日本維新の会がボロボロである。共同代表の橋下と石原の、前時代的な感覚が露呈したからである。特に橋下は、旧本軍と同じで敗退を知らない。多少の言い回しの変化があるものの、撤退したり訂正ができない男である。
橋下の発言内容は、実は安倍晋三が以前から言っていたこととほとんど変わらない。慰安婦の強制収容の事実を、安倍は否定している。首相になってさすがに、公言することはなくなったが、櫻井よしこを師と仰ぐ安倍が慰安婦問題や集団自決を容認するわけがない。
更に、過去に安倍は日本の核武装を主張していた。安倍もこの点は同じである。石原も同様である。
今回、参議院選挙に向けて、みんなの党から決別状を渡されてしまった。みんなの党には、民主党が共同を組もうと持ちかけている。
公明党はいち早く、橋下発言を女性を侮辱するものであると、手厳しい対応を行った。民主党も、海江田代表が極めて歯切れの悪い言い回しで、橋下発言を批判している。
昨年暮れの総選挙では、台風の目となった日本維新の会である。民主党を追い越すのも時間の問題とみられていた。ここにきて支持率が落ちて急速に勢いが衰えている。今回参議院選挙を前にして、維新の会は四面楚歌である。
これを最も喜んでいるのが、安倍自民党である。公明党とはこれまで与党として組めば良い。みんなの党と維新の会が組むことで、いくつかの複数区の選挙区を失いかねなかったが、これで一安心である。民主党には勢いがいまだ戻る気配がない。
安倍国粋主義者の危険性は、石原・橋下が泥をかぶってくれた。中韓は安倍攻撃を止めて、石原と橋下を攻撃している。対外的に橋下がガードしてくれる格好になっている。こんな都合よ良いことはない。参議院選挙絵自民党が勝利するなら、安倍は橋下に礼を言わねばなるまい。