最近入手した資料に驚くべきものがあった。アメリカの飲用乳が、日本の牛乳に比べていかに汚いかが判ったのである。
牛乳は、そのまま飲むのを目的にした飲用乳として向けられるものと、チーズやバターや粉乳などに加工するものと、多いく分けて二通りがある。少し消毒するなり、成分調整などをして、飲用に向けられるものは鮮度と衛生的に高いレベルのものが要求される。アメリカでは、飲用はグレードAとして扱われている。
乳牛は、常時大量の牛乳を泌乳をするために、乳房炎になるのが乳牛の職業病、性(サガ)といえる。乳房に細菌が入って炎症を起こすのである。これは乳牛の宿命である。炎症が起きると、その程度に比例して白血球などの≪体細胞≫というものが増える。
集荷された牛乳の体細胞の量を計測して、乳房炎の程度を推測するのである。潜在性の乳房炎や慢性の乳房炎などは、乳房炎と言えるかどうかの微妙なところもあったり、発見しづらいこともある。これが酪農家の悩みの種になっている。日本では!
アメリカでは、グレードAの牛乳は1ミリリットル当たり(以下同)、75万を超えると30日から45日の間に、再検査が義務付けられている。そして、2回以上75万を超えていると、21日以内に再検査される。その間は出荷されている。
私の在住する根室地方では、(北海道全域ほとんど大差がない)30万を少しでも超えると、翌日から出荷停止になる。そして、農協が農家に入って牛乳の検査を行い、翌日からの牛乳の出荷は改善されるまで停止される。
30万を超えて出荷した一日分の牛乳量に対して、キロ当たり数円のペナルティーが科される。検査とのタイムラグがあるため、一部は出荷されてしまう可能性はあ
る。然し量的には極めて少なく、第一農家はそんな損になることはしないため、そうした機会もほとんどないと言ってよい。日本の酪農家は、厳しい体細胞検査で乳房炎が悩みの種になっている。
これらは自主規制である。要するに、日本では30万を超えて出荷される牛乳はほとんどないということである。皆無に等しい。
翻って、アメリカではなんと杜撰で汚れていることかと思われる。体細胞が高いと、どれかの牛が乳房炎に感染していると言える。私の体験では、100万ほどなれば、5%以上は乳房炎になっているといえる。こうした牛乳は、苦くて飲めたものではない。アメリカでは、グレードを下げて、加工用に回しているものと思われる。
その他、細菌数や抗生物質の検査と規制も、相当日本のレベルを下回ったものである。更には、成長ホルモンを注射されて泌乳する牛乳も、かなりの量市販されている。
TPPとはアメリカの制度を、属国の日本が受け入れることを意味する。規制が緩和されて、アメリカ同様の汚い牛乳が消費者の口に入ることになる。現実を知らない政治家が、目先の金のため、TPPに参入するのである。
<添付の写真は草を主体に飼われているマイペース酪農農家の健康な牛牛群です。クリックすると大きくなります。>
「こんな乳製品、貴方安くても食べます?」
幼少の頃、一升瓶を持って牛舎に行き搾乳したばかりの牛乳を買って飲んでいました。私には牛も馬も羊も豚も頭の良い動物で、最高の遊び友だちでした。
生産効率を高めるため家畜が産業動物となったのはいつからなのでしょう。現在では感情論を抜きにしても、命をいただいている現実を、安さや便利さで食いつなぎ不健康な体になっているとしたら一抹の罪悪感を感じます。
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http://www.bagct.com/html/omega/omega,8187.html
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