10月も残り僅かとなりました。
近くの山の紅葉が進み冬も間近に迫っています。
蘭舎の温度は最低10℃くらいまで下がるようになりました。
まだしぶとく新根を伸ばしている木もありますがそろそろ店じまいでしょう。
今年から500鉢ほどピートモス植えに切り替えていますが
結果には自分でも興味深々です。
まあ、生育の遅い風蘭ですから劇的に変わるというほどではありませんし
いろいろな植え方やいろいろな鉢で試していますから全部が良くなったというわけではなさそう。
しかし、これはイケテると感じたパターンが見つかりましたから
来春は全部この植え方で押してみたいと思っています。
要は全体的にバランスの良い組み合わせが肝要のようです。
それにしても作については私なんかより上手な方がたくさんいらっしゃいます。
そしてちょっといいなと思ってもそのちょっとの差に追いつくまで
軽く10年はかかるといった塩梅でなかなか先が見えないものです。
言葉では表現しづらい感覚の世界になってしまいますからそんな地味な話より
わかり易い新品種のことや儲けた、損したの話がうけるのも当然といえば当然です。
しかしそれだけなら富貴蘭も一時の流行で終わってしまいますが相当長く続いていますから
そのものの魅力と作の奥深さも両輪となっているのでしょう。
こっちの寿命が尽きるまで果たして極められるかどうかといったところですが
残念ながら跡継ぎはいませんです。
さて鈴虫はあれから1年と4ヶ月。
こちらも今年からピートモス植えにしてみました。
何かと比べてみたわけじゃありませんから
それが影響しているかどうかは不明ながら
葉は一回り大きくなったような感じです。
根もたくさん出てくれました。
鉢の中も根でごちゃごちゃになっているようです。
外に伸び出した新根は気になりますが
これは冬眠中にでも株の間に仕舞い込んで姿を整えたいと思っています。
切っちゃう方もいるそうですがさすがにそこまでは・・・。
さて、青海はあれから一作。
木炭植えをする前のミズゴケ植えではなかなか根が良くならず
大株の限界を感じていました。
しかし木炭植えで根はかなり復活。
何しろ根腐れは皆無ですから・・・。
そして今年は木炭の代わりに中にピートモスを詰め込んでみました。
結果、あちこちから仔が出始め、更にパワーアップ。
たぶん今までが単に栄養不足気味だったのかもしれませんが・・・。
これが天辺の元親ですが一番の古木のはずなのにまだ若々しく仔を上げています。
次は葉重ねを良くすることが目標。
大株作りに限界はなさそうです。
さて剣龍はあれから5ヶ月。
紺地はしっかりしてきましたし新根もたくさん伸びましたので
来年は更に元気な姿を見せてくれることと思います。
おっと、久々に仔が出てきました。
出芽で三光中斑がこの品種のお約束です。
こちらの木はそれほど葉焼けもせず落ちもせず順調でした。
こっちも三光中斑から覆輪に変わっていきます。
時々変わらず派手なまま終わるのもありますが・・・。
こちらは一歩前進二歩後退。
下葉の葉淵は焦げやすく焦げるとまもなく落ちてしまいます。
しかし日に当てないとせっかくの剛直な姿が間延びして台無しに。
といった具合になんとも気難しい品種です。
でも、値段が安い割りに入手難で栽培困難、
出来上がった時はすこぶる美しい品種といったらこれぐらいしか思いつきません。
あまり高いのは買えないけれど作マニアというポジションに
ぴったりとフィットする感じではあります。
あれから2年半。
ほぼ3作です。
過去記事を追跡してみると7枚近くの葉繰り、
そして派手仔を3個ポイしています。
それでもめげずに今年も仔は出ましたが何だかこれも見込みは薄い感じです。
好きな品種なので一生懸命育てていますがなかなか期待には応えてくれません。
しかしそこがまた良いなんて思ったりしています。
それにしても超高額覆輪ではなくこれで存分に遊べていますから実にエコな性格ではあります。
ところで今まで親木の天葉の片方半柄気味でしたがついに天葉で完全覆輪になりました。
逆にユウレイになっても不思議ではありませんから目出度いことです。
この勢いが仔にも波及してくれれば良いのですが・・・。
でもやっぱり今度もポイすることになりそう。
株立ちまでの道程は遥か彼方です。
あれから2年と5ヶ月。
