あれから1ヶ月半。
新根が宙を舞いミズゴケも汚れてきましたので今年2度目の植え替えです。
植え替えしていると何かしらアクションを起こしたくなるのが世の常、人の常。
植え替えたらミズゴケに潜ってしまいそうとか理由を付け
つい、この仔を外してしまいました。
墨で黒光りし葉肉も盛っていますので裏表に抜ける柄にはなり難いようですが
全体に満遍なく入っているようにも見えます。
それが葉淵に来ると極黄に輝くといった具合で何とも奥ゆかしさを感じます。
これもある意味芽変りの一種で
これ1本と上の3本立ちが同価値くらいに思えてしまいます。
ただ、こんなに墨に覆われて
しかも柄まである木は枯れるんじゃないかなあと気が付きました。
割った後ですから枯れたら後の祭りかも。
でも、上の株からまた出てくれるかもしれませんし~。
あれから2年と10ヵ月。
株分け後3作でようやく木勢が付いてきたようです。
似たような柄の新月殿と違って太い根を長く伸ばします。
こちらには2本仔が付きました。
建国殿から出たハデ柄ですから間違って紺覆輪にならないかなと期待していましたが
残念ながら親木と同芸でした。
でも、ルビー根は綺麗です。
そういえば柄が無くてもルビー根が出る山田建国という木。
昨年までは確かに無地でしたが春先に日強い所に置いていたら急に黄ばんできて
これは葉焼けさせてしまったかなと心配したものです。
しかしそれ以上進まない所を見ると本来あった柄が浮き出てきたんですね。
それでは上の木と同じタイプかなと思っていたのですが
出た仔の柄がこんな感じでした。
似たような柄でもだいぶ違うようです。
あれから3ヶ月半。
朝日の良く当たる場所に置いてありますが紺地も飛ばず
元気に生育しているようです。
それぞれが古木っぽい感じなものの今年は仔出しが期待できそう。
たくさん育てていても今までそんなに変化した木を見たことはなかったのですが
これは付け付近にガシを打ってちょっと面白そう。
幾分小型に育つようです。
反対側は普通に育ちそうな大きな木です。
こちらには新月殿を生みそうな木を集めてみました。
ウチの棚ではほとんど覆輪の仔しか出ないのでこれは稀な系統です。
親木に付いている限りはいつまでも枯れないようですし
それなりに綺麗です。
そういえば30数年前、これに白縞が入った木をこれは珍しいと購入し
速攻、枯らしたことを思い出しました。
更にそういえばウチの棚でも羆覆輪に白縞が入った羆牡丹なんていうのが出ましたが
これも数年で枯れてしまいました。
また出てくれないかなと見ていても二度と遭遇することはないようです。
あれから8年と半年。
丈夫で元気が良すぎるというのも困りもので
根っこお化け状態で収拾が付かなくなり1本ずつに分解したのが3年前。
それを律儀に一鉢ずつに植え、昨年は天水棚に吊るしていましたが
作落ちする品種が多い中、却って良く出来ました。
1本立ちにしたら急に増え出すということはありませんでしたが
カッコ良く出来た木を選んで寄せ植えしてみました。
それぞれ勝手気ままに曲がりくねっていますが群れると妙にしっくりした姿となり
我ながらなかなかの出来栄えと思っています。
ということで獅子甲龍と言えどもこんな感じで眺めるには
結構な手間暇コストが掛かっています。
そんな気持ちにさせる原動力は刷り込み。
この品種の虜になった時代も確かに在ったのです。
あれから4年。
その後も根腐れとは縁が切れなかったようで小康状態が続いていました。
昨年までは1本ずつ単独植えにして様子を見ていましたが
ようやく回復した木が見えてきましたのでまた寄せ植えしています。
芽数は相変わらずそのままですが真ん中3本くらいは大きく育ってくれました。
珍しく白っぽい柄が出ている木が混じっていたりとちょっと楽しみ。
