ここ数年来の上からの民主化開始により、極めて急速に経済グローバリズムと結びつけられ、アジア最後の労働集約的産業のフロンティアと呼ばれつつ、一方で上座部仏教の分厚い伝統と新時代の諸々の事物が入れ混ざり独特の雰囲気を醸し出しているビルマ=ミャンマー。鉄ヲタ的視点からすれば、この国のインフラ建設を支援する最大の勧進元がC国から日本に変わったことにより、今後の援助予算執行による変化が果たして如何ほどの速さで、どのような規模で進むのかという点について大いなる未知との遭遇を感じつつ、日本から輿入れしたディーゼルカーとMR固有の車両との競演の舞台が少しずつ増えていることに興奮を覚えるものです。
そこで個人的には、昨年8月以後ヤンゴンでデビューしたキハ38ならびにキハ40 330番台の堂々5連に思慕を抱き、さらにはてっきり死につつある線路だと思っていたヤンゴン臨港線がよりにもよって三陸36形の舞台となったこと、及びチャイトー急行用のキハ181緑編成がヤンゴン環状線用となったことに鼻血ブー! 年度末ちょい前の怪社の修羅場が一段落したタイミングで、すっかり勝手知ったるヤンゴンへの三度目の訪問と相成りました。
というわけで、いつもお世話になっております斎藤幹雄様及び多くのHP・ブログ様において既に散々紹介されていることゆえ、新鮮味は全くないネタではありますが、例によって個人的にどう撮りどう感じたかという点を中心に、今後備忘録を連載して参ります。一応、帰国してからアップを開始しようかと思っていたのですが、今回新たに選んだ宿はWi-fiがサクサクしておりますので、とりあえず現地から更新しております。
まぁ最初に全体的な印象を申し上げますと……この3月から始まるといわれていたヤンゴン中央駅全面改造・新都心建設工事は全く始まっておらず、今年の末とウワサされる環状線全列車冷房化・10分間隔化なども夢のまた夢と思われる中、DCや客車へのラッピングだけは増えて、「まぁこれが古き良き時代の最終形態なのかな?」という感じでしょうか。しかし、昨年ネーピードーで開催された東南アジア体育大会が終了し、商業ラッピングが無い車両の腰回りへの宣伝ラッピングが剥がされたことから、全くラッピングのない客レ編成もそれなりにジャンジャンやって来て、非常に嬉しい気分です♪
ここから先の変化といえば、例えば突如新型DMUや冷房客車が外国の援助で大量に入り、既存のMR客車・日本中古DCともども一気にヤンゴン界隈からは姿を消す、といったことが考えられますが、まぁそういうこともあるのかどうか、一寸先は闇でしょう。来年の今頃も基本的には同じラインナップなのか、それとも全然違うのか、全く予想が出来ませんが、そんな先行きの不透明感があるからこそ、とりあえず来る列車はなるべく撮っておこう……という精神を貫いた次第です。
なお、いつものお断りではありますが、誰にも文句を言われないため線路内で撮影をしております。しかし、公式には撮影許可が必要と言われているところですし(絶対に許可が必要な車庫は訪れておりません)、全く観光地度ゼロな地元の皆様の空間にお邪魔するかたちとなっておりますので、もし当ブログの内容を当てにされて撮影出来なかったとしても一切責任を負いかねますし、安全ならびに地元の皆様への配慮もお忘れ無きようお願い申し上げます。また、今回の訪問時には特に問題ありませんでしたが、最近の緬中国境コーカン地区における紛争や学生運動の影響で社会的な緊張が高まり、鉄ヲタ活動が大きな支障を受ける可能性も決して皆無ではないと存じますので、くれぐれも外信ニュースには注意されますよう。
とりあえず、画像は昨日朝のヤンゴン中央駅陸橋からの眺め。1枚目は、手前から2530 (横浜→三陸)、2544 (松浦)、2534 (真岡)、2567 (平筑) の順となっております。これから工場入りでしょうか。いっぽうマンダレーの四国キハ47=RBE2571は、完全にRBE標準色のツートンカラーとなりました。
ほか、特筆すべき点としましては以下の通りです。
(1) 東方紅21+RBT、運用全面終了。インセインに全車所狭しと押し込め。
(2) キロ180-12=RBE5043運用中♪ 乗っちゃった♪♪
(3) 外国人料金廃止で運賃は本当に安い、のひとこと。非冷房客レ乗車1ドルが、今や100チャットしか取られません。ヤンゴン近郊利用の場合、ヤンゴン中央駅では未だに手書きの切符で、パスポート番号を記入しなければなりませんが、その他の駅では普通に一般ミャンマー人が購入するのと同じ切符を売ってくれます。
こんばんは、コメントどうもありがとうございます!
おかげさまで、貴HPの内容を大いに活用させて頂き、連日のヤンゴン鉄活動をしております。心よりお礼申し上げます m(_ _)m 昨日は3日目でニャウンカシーまで往復しまして、明日は最終日となります (バンコクで少々タイ国鉄を楽しんでから帰国します)。
2571の左にいるレールバス、日曜の午前中にキハ38をパヤーランとヤンゴン中央駅西側で撮ったあと、チラッと工場の方を見てみたところ、何と一旦工場の外に出ていたのが見えまして、大急ぎで陸橋に行ってみたのですが、何と残念……一旦表に引き出したあと工場建屋の奥に押し込める作業が終わったところで、ちょうど門を閉めるシーンしか観察できませんでした (泣)。ダイヤが乱れた影響で、キハ38がパヤーラン駅の陸橋西側で20分以上運転停車するということになっていなければ、恐らく工場の入換も観察できたのですが……。というわけで、車番は確認出来ませんでした。悪しからず……。
それにしても、東方紅21も走っておりませんので、キハ52がRBTを牽引して2連で走っていた一昨年が遠い昔のように思えます。環状線客レも全て6連化されるなど、地味にいろいろな変化が進んでいると痛感しております。