ほぼ3作ではありますが同じような雰囲気です。
しかしほとんど見込みのなさそうだった派手な仔には紺中通しが現れ
もうしばらく我慢すれば外せるかなという希望も出てきました。
いつもだとルビー根は短いまま止まってしまっていたのですが
今年は長~く伸びていましたので木にも力が付いてきたようです。
こちらの株は下葉が片側だけ落ちてあららといった感じですが
運は良かったと見えて大きな仔は2本とも紺地十分です。
葉が落ちた跡からも速攻仔が出てくれましたし。
どちらの株も仔を外せば親木の負担が減るだろうとは思います。
羆覆輪が深覆輪になった変化種ですから派手仔でも新月殿。
まして少しでも紺中通しがあれば生き残りそうな気はするのですが
それは何度かの失敗経験がだめと言っています。
弱そうで強い品種なのか強そうで弱い品種なのか
まだ距離感がつかめない品種ではあります。
と、前宣伝はこれぐらいにして黒牡丹です。
あの時の木を株分けしたもので
柄が出始めた親木はともかくその下に付いていた仔達は今のところ柄気配のみです。
ところで芽変わりを楽しむには仔出しが肝心で
その為には出来るだけ株分けする、という先入観からなかなか頭から離れないものです。
しかし、木の性質がやや弱い黒牡丹にはそれが通用しないと最近ようやく気がつきました。(遅いっ)
こちらはその1本づつにした木で、外したときは一人前の姿だったものの
こんな風に下葉を篩い天葉も短くなってしまいました。
こんなのが何鉢かありまして回復するにもしばらく時間がかかりそう。
もう、増やすどころじゃありません。
それに引き換え、上の黒牡丹ですが今年は株立ちのままでもアタリが多く発生し出しました。
やはり、木勢がものをいうということでしょうか。
今、柄は見えなくとも出てくる可能性はそれなりにありますから
そんな期待感も含めて不思議と楽しめる品種ではあります。
でも傍から見たらこんな青っ葉のどこがいいのか訳わからないでしょうね。
あれから11ヶ月。
ほぼ一作です。
いつぞや蘭国さんからやって来ました。
最初は頼りなげな姿でしたがぽこぽこ仔を生み
今では小さいながらもこんもりとした山のよう。
一本一本の葉持ちはそれほどでもないのですが
その分ほぼすべての葉の付け根から仔が出て
潜芽になる暇は無いといった感じです。
こんな増え方をする品種は滅多にありませんので
俄然、先々が楽しみに思えてきました。
しかしこんな見過ごしてしまいそうな木でも何かしら取り柄はあるものですね。
あれから8ヶ月。
一作くらいじゃそんなに代わり映えしないと思いきや
なんと今年も仔が当たっています。
しかも2本。
こっちはさっぱり本葉の出ない何やらめんどくさそうな仔。
もともと獅子葉なのに更にパイナップル芽なのでしょうか。
それでも柄はしっかりと入っています。
こっちは普通に獅子葉っぽい感じ。
親木はラジオ体操でもしているような姿してますが
こうして柄のある仔が着々と増えてくれれば文句なしです。
あれから1年3ヶ月。
3本の仔でも裾が寂しいという思いが通じたのか
その後、更にポポポポポポポンと7本の仔がお出ましに。
途端ににぎやかな株立ちとなりました。
細い葉に間延びした軸、この頼りなげな姿が芸ともいえますが
その雰囲気を壊すことなく適度に締まった姿は絶品。
こんな風に出来るならさぞ人気は急上昇・・・てな訳ないか。
あれから1年と4ヶ月。
また下葉をたくさん落としたりしましたが
今年もちゃっかり仔を生んでくれました。
しかも出たところが花芽予定位置。
紺中通しが乗ってこれも先々安泰です。
思えば富貴殿はこの趣味に目覚めた頃から頭上に燦然と輝く希望の星。
入手は昭和62年7月12日50万と手帳に書いてありました。
富貴蘭を始めて10年後くらいの入手です。
それから27年育てていますから相当な古木のはずですが
まだ若々しく毎年のように仔を上げてきます。
そのまま育てていれば大株になっていたはずですが
株分けしちゃいますからいつも数本立ちにとどまっています。
こちらはその昨年株分けした分です。
片側少し派手な柄をそのまま継承。
2本の仔はいけそうですが
派手側から出た仔はさすがにだめでしょう。
こちらはあれ以来、真ん中の画像の木です。
って入手年月日とかすでに書いちゃってますね。
