安倍晋三が自民党の御用新聞”読売”で、元旦から自己主張でしかない言いたい放題である。「相手に『最初の一撃を放ったら、自分たちも相当手痛い被害を受けるかもしれない』と思わせることが大切」だと、敵基地攻撃能力の必要性をノーテンキに述べている。これが元首相の発言かと思われる。
この敵基地攻撃能力に市民権をあたえようとしたのが、2017年の安倍晋三命名の国難解散である。
北朝鮮がミサイルをボンボン上げている。日本海側の小学生たちに、ミサイルが飛んで来た時に頭を抱えてみんなで机の下に隠れましょうと、訓練までさせて危機を煽り行ったのが、国難解散である。
ミサイルを迎撃するために、秋田と山口にイージスアショアを設置することにした。EUの20倍の値段をアメリカに吹っ掛けられて設置を決めた。ところが迎撃など無理と分かって、この計画は撤退させた。安倍晋三の思い付き、無計画の安全保障の典型で、アベノマスクと同レベルの低次元な政策である。
そもそも北朝鮮が日本をミサイル攻撃するなら、日本海側にずらりと並んだ原子力発電所を狙うに決まっている。小学生に頭抱えさせるのは、漫画的であるが国民には十分危機感をアピールできてはいた。訓練には意味ないが、この選挙で安倍晋三は勝つことができた。日本の民度の低さが知れようというものである。煽った危機感は選挙後の喪失した。
つい先ごろ北朝鮮は超マッハミサイルを発射している。おまけに列車移動式のものや潜水艦による発射実験も行っている。敵基地は所在が不明であるし、10分足らずで到達するミサイルなどお手上げである。
仮に世界最貧国の北朝鮮を仮想敵国としても、敵基地攻撃など絵空事でしかない。ましてや、中国やロシアを仮想敵国にするなら、敵基地攻撃など何もできるはずがない。
つまり敵基地攻撃を先制攻撃されたから報復する、などということは出来もしない架空の戦術でしかない。敵基地攻撃は先制攻撃しなければ意味がないのである。しかもその力は幸いなことに近隣諸国で日本は最低である。
戦争や地域紛争は、外交の失敗が具現化したものである。外交成果ゼロの安倍政権の尻拭いが、敵基地攻撃を思いつかせたのであろう。いずれにしても憲法9条に抵触する暴論である。