安倍晋三が1月30日に、「都道府県の6割以上が新規自衛官の募集を拒否している現実がある」と述べ憲法に自衛隊明記の理由に掲げた。その後防衛省は、「拒否している一つも自治体はない」と、首相発言を訂正している。岩屋防衛大臣は「都道府県ではなく市町村の6割が協力してくれない」と述べてる。
実態は防衛省が主に18歳と22歳にダイレクトメールを送るために、紙か電子媒体で提出するように求めて協力が得られなかった都道府県のことを指しているようである。現実に、1741自治体の内632がが提出した事実を指していることのようである。632は36%であるから、このことを指しているようである。しかし931自治体は防衛省の住民台帳の閲覧を許可している。ほぼ9割の市町村が防衛省に協力していることになる。安倍晋三は嘘を言っている。
自治体が四六時中情報の漏えいを繰り返す省庁に、電子データーを市町村が提出しないのは健全な判断である。協力しなかったとされる178の自治体は殆ど過疎地であり対象者も少なく、若者の流出などを嫌うのも当然のことである。安倍晋三のいう自衛隊募集に自治体が非協力的であるとする嘘を理由にして、憲法を変えようとするのは国民を馬鹿にする行為といえる。
防衛省が自治体に依頼するのは、自衛隊法97条の、「募集に関する事務の一部を担う」に依拠しているものと思われる。日本の自治体は国からの交付金で縛られている。彼らが積極的に協力しているとは思えないが、ある種の政権の恫喝といえる。
一昨年安倍晋三は、「自衛隊は憲法違反と記載している教科書がある」と述べ、憲法に自衛隊を明記する理由に掲げた。これは文科省が、そんな教科書は一つも存在しないと述べている。
いずれの場合もフェイクニュースである。嘘を根拠に自衛隊を憲法に明記するというのである。憲法9条に違反する、集団的自衛権行使容認を実行する安保関連法(戦争法)が成立し、それを背景に自衛隊を明記するなら疑いもなく、日本の軍隊の成立を意味することになる。
その国の程度に合った政治家しか出てこないという典型ですね。