が出てバランスが良くなりました。
天葉はいかにも窮屈そうに出てきますが
今のところそれで芯痛になることはなさそうです。
一口に言ってしまえば裏甲龍の泥軸版ですが
そんな生易しいものじゃなく大きくなればもっと激しい芸を見せてくれそうです。
軸の付近は相変わらずこんなふうで
葉が二重構造になっていて外側は附けから葉と軸が離れてても大丈夫ってな感じかも。
昨年から見えている仔はさっぱり動く気配なし。
右側のアタリはそのままの状態で枯れちゃいました。
やはりもっと木勢が付かなきゃだめですね。
今の3倍くらい大きく育ったらさぞ迫力ある姿になることと思います。
変わり者好きにはまたとない品種ではありますが欠点は実生ということ。
まあ、自然界からはまず得られませんからありがたいのですが
あれとこれを掛け合わせたらフラスコの中で変わったものが生えました~。
いっかがですか~てな感じでストーリーが皆無です。
それにまた作られる可能性が無きにしも非ずですから。
あれから7ヶ月。
太い新根が3本出てまず作は一安心・・・と思ったのも束の間。
天葉が短~い。
しかも次の天葉はもっと短~~い。
・・・もう付けが見えちゃっています。
まだ棚慣らしの初期段階とはいえ一筋縄ではいかない品種のようです。
こまめさんちと仲良くお付き合いしちゃったのかな~
葉数の分だけアタリが増えると慰められても
この品種にとってそれはほとんど意味なさそう。
ごついぐらいの大きな葉が出て子沢山になるまでの道のりは
遥か遠くの彼方・・・今のところ霞んで見えません。
あれから1年と10ヶ月。
すっかりこちらの棚環境に馴染んだ親木からはもう仔の出る気配はありません。
この親木を以前のように花芽すら付かないほどの日陰で3作くらいし
更にそれから日作りすればまた仔がたくさん出てくれるかも。
ちょっと試してみたい気もします。
しかしこの親木はコートメ柄から太縞に移ろいもう上柄の出る見込みはなさそう。
それでも、5年間良く働いてくれました。
おかげでこの品種を棚にたくさん並べることが出来ましたので・・・。
今は全部株分けして育てていますから
どれがどこから増えたのかわからなくなりましたが
この木は上の増え木の特徴がまだ残っていました。
こんな柄ばかり棚に並んでいたらさぞ楽しいことでしょう。
しかし実際は柄抜けや派手、半柄などバラエティーに富んでいて
違った意味で楽しんでいます。
あれから10ヶ月。
また柄抜けで出た仔を毟って仕切り直しです。
うまい具合に花芽予定位置から出てくれるのですが
柄の良し悪しまでには手が及ぶものではありません。
こっちのほうは普段の行いが物を言うのでしょう。
・・・残念です。
何も良いところがないような木ですが
最近ひとつ新たな魅力を見つけました。
・・・それは下葉。
葉重ねが片側10枚以上になりますと
一番下の葉はふっくらと膨れて大鷹丸のよう。
思わず触りたくなります。
これも一つの芸とすればここまで古木にならないと現れない芸
ということでこういう木でも存在価値を存分に発揮しています。
滅多にここまで出来るものではありませんからね。
とはいえお値段的にはこの木はたぶん千円ぐらいのものでしょう。
ええ、それぐらい知ってますって。
金孔雀
2014年06月22日 | 虎
あれから8年。
ヨーイドンで四方から仔が出てくれれば将来美術株候補となりますが
この株は8年前から仔出しは片面だけで反対側は絶壁という状態でした。
その雰囲気を今も醸し出しています。
それでも年季が入れば何とか見られるというもの。
痛めることなく立派な株立ちになっています。
そろそろ開花の時期を迎えていますが
こっちにフウランの自生は無いはずなのに
どこからともなくスズメガがやって来ます。
