ついに恐れていた「ツボカビ病」が、野生種に発見された。これは、この専門家である麻 布大学獣医学科の宇根有美准教授の発表によるものである。来るべきものがついに来 た、という感じである。
ツボカビ病は、両生類(カエルやサンショウウオなど)に特異的に発生する、ツボカビ菌という真菌(カビ)による皮膚に発生する病気である。伝染力が極めて強く、致死率も90%以上とされている。
世界の両生類、5743種のうち120種が1980年以降に絶滅したと思われ、更に1856種(全体の32%)が絶滅の危機にあるとされるが、これにツボカビ菌が大きく関わってい るものと思われる。
ツボカビ菌は、これまでアメリカ大陸、アフリカ、オセアニア、ヨーロッパに広く分布してお り、アジアは非汚染地域であった。日本では、カエルなどの愛好家が、輸入したカエルで確認され、野生種の感染が危惧されていたところである。
人に感染することはないので、安心してもらっては困る。
例えば我々が長年かかって13羽から1000羽まで回復した、天然記念物のタンチョウの、子育ての真っ最中の主食は大量のエゾアカガエルである。このカエルが感染するとなると、タンチョウの種の保全に直接関わることになる。
カエルは、大食漢である。子虫を大量に食べてくれるカエルは、色んな意味で人類に貢献してくれている。カエルなどの両生類の死滅は、人類社会にとっても、予測不可能な事態を招くことが考えられる。ツボカビ病は人類への警告でもある。
興味のある方は、http://www.asahi-net.or.jp/~zb4h-kskr/alien-s/tsubokabi.htm から検索下さい。
ツボカビ病・・・生態のサイクルが、壊れちゃう、恐ろしい病気ですね。。。