若木から出る仔は最初どうしても派手気味となりますが
いづれも紺中通しは見えていますから時間を掛ければ大丈夫そうです。
そして鉢の淵に間借りしているのがあの時の派手仔。
外したときはほぼユウレイ木で一旦枯れかけましたから
全滅しても不思議はなかったのですがなんとか1本生き残りました。
ここから大きく育て上げるのも栽培の醍醐味と言えそう。
それにしても作に関してはうんざりするほどしつこい性格のようです。
あれから4ヵ月半。
あの時、下の方に書いていた能書きはほぼ間違いなかったようで
木は作上がりしています。
普通の青光墨は下葉で少し柄が暗むのに
この黄縞は暗みませんからこれだけ元気なのはたいしたものです。
こちらの仔は三光中斑風の稚葉で出て本葉はまばゆい位の最上散り斑。
この柄行きでパターン化してしまえば固定度は高いと思われます。
こちらは青になったと思っていたら地味な中斑縞がチラホラ。
またスパッと抜けるような中透けが復活すれば羆の光となります。
さて、ピートモス植えの追加解説です。
ピートモスに木炭の粒を混ぜるのは
酸性とアルカリが混じってちょうど良くなるかなということと
木炭は多孔質ですからこれがラン菌(木材腐朽菌)隠れ家になるということです。
木炭に身を潜めそこから菌糸を伸ばしてピートを分解し
更にランの根に入り込んで分解吸収されるという寸法です。
一作しても中のピートモスは崩れておらず、
また青ノロや雑菌が繁殖している風でもなく通気性は良好で
逆に1年や2年で植え替えるのはもったいないといった感じです。
何やら良いこと尽くしですが残念なことにこんな用土は市販されていないということ。
しかし各パーツはネットなどで簡単に手に入りますから
あとは篩いにかけて微塵を抜いたり調合したりするだけです。
実はそれが結構な手間だったりするのですが・・・。
それともう一つ、殺虫剤、殺菌剤などの薬剤散布は厳禁です。
病原菌は死ぬかもしれませんがラン菌も死んでしまいます。
菌叢が薄くなれば後に入り込むのは強い病原菌か腐敗菌に決まっています。
そしたらまた農薬散布?。まあ、いたちごっこになりますね。
そうであれば何もピートモスに植える必要は無くミズゴケだけで十分でしょう。
ところで人に例えるならピートモスは腸のような物です。
善玉菌を飼っている腸は快食快便、体調もすこぶる快調です。
ところが悪玉菌が増えると下痢、便秘に留まらず頭痛、肩こりその他もろもろ、
体に不調をきたします。
例えがどうかとは思いますがこんな感じかなと思っています。
またいろいろ能書きを書いてしまいましたが
要は植え替えがめんどくさい、出来れば数年に一度で勘弁してもらいたい
と、それだけのことです。
それに富貴蘭は安くなりましたけどミズゴケは逆に高くなっていますから
なるべく使わない方向に持っていければ維持費も安く済ますことができます。
こちらの水晶覆輪はあれから2年と4ヶ月。
寄せ植えしていたそっくりそのままの姿で
増えない水晶覆輪のまさに面目躍如といったところです。
このままで育てていても株の格が上がるはずはありませんから
いくらなんでもそろそろ株分けしなくちゃかわいそう。
縞で出た仔は源平柄が続いていますが少し派手になった模様。
たぶん、生き残らないような気がします。
それはともかく、全体的には乱雑ですが一本一本は良い姿をしていますから
また一から出直すのもありかなと思っています。
近くの山の紅葉が進み冬も間近に迫っています。
蘭舎の温度は最低10℃くらいまで下がるようになりました。
まだしぶとく新根を伸ばしている木もありますがそろそろ店じまいでしょう。
今年から500鉢ほどピートモス植えに切り替えていますが
結果には自分でも興味深々です。
まあ、生育の遅い風蘭ですから劇的に変わるというほどではありませんし
いろいろな植え方やいろいろな鉢で試していますから全部が良くなったというわけではなさそう。
しかし、これはイケテると感じたパターンが見つかりましたから
来春は全部この植え方で押してみたいと思っています。
要は全体的にバランスの良い組み合わせが肝要のようです。
それにしても作については私なんかより上手な方がたくさんいらっしゃいます。
そしてちょっといいなと思ってもそのちょっとの差に追いつくまで