そして夜中にぶんぶん飛び回り咲いたばかりの花を結実させてしまいます。
ちょっと腹立ちますね。
3年ほど前、蘭の国さんからやってきました。
その姿は豆葉なのに天を拝むような受け立ち葉。
しかもアントシアニンが出まくります。
さすがにこれではまずいかなと今年は日弱にしていますがそれでも乗って来ます。
これだけでも風変わりなのに実は紺の中通し入り。
つまりは柄物なのです。
この姿は柄の影響かもしれませんね。
しかし力強い葉姿ではありますがさっぱり仔の出る気配はありません。
意外に弱体かも。
ただ、だいぶ棚に慣れてきたことですし花芽も付いていませんから
そろそろ奮発してほしいものです。
あれから1年。
ようやく根腐れと縁が切れたようで
またまとめて寄せ植えしてみました。
株元をくるくるミズゴケで巻いて固定し
根のほうにはピートを詰め込んで
外を軽くミズゴケで一巻きして植え込みました。
ピートモスを使ってからミズゴケの量や鉢など
いろいろな組み合わせを試していますが
これは比較的良く出来ている部類じゃないかと思います。
鉢底からもたくさん出て来ましたから
中では根がぐるぐる巻きになっていそう・・・。
上のほうはまだ素立ち10本の寄せ植えですが
あと2,3作して力を蓄えればちょっとした株立ちをたくさん作れそうです。
あれから1年と3ヶ月。
休眠期間の長い秋田に居つくのかそれとも枯れてしまうのかがそもそもの前提でしたが
なんのなんのしっかりと居ついてしかも芽数までだいぶ増えてきました。
こうなってくれれば伸びやかに育つアマミもなかなか楽しいですね。
この品種、姿は緩やかに弧を描く湾曲葉で
柄は紺中通し、覆輪部分はあとからゆっくりと白に変わる複雑系です。
根は濁りのないピンクでこれも株に彩りを添えています。
その姿ですがこちらに来て葉が3割ほど短くなりました。
キリッとというほどではないにしろ長い下葉が入れ替わる頃には
また視点の違う魅力が見えてくるのではと思っています。
蘭の国からさんこだわりの一品です。
あれから1年と9ヶ月。
初めは縞でしたが早くから覆輪に変化しましたので
今では縞と覆輪の芽数は半々ぐらいです。
縞のほうは不安定で青や派手が出ましょうから
だんだんとこっちのほうが押され気味になってしまうものと思われます。
それはそれとしていつも両方並べて見ていたい木ではあります。
宝錦由来の葉艶が乗った葉に後冴え気味の乳白色の千筋柄。
ちょっと引き込まれそうな美しさです。
あれから1年と9ヶ月。
生育は穏やかで2年近く経っていますが仔も3本のままでした。
それでも覆輪は狂い無く継続しています。
花芽が付きまくりましたのでたぶんこれで姿は完成。
私の棚ではこのままの姿で葉を重ねていくと思います。
その姿はそれほど自己主張はしませんがたおやかでしっとり、
色白の秋田美人のような風情があります。
決して金髪の西洋美人というイメージではないですね。
そうだ、次からは名前を秋田美人にしようかな。
ちょっとマイナーなネーミングですが・・・。
あれから10ヶ月。
歳月を重ねるごとに葉も積み重なり
こうして丹精が結果に現れるのは緊張感もあり嬉しさもあります。
いかにも芯痛になりそうな葉姿ですが
意外に育て易いかもと考えを改めているところです。
新葉が出てくるとき力を溜めるのか少しの間動かないように見えますので
そこでハラハラするという寸法なのでしょう。
仔も順調に育っていますし
もう1本反対側からも出てくれました。
これが大きくなる頃には見惚れるような姿になっていることかと・・・。
なんだかこの頃すっかりお気に入りになってしまいましたので
あと何鉢か棚にあってもいいかもなんて思っています。
もちろん買うなら本性品でしょうね。
セルフ実生、コピー品しか置いてない棚というのも侘しいものですからね。