中国の大気汚染が深刻である。とりわけ北京の町は、スモッグ状態となって先が見えないほどである。直径が2.5マイクロメートルの、PM2.5以下の物質が、1立方メートル当たり、200~300マイクログラムの、危険域に達していて、人体に影響が出始めている。珍しく中国はこの事実を隠さない。最も隠しようもないが、車と工場の排出物によるものと思われる。
経済活動の最優先の結果と言える。国民不在の発展の結果である。日本も類似の経過を見ているが、現在の途上国のこうした安全の置去りは深刻である。とりわけBRICSと言われ国家でより一層深刻である。
ブラジルでは、地方の30万ほどの町のナイトクラブで、ショーの花火から火災が発生した。非常口もなければ消火装置もなく、お客は231人も死亡した。負傷者は82人とされるが、この数字も何度も訂正されている。次回オリンピック開催は大丈夫だろうか?安全対策を怠った結果である。
ロシアでは、事故が最悪であった。数人死亡の事故が頻発している。広い国なので、航空機への依存度が高いが、ここ数年で毎年平均で、135人死亡している。昨年は80人であったが、十分な対策がない地方空港での事故が絶え間ない。
インドの交通事故は、世界最悪である。この9年間で車の数は、3.4倍にもなっている。08年には1日当りで、396人も死亡している。今や世界の交通事故の10%はインドで発生している計算になる。インフラの整備も含めた、安全対策をやってこなかった結果と言える。
南アフリカでは、今年の正月に首都近郊で火災が発生して、およそ800戸の住宅が燃えた。4000人が住居を失った。航空機事故も少なくない。
これらの事故は、BRICS諸国が経済発展に伴い、人命軽視ともいえる、安全対策やインフラの整備がなおざりにしてきた結果である。これらの国は、先進国が少なからず体験していることであり、丁寧に学ぶべきである。とりわけ、中国の大気汚染は、近隣諸国を巻き込み多大な損害をかける可能性もある。中国の真摯な対応を期待するところである。
中国の大気汚染が日本にまで流入していることに対して、政府は遺憾表明をすべきである。
さらに、中国共産党に対して損害賠償請求をしてもらいたいものである。