軽く10年はかかるといった塩梅でなかなか先が見えないものです。
言葉では表現しづらい感覚の世界になってしまいますからそんな地味な話より
わかり易い新品種のことや儲けた、損したの話がうけるのも当然といえば当然です。
しかしそれだけなら富貴蘭も一時の流行で終わってしまいますが相当長く続いていますから
そのものの魅力と作の奥深さも両輪となっているのでしょう。
こっちの寿命が尽きるまで果たして極められるかどうかといったところですが
残念ながら跡継ぎはいませんです。
さて鈴虫はあれから1年と4ヶ月。
こちらも今年からピートモス植えにしてみました。
何かと比べてみたわけじゃありませんから
それが影響しているかどうかは不明ながら
葉は一回り大きくなったような感じです。
根もたくさん出てくれました。
鉢の中も根でごちゃごちゃになっているようです。
外に伸び出した新根は気になりますが
これは冬眠中にでも株の間に仕舞い込んで姿を整えたいと思っています。
切っちゃう方もいるそうですがさすがにそこまでは・・・。
先日のヤフオクでは皆様のたくさんのご入札、ありがとうございました。
特に連れ合いが喜んでおります。
これを励みにまたがんばっていきたいと思っています。
特に連れ合いが喜んでおります。
これを励みにまたがんばっていきたいと思っています。
さて、青海はあれから一作。
木炭植えをする前のミズゴケ植えではなかなか根が良くならず
大株の限界を感じていました。
しかし木炭植えで根はかなり復活。
何しろ根腐れは皆無ですから・・・。
そして今年は木炭の代わりに中にピートモスを詰め込んでみました。
結果、あちこちから仔が出始め、更にパワーアップ。
たぶん今までが単に栄養不足気味だったのかもしれませんが・・・。
これが天辺の元親ですが一番の古木のはずなのにまだ若々しく仔を上げています。
次は葉重ねを良くすることが目標。
大株作りに限界はなさそうです。
さて剣龍はあれから5ヶ月。
紺地はしっかりしてきましたし新根もたくさん伸びましたので
来年は更に元気な姿を見せてくれることと思います。
おっと、久々に仔が出てきました。
出芽で三光中斑がこの品種のお約束です。
こちらの木はそれほど葉焼けもせず落ちもせず順調でした。
こっちも三光中斑から覆輪に変わっていきます。
時々変わらず派手なまま終わるのもありますが・・・。
こちらは一歩前進二歩後退。
下葉の葉淵は焦げやすく焦げるとまもなく落ちてしまいます。
しかし日に当てないとせっかくの剛直な姿が間延びして台無しに。
といった具合になんとも気難しい品種です。
でも、値段が安い割りに入手難で栽培困難、
出来上がった時はすこぶる美しい品種といったらこれぐらいしか思いつきません。
あまり高いのは買えないけれど作マニアというポジションに
ぴったりとフィットする感じではあります。
あれから2年半。
ほぼ3作です。
過去記事を追跡してみると7枚近くの葉繰り、
そして派手仔を3個ポイしています。
それでもめげずに今年も仔は出ましたが何だかこれも見込みは薄い感じです。
好きな品種なので一生懸命育てていますがなかなか期待には応えてくれません。
しかしそこがまた良いなんて思ったりしています。
それにしても超高額覆輪ではなくこれで存分に遊べていますから実にエコな性格ではあります。
ところで今まで親木の天葉の片方半柄気味でしたがついに天葉で完全覆輪になりました。
逆にユウレイになっても不思議ではありませんから目出度いことです。
この勢いが仔にも波及してくれれば良いのですが・・・。
でもやっぱり今度もポイすることになりそう。
株立ちまでの道程は遥か彼方です。
あれから2年と5ヶ月。
ほぼ3作ではありますが同じような雰囲気です。
しかしほとんど見込みのなさそうだった派手な仔には紺中通しが現れ
もうしばらく我慢すれば外せるかなという希望も出てきました。
いつもだとルビー根は短いまま止まってしまっていたのですが
今年は長~く伸びていましたので木にも力が付いてきたようです。
こちらの株は下葉が片側だけ落ちてあららといった感じですが
運は良かったと見えて大きな仔は2本とも紺地十分です。
葉が落ちた跡からも速攻仔が出てくれましたし。
どちらの株も仔を外せば親木の負担が減るだろうとは思います。
羆覆輪が深覆輪になった変化種ですから派手仔でも新月殿。
