オーストラリアの総選挙で保守連合が大敗して労働党が11年ぶりに政権を奪還することになった。保守連合のハワード首相は、イラク派兵に熱心でブッシュに追随する姿勢を一貫して守ってきた。
ハワードが推進した、もう一つのブッシュ追従が反温暖化対策である。京都議定書に賛同す ると、経済発展が見込めないと彼は批准してこなかった。
今回大勝した、労働党のラッド氏はこの2点を争点に上げた。イラクからの撤兵と京都議定書への批准である。若さもあったのであろうが、まともな神経で考えれば当然のことである。
イラクは、すでにイギリスが撤兵することがはっきりしている。多くの国が、残っていても大幅に人員を減らしている。健全なオーストラリア国民の選択である。わが国では、テロ対策に洋上給油の可否ばかりが論点となる貧困さである。
同じように二大政党と言っても、オーストラリアでは争点は明確であった。有権者、国民は選択をしやすいのである。フランス大統領選挙も、争点あるいは主張することに明確な違いが読み取れた。来月行われる韓国の大統領選挙も、北朝鮮についての姿勢が明確に違う。
翻って我が国の二大政党を見たときいは愕然とする。類似の主張が目立つばかりである。片方が、受けの良いことをやると、片方が真似ると言った類のやり取りばかりである。社保庁が悪いとなると、寄ってたかって叩き対策も、民主党が良いことを言うと自民党が真似るし、その逆も頻繁に行われている。わが方が先に言った論争に終始する醜悪さである。
洋上給油に反対するから民主党は平和の正当化と思うと、武器を持ってアフガンの国土で戦うことができると党首が言う始末である。憲法は交戦権も認めていないことを知らないのである。洋上給油は非戦闘行為ではある。どちらがより平和の政党か、国民は判断できない。
まことしやかに「大連合」論議を横目に選挙が行われたのでは、国民はたまったものでない。何のための大連合が必要なのだろう。国会がよじれているのは国民が選択した結果である。やっと、洋上給油の不条理や防衛省の悪態が日の目を見るようになったのは、衆参がよじれているからである。
それを解消して何をする? 消費税のアップか憲法改悪か? 国民に選択肢を与えようとしない二大政党、これが民主主義なのだろうか?
やはり、もう日本は亡国なのでしょうか。。。