以前の姿とは比べるべくもありませんが再挑戦です。
それにしても一旦痛めると回復まで2~30年掛かりそうで恐ろしいことです。
あれから9ヵ月。
根があまり長く伸びずに止まったりと
まだご機嫌はイマイチのようです。
他の風蘭と比べて葉全体の体積が圧倒的に少ないのが原因でしょうか。
定位置に置いている分には丈夫でも環境の変化には付いていけないような気がします。
今後、展示などでの持ち運びは控えようと思っています。
それでもけなげにも仔が1本出てくれたようです。
こちらは途中の葉が落ちたりその付近から根がたくさん出たり
機嫌が悪かったり良かったりしている木です。
上から出た根が空をさまよう様子は見るに忍びないので
こんな感じに植えてみました。
まだ下の根もたくさんあって力は余っていますから
これで間違って上の方から仔が出てくれたら
爆発的に増えてくれることでしょう。
あれから1ヵ月ちょっと。
しばらくはフリーズ状態かと思われた天葉ですが
意外に早く動き出してきました。
白縞はちょっと細いのですが覆輪っぽくもあり
後暗む黄中斑との複合芸ですから今後の進展に注目しています。
ただ、天葉の活動開始が影響したのかせっかく出た仔の動きが無くなってしまいました。
あれから1ヶ月半。
のんびりゆっくり成長しています。
そしてようやく次の天葉が顔を覗かせました。
今回も紺覆輪が約束されたようです。
普通、真鶴芸になってしまうと
だんだん派手になり最後はになっちゃうのですが
この品種は第一層が厚く出来ているのでしょう。
しっかりした青根も出ますししばらくは持ち堪えることが出来そうです。
こちらはあれから7ヵ月。
中透けになりそうな仔ではありますが
親木に付いているだけあってさすがに生育は旺盛。
このまま育てれば成長と柄、それに仔出しまで楽しめそう。
親木の神威はそれなりに増やされてお値段もこなれてきましたので
これからは続々と皆さんのお棚でも真鶴芸が生まれ喜ばせてくれることでしょう。
やっぱり誰が見ても芸の洗練度が高く棚に置けば良く目立つ木ですから。
あれから8ヵ月。
やっぱり下葉が1枚落ちました。
ただでさえ少ない葉数が更に減りました。
しかしだんだん短くなっていた天葉はようやく持ち直したようです。
今まで肝を冷やすことばっかりでしたがこれからは少し落ち着いて見ていられそう。
ところで下葉が落ちた分、アタリがてんこ盛り。
少しずつ動いてはいるようですが何しろ数が多すぎです。
全部育ってほしいのですがどうなることやらとやっぱりハラハラドキドキが続きます。
あれから13年。
田口さんや堀内さんの本の解説では紺覆輪白中透けを本芸とするとありますが
本の写真はそれらしき芸をした木ではありません。
たぶんその頃から昨今見当たらずということだったのでしょう。
完全中透けになると根も全部薄めのルビー根となり木は少し弱体化するようですが
それに輪をかけた放任栽培が祟り
我が家でも危うく絶種しかけるところでした。
油断して無くしたら再入手は困難でしょうから
紺覆気配の木を寄せ集め(冬の間は柄が暗んでいますので見え難い)
とりあえず一鉢にまとめてみました。
しばらくず~っとぼろい姿しか見ていませんでしたが
幸いにもきれいだった頃のイメージも頭に残っていますので
それを目指していきたいと思っています。
これから柄は白く冴えてきますので
手に取って見る機会も増えるでしょう。
次の植え替えの時には上芸品をピックアップして単独植えにしてみたいと思っています。
あれから7ヵ月。
昨年は派手仔3本を思い切って毟り
先日は花芽を取り去って今年2度目の植え替えをしました。
本来ははれ物に触るように扱うべき品種なのでいじり過ぎかと思ったのですが
特にストレスを感じる風でもなく
逆に派手仔がいなくなった分、力強く葉幅引きそうな天葉が伸びてきましたし