まして少しでも紺中通しがあれば生き残りそうな気はするのですが
それは何度かの失敗経験がだめと言っています。
弱そうで強い品種なのか強そうで弱い品種なのか
まだ距離感がつかめない品種ではあります。
忘れられてしまいますから年に1度くらいは出品しなければと準備していましたが
今週末はまた強烈な台風が接近する模様です。
関係各所の皆様におかれましては被害なく無事に過ぎ去ってくれればと祈っています。
ということでヤフオクどころではないですね。
出品は来週末にでもしてみたいと思います。
値段は別にして感動していただけるものをと心掛けていますのでよろしくお願いします。
今週末はまた強烈な台風が接近する模様です。
関係各所の皆様におかれましては被害なく無事に過ぎ去ってくれればと祈っています。
ということでヤフオクどころではないですね。
出品は来週末にでもしてみたいと思います。
値段は別にして感動していただけるものをと心掛けていますのでよろしくお願いします。
と、前宣伝はこれぐらいにして黒牡丹です。
あの時の木を株分けしたもので
柄が出始めた親木はともかくその下に付いていた仔達は今のところ柄気配のみです。
ところで芽変わりを楽しむには仔出しが肝心で
その為には出来るだけ株分けする、という先入観からなかなか頭から離れないものです。
しかし、木の性質がやや弱い黒牡丹にはそれが通用しないと最近ようやく気がつきました。(遅いっ)
こちらはその1本づつにした木で、外したときは一人前の姿だったものの
こんな風に下葉を篩い天葉も短くなってしまいました。
こんなのが何鉢かありまして回復するにもしばらく時間がかかりそう。
もう、増やすどころじゃありません。
それに引き換え、上の黒牡丹ですが今年は株立ちのままでもアタリが多く発生し出しました。
やはり、木勢がものをいうということでしょうか。
今、柄は見えなくとも出てくる可能性はそれなりにありますから
そんな期待感も含めて不思議と楽しめる品種ではあります。
でも傍から見たらこんな青っ葉のどこがいいのか訳わからないでしょうね。
あれから11ヶ月。
ほぼ一作です。
いつぞや蘭国さんからやって来ました。
最初は頼りなげな姿でしたがぽこぽこ仔を生み
今では小さいながらもこんもりとした山のよう。
一本一本の葉持ちはそれほどでもないのですが
その分ほぼすべての葉の付け根から仔が出て
潜芽になる暇は無いといった感じです。
こんな増え方をする品種は滅多にありませんので
俄然、先々が楽しみに思えてきました。
しかしこんな見過ごしてしまいそうな木でも何かしら取り柄はあるものですね。
あれから8ヶ月。
一作くらいじゃそんなに代わり映えしないと思いきや
なんと今年も仔が当たっています。
しかも2本。
こっちはさっぱり本葉の出ない何やらめんどくさそうな仔。
もともと獅子葉なのに更にパイナップル芽なのでしょうか。
それでも柄はしっかりと入っています。
こっちは普通に獅子葉っぽい感じ。
親木はラジオ体操でもしているような姿してますが
こうして柄のある仔が着々と増えてくれれば文句なしです。
あれから1年3ヶ月。
3本の仔でも裾が寂しいという思いが通じたのか
その後、更にポポポポポポポンと7本の仔がお出ましに。
途端ににぎやかな株立ちとなりました。
細い葉に間延びした軸、この頼りなげな姿が芸ともいえますが
その雰囲気を壊すことなく適度に締まった姿は絶品。
こんな風に出来るならさぞ人気は急上昇・・・てな訳ないか。
あれから1年と4ヶ月。
また下葉をたくさん落としたりしましたが
今年もちゃっかり仔を生んでくれました。
しかも出たところが花芽予定位置。
紺中通しが乗ってこれも先々安泰です。
思えば富貴殿はこの趣味に目覚めた頃から頭上に燦然と輝く希望の星。
入手は昭和62年7月12日50万と手帳に書いてありました。
富貴蘭を始めて10年後くらいの入手です。
それから27年育てていますから相当な古木のはずですが
まだ若々しく毎年のように仔を上げてきます。
そのまま育てていれば大株になっていたはずですが
株分けしちゃいますからいつも数本立ちにとどまっています。
こちらはその昨年株分けした分です。
片側少し派手な柄をそのまま継承。
2本の仔はいけそうですが
派手側から出た仔はさすがにだめでしょう。
