言葉を知らないとどういう大人になるだろうか? 【マインドマップ活用授業】

国語で詩の授業を行いました。この単元は講師の先生にお任せしています。先生は丁寧に読解し、子どもたちの心を耕してくれました。

ところが詩を作る段になって、そのことが子どもたちには少し難しかったらしく、推敲をしてより良いものを作ろうとする態度をなかなか見せてくれませんでした。

もし、年間を通して私が「詩の種」を見つける能力を伸ばす指導をし、力を伸ばすことができていれば、この1月の時期にはどんどん創作できるようになっているはずです。しかし、その指導よりも、他のこと(マインドマップや目標志向の態度育成、日常生活の安定化、ポジティブ思考の伝達、等々)を優先させなくてはならなかったので、残念ながらここまでは手が行き届いていません。

詩の種を見つける指導法の参考になるのは、同じ江東区にある八名川小学校の小山校長先生が取り組まれている「俳句」の指導があります。八名川小学校では学校をあげて「俳句指導」に取り組み、大きな成果をあげています。その指導は、子どもたちに「俳句ノート」を作らせて、毎日毎日「俳句の種」を見つけさせては記録していくというもの。このような少しずつでも良いから毎日積み重ねる指導が、根強い実力をつけさせる指導だと私も賛同しています。

「十分間俳句」


さて、言葉へのこだわりを持ってほしかった私は、子どもたちにこんなことを考えさせました。
「たくさん言葉を知らずに大人になったら、どんな大人になるか?」

「それでは3分間考えて」と指示をしてタイマースタート。1分過ぎて誰もが腕を組んだり、頭をかいたり、考えがまとまらない様子。そこでもうひとこと。
「1分たっても、だれ一人、何の行動も始めなかったでしょ。ということはさ、君たちはまだだれ一人も、『思考ツール』が身についていないということだよ。ずっと教えてきたのにね。人間じっとしていても何にも考えは浮かばないって。ペンを動かさないと何にも浮かんでこないよ。」

(あ、そうか!)という表情で、ただちにマインドマップを書きだす子どもたち。スイッチ、ON! 2分間、すごい勢いで考えをまとめていきました。

その後、発言を促し、出てきた意見をまとめたものがこれです。


・言葉によって人間関係が成り立っていくので、人間関係を作ることが難しくなる。

・人との関係を切ってしまうことにもある。

・みんなの話についていけなくなる。

・言葉を知らないと誤解を受けやすくなり、いじめられることにもつながる。

・自分の気持ちを言葉で表現できずにイライラする。

・言葉を知らないと「会話力」「伝達力」「文章力」「コミュニケーション能力」「説得力」などの能力が無くなる。

・いろんな能力が足りないと、仕事も任せてもらえなくなる。

・自分をアピールする能力も無いから会社にも入れない。

・働けないから親のスネをかじるしかなくなる。

・伝える力が足りないと、友達も少なくなる。

・自分の感情を伝えることもできないから困る。

・言葉を知らないとだまされることが多くなる。

・「えー」とか「あー」とか余計なことを言ってしまう。

・人の言っていることも理解できなくなるだろう。

・いろいろなあいさつの仕方も分からないだろうから、信用されなくなる。

・場にふさわしいあいさつができなければ、嫌がられるだろう。

・「タメ語」でしか話せなくて、バカだと思われる。


いかがですか。たった2分間でここまで思考が広がりました。すごいですよね。指導している私が驚きました。


特に、私が最後にまとめで言いたかったことまで出てきてくれました。それは、

「言葉を知らないとね、自分の不満とか不安、やりたいことや伝えたいことが正確に表現できなくて、ストレスがたまるんだよ。みんなの発言でも出てきたでしょ、ストレスがたまってたまって、キレやすい大人になるんだな。よくさ、テレビの成人式でキレている大人を見るでしょ。言葉をたくさん知っている人は、ああいうキレ方をしないんだよ。キレる前にしゃべることができるからね。
赤ちゃんが同じじゃん。赤ちゃんは年がら年中キレているでしょ。(子どもたち???という表情)・・・赤ちゃんは自分の感じていることを言葉にできないから、『腹へった~!』って伝えるために、『ビエ~ッ!!!』って泣くんでしょ。あれはどう考えてもキレているでしょ。すごいぞ赤ちゃんは。夜中だろうが昼間だろうが、いや~な感じがしたら、すぐい『オギャー!!!』ってキレるんだ。赤ちゃんがさ、夜中に『あの~、お腹がすいたからミルクをいただけませんか?』って起きる?(子どもたち、場面を想像してニヤニヤ)言葉が使えないから“泣く”という方法でキレるわけだよ。キレる大人は赤ちゃんと同じなんだな。」

たぶん全員が納得してくれたと思います。

「言葉にこだわる」

大事なことです。言葉にこだわる子どもを育てたい。どうぞご家庭でも言葉にこだわってみてください。
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