それに成長スピードもずいぶん早くなったようです。
しかも花芽を取った次の葉の隙間から何やらアタリらしきものまで見えます。
来年の花芽にしては付くのが早すぎますから
もしかしたら仔で伸びてくれるかも
仔だとしたら第一関門突破で嬉しい限りですが
次は第二関門、紺が乗るかどうかが待っています。
ちゃんとした覆輪の仔でありますようにっ。
ってお願いするのはいくらなんでも気が早すぎますね。
でもこれが仔ならもろに花芽位置ですしさぞかし成長が早いだろうなと
毎日手に取っては楽しみに眺めています。
愛楽園さんにお願いしていた風蘭鉢が届きました。
これに植え込むとミズゴケが鉢底にぴったり付きますし
素焼きなので乾きも良さそう。
それに何より植えた時のバランスが良くさすがは歴史ある形と言えます。
ただ、3、5号鉢を注文したのですが想像してたより一回り大きい感じ。
900℃で焼く素焼き鉢ですが
これを1300℃で白焼きにすると縮んでちょうど3、5号になるとのことです。
大きさ的には白焼きの3、5号と比べてこんな感じです。
これはこれで大きめの株を植え込むのに十分使えますが
もう少し小さいのも欲しいと次は3、3号鉢をお願いしました。
鉢が良く見える釣り枠に入れる時は錦鉢に入れ替えたりと色々楽しめそうです。
そういえば錦鉢も使わなきゃ味が出ませんからね。
あれから9ヵ月。
Mさんから預かりの蘭です。
柄の冴え、木勢ともによく
今年は更に大きく羽ばたきそう。
・・・ところで仔が1本足りません。
預り賃として仔を1本あげると言われていましたが
そんなアコギな事をと辞退したものの
なぜか外していました。
こちらも新根が2本出ていますのですぐに大きくなってくれそう。
そして若木のうちに外したのが良かったのか早くも仔が2本。
もう1作親木に付けておくと全部花芽で出てくるかもしれないし
外すタイミングってあるんですね。
やっぱりもらっちゃお~かな~~~
あれから2年と9ヵ月。
置き場節約のため、また一鉢にまとめてみました。
久々に日照を強めにしてみましたのでアントシアニンが葉を染めます。
こんな色合いになるのはたぶん7年前に遡るのかも。
この品種にしては根がたくさん出て葉繰りも良く仔出しも良かった記憶があります。
今思えばあの頃の作が一番良かったようです。
その後、更に良くしようと選択肢を増やしたり工夫を凝らしたりしても
それが結果に結びつくとは限りませんね。
ただ、無駄っぽいことはたくさん試みましたので
これからはいろいろ考えなくてもいい分、気は楽かもしれません。
夢よもう1度ということでとりあえずアタリはたくさんあるのですが
これがなかなか大きくなってくれないんです~。
とりあえず根がたくさん出てくれないと・・・。
今の環境に慣れて元気を取り戻すまで2~3年は掛かるかも。
帝
2018年06月17日 | 帝
あれから9ヵ月。
何鉢かありますが今回はこれが鉢穴から根が出ていなくて
置いて撮影するのにちょうど良い塩梅でした。
そういえば良い感じになっているのに根のせいで撮影できないのが結構あったりします。
ところで帝には大江丸縞から変わったばかりの出物と
昔から帝として受け継がれた木からの増え芽と2種類あります。
似たような柄ですから全く区別は付きませんが増やしてみるとわかります。
これは後者に当たりますね。
そんな帝ですがまだ外棚に出して1ヵ月もしないうちに早速紫外線の影響が現れました。
朝日が直接当たるところに置いていますが
アントシアニンが特に柄の部分にぽつぽつ浮いて何とも言えない美しさです。
長らくつるんとした青い葉っぱしか見ていませんでしたから
ちょっと新鮮な気持ちになれました。
次はもう少し葉幅を引かせグリグリッとした姿を見たいもの。
葉が入れ替わる5年後くらいが楽しみです。