こちらはあれ以来、真ん中の画像の木です。
って入手年月日とかすでに書いちゃってますね。
若木から出る仔は最初どうしても派手気味となりますが
いづれも紺中通しは見えていますから時間を掛ければ大丈夫そうです。
そして鉢の淵に間借りしているのがあの時の派手仔。
外したときはほぼユウレイ木で一旦枯れかけましたから
全滅しても不思議はなかったのですがなんとか1本生き残りました。
ここから大きく育て上げるのも栽培の醍醐味と言えそう。
それにしても作に関してはうんざりするほどしつこい性格のようです。
あれから4ヵ月半。
あの時、下の方に書いていた能書きはほぼ間違いなかったようで
木は作上がりしています。
普通の青光墨は下葉で少し柄が暗むのに
この黄縞は暗みませんからこれだけ元気なのはたいしたものです。
こちらの仔は三光中斑風の稚葉で出て本葉はまばゆい位の最上散り斑。
この柄行きでパターン化してしまえば固定度は高いと思われます。
こちらは青になったと思っていたら地味な中斑縞がチラホラ。
またスパッと抜けるような中透けが復活すれば羆の光となります。
さて、ピートモス植えの追加解説です。
ピートモスに木炭の粒を混ぜるのは
酸性とアルカリが混じってちょうど良くなるかなということと
木炭は多孔質ですからこれがラン菌(木材腐朽菌)隠れ家になるということです。
木炭に身を潜めそこから菌糸を伸ばしてピートを分解し
更にランの根に入り込んで分解吸収されるという寸法です。
一作しても中のピートモスは崩れておらず、
また青ノロや雑菌が繁殖している風でもなく通気性は良好で
逆に1年や2年で植え替えるのはもったいないといった感じです。
何やら良いこと尽くしですが残念なことにこんな用土は市販されていないということ。
しかし各パーツはネットなどで簡単に手に入りますから
あとは篩いにかけて微塵を抜いたり調合したりするだけです。
実はそれが結構な手間だったりするのですが・・・。
それともう一つ、殺虫剤、殺菌剤などの薬剤散布は厳禁です。
病原菌は死ぬかもしれませんがラン菌も死んでしまいます。
菌叢が薄くなれば後に入り込むのは強い病原菌か腐敗菌に決まっています。
そしたらまた農薬散布?。まあ、いたちごっこになりますね。
そうであれば何もピートモスに植える必要は無くミズゴケだけで十分でしょう。
ところで人に例えるならピートモスは腸のような物です。
善玉菌を飼っている腸は快食快便、体調もすこぶる快調です。
ところが悪玉菌が増えると下痢、便秘に留まらず頭痛、肩こりその他もろもろ、
体に不調をきたします。
例えがどうかとは思いますがこんな感じかなと思っています。
またいろいろ能書きを書いてしまいましたが
要は植え替えがめんどくさい、出来れば数年に一度で勘弁してもらいたい
と、それだけのことです。
それに富貴蘭は安くなりましたけどミズゴケは逆に高くなっていますから
なるべく使わない方向に持っていければ維持費も安く済ますことができます。
さて、早いもので10月です。
このところ良いお天気が続いています。
日が差し込みますので蘭舎の中は朝から30℃。
換気扇がフル回転です。
今年は寒さに当てる前に取り込んだためと、この温度でまた生育旺盛になってきました。
大丈夫かなとも思ったりしますが寒くなれば自然に生育は止まるのでしょう。
それまであとしばらくは葉繰りを楽しめそうです。
このところ良いお天気が続いています。
日が差し込みますので蘭舎の中は朝から30℃。
換気扇がフル回転です。
今年は寒さに当てる前に取り込んだためと、この温度でまた生育旺盛になってきました。
大丈夫かなとも思ったりしますが寒くなれば自然に生育は止まるのでしょう。
それまであとしばらくは葉繰りを楽しめそうです。
こちらの水晶覆輪はあれから2年と4ヶ月。
寄せ植えしていたそっくりそのままの姿で
増えない水晶覆輪のまさに面目躍如といったところです。
このままで育てていても株の格が上がるはずはありませんから
いくらなんでもそろそろ株分けしなくちゃかわいそう。
縞で出た仔は源平柄が続いていますが少し派手になった模様。
たぶん、生き残らないような気がします。
それはともかく、全体的には乱雑ですが一本一本は良い姿をしていますから
また一から出直すのもありかなと思っています。