先日発生したミャンマー中部の地震では、バガンの仏塔などに大きな被害が出てしまったとのことですが、民家は高床式の簡素な木造藁葺きがメインであるだけに、人名には甚大な被害があったという話が伝わって来ないのは幸いです。ミャンマーでは、地震で損壊した仏塔の一部が無事残っていれば、それすらも新たな仏跡となってしまうほどですので、そのバイタリティで無事立ち直ってくれることでしょう。
そんな中、日本政府が新たに1000億円の借款をミャンマー政府に供与し、ヤンゴン~マンダレー間の高速化やヤンゴン環状線のさらなる近代化のために用いる旨が発表されましたが(JICAの公式HPには、この姿のまま登場すれば、どことなく台湾の自強DCの鋼製バージョンという風貌ゆえ撮りたくなること必至の電気式DCの動画あり)、そこらへんはインド洋を念頭にミャンマーでの影響力確保を図る中共も手をこまねいているわけではなく、既に軍事政権時代からミャンマー国鉄に多くのDLやPCを供給してきた流れを基に、自前でミャンマー国鉄に新車を供与するための工場をピィンマナかミンゲあたりに建設中と伝えられます。しかし、それはまだ完成していないことから、いち早くミャンマーで存在感を見せつけるためにも(?……そして、長距離列車の体質改善を図りたいミャンマー国鉄側の利害も一致して)、今年に入って中国勢が新たに放ったのが、最新の空気バネ客車 (次回アップ) ならびにその牽引機であるDF2000の最新バージョンです!
DF2000は、2000馬力・BoBoBoの軸配置・前後運転台の基本設計を前提に、中国の大連・四方工場とアルストームが製造している車両であり、その塗装は基本的に青と赤を基調にしたものとなっています。そして、大出力であるだけにヤンゴンでは余り用いられず、主に山岳路線も担当する機関区に配置されているようです。というわけで、ヤンゴンにおいては珍しく、ネーピードー行やパコック行き急行 (ここ1~2年ほどのパコックまでの延長運転は短命に終わり、最近は昔通りのバガン行に短縮されたとか) の先頭に立って颯爽と走っている姿を目にするとハッとするものがあります。というわけでDF2000は、時間がないためヤンゴンで撮ってばかりの私にとっては堂々ネタ車両の仲間入りであります (ミッチーナ線など、勾配の多い地方幹線では超ありきたりな車両でしょうけど)。
ところが、このたび四方工場にて、ヤンゴン~マンダレー間の最速・最高級列車である5Up・6Down急行列車兼引用として製造されたグループは、何と緑青赤の新塗装を採用!! しかも、従来ヤンゴン~マンダレー間の列車は、ほぼ平坦な区間で完結することもあって (?) 、5Up・6Downも含めてインド製のDF1300が担当するところでしたが、そこにDF2000を持ってくるとは思いがけない展開! というわけで、この罐は去る3月の訪問時において、青罐DF1263と並んで最高のネタ罐扱いとなったことは言うまでもありません (笑)。ただ遺憾ながら、5Up・6Down及びそれらにからむ単機回送をヤンゴン界隈で順光で撮影出来るのは、マラゴン(一気呵成に「マフルワゴン」と発音するのがより正確)機関区から単機でヤンゴン駅にやってくる時のみであるのが遺憾です……。あるいは日が長い季節であれば、6Downがヤンゴンに着いたのち、マラゴンに引き上げる単機についてもド順光で撮影出来るでしょうか? まぁいずれ、撮影機会も増えて行くのかも知れませんが、この後の続番車両は従来通りの赤青塗装で登場しているようですので、今のところは5Up・6Down専用塗装という位置づけなのかも知れません。
こんばんは、コメントどうもありがとうございます~。
ヤンゴン到着後の入庫、たしかに重連でやっていることもありますね~。DF1300と連結するのであれば、それはそれで面白い光景で撮り甲斐がありそうな気がします。
他の列車にも新塗装が入るようですが、この新塗装のあとにも赤青塗装車が落成しているわけで、どれもDF2000である以上、まさに運次第といったところでしょうか。とはいえ、5Up・6Downは新塗装客車である以上、罐も必ずこの新塗装であって欲しいと思うのは私だけでしょうか?! (笑)。
ミッチーナ線はDF1300も意外と来るのですね……。平坦なのか、それともDF1300も粘着性能が高いのか……。