ブロイラーを処分する時、羽根を取るのが大変である。そこで遺伝子操作で作られたのが羽根のない鶏である。飼料効率を求めて作られた牛は、あちこちに一杯お肉をつけてくれる。この子たちの肉は美味しいのだろうか。
近畿大学では通常の倍以上も大きくなる、養殖マグロを作り出したと大騒ぎである。この他アレルギー因子を排除した家畜の生産など、すでに実用化されている。
アメリカの市販の牛肉はほぼ100%ホルモン処理されている。これらは日本やEUでは販売できないが、ゲノム編集されたこのような家畜は容認されることになる。少なくともアメリカとの二国間交渉が進めば、改良の範疇に閉じ込めてしまっているアメリカと同じものが、日本の市場に出回ることになる。夏には素晴らしい結果が待っている、とトランプが言っている。参議院選挙後にアメリカとの二国間交渉は、トランプのご機嫌を損なわない結果として出てくるであろう。
ゲノム編集とは、DNAらせん構造の一部を切り取って、目的の遺伝子を組み込むことである。こうしたことは自然界には起きない。人類が長年かけて取り組んできた、交配を主体にした選抜による品種改良とは、似て非なるものである。
ゲノム配列を変えることは人が思うような結果ばかりではない。のちに何が起きるかも予測できない。DNAも生体の一部出るから、特定箇所のところだけを切ったり貼ったりすることは、予測されない事態もあるであろう。
植物の分野では、発がん性が指摘されたり繁殖に障害が起きたりすることが解っている。こうしたことを積極的に取り組み、ゲノム編集や遺伝子操作は従前の改良と同質とする判断をし、製品表示の必要性を認めなかったアメリカの政治的判断がこの技術を広めた。
ゲノム編集製品や家畜が出回り、遺伝子組変え作物や製品が、消費者に知られることなく市場に出回り、将来に何が起きるかは誰にも解らないことである。しかし、食品を価格と生産性だけで判断するこうした技術は、人類の未来に決して明るいものではないと思われる。それが、選挙後一気に加勢される結果になる。