キューバが共産党大会を16年ぶりに開催した。世界には社会主義国と、「自称」する国家が4カ国ある。中国、北朝鮮、ベトナムそしてキューバである。唯一、平等主義を掲げ国民の、80%が国家公務員(国営企業労働者)の国である。
キューバとほぼ同義語ともいえる、1959年キューバ革命の指導者フィデロ・カストロが身を引いて5年になる。弟のラウロ・カストロがひきつでいるが、この間に世界経済は悪化の一途をたどった。
キューバ経済を支えていた、ニッケルと砂糖の暴落がこれに追い打ちをかけている。国民の実質所得は、10年前の4分の1に落ち込んでいる。
キューバ革命以来、近接する巨大国家アメリカの経済制裁を受けながらも、ソ連など東側の支援を受けて息を繋ぎ、社会主義国家崩壊後もカストロにもとに、国家体制を維持してきた。
強烈な革命第1世代が支えることで、後継者が育ってこなかった。フィデロを名実ともに引退させ、ラウロが後を継ぐことになるようであるが、世代交代の人事が大きな意味を持つことになる。
数年前から、規制緩和に取り組み国営企業労働者を50万人解雇した。平等主義に慣れたこの国での規制緩和は、格差問題と不安定要因になっている。
1千万都市を、循環型の有機農業で支え、ある意味未来を先取りしているともいわれるキューバ農業である。アメリカの経済制裁で苦渋の選択とはいえ、最も社会主義国家的と言われる体制を維持してきた。
平等主義とカストロなど第1世代の指導に慣れた国民が、経済とともに政治をどのように次世代が担って行くかが、キューバの未来を決定することになる。