そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

忘れたころを見計らって出された公的年金の財政検証

2019-08-28 | 福祉社会

厚生労働省は、5年に一度の公的年金の財政検証結果の一部を恒例に従い公表したが、選挙に不利になるにようになると、麻生財務大臣は受け取りを拒否した。年金が足らないので2000万円貯蓄がなければならないという内容に、麻生太郎は前例のない報告を受け取らないという行動に出たが、多くの国民は実感として持っていた内容ではあった。
多くの国民が選挙も終わり忘れてくれた昨日(27日)財政検証の結果を公表した。今すぐには解散もなかろうと受け取った。
ざっくり言って、年金を賦課方式にバブルを背景に変えたことが背景に色濃く出ていて、経済成長すれば制度は維持されるというものである。年金だけでは足らないから2000万円金貯めとけと市場への投資を控えさせて、経済成長が必須という矛盾が露わになったといえる。

少子高齢化を受け、標準的なケースで約30年後にモデル世帯の年金の実質的な価値は現在の65歳と比べ2割近く目減りする。基礎年金部分(国民年金)は3割減少する。それも、経済成長が順調であればという前提である。
所得代替え率(現役時代の収入に比較した率)で見ると、経済成長が0.4%以上であっても、現在の61.7%に対して50.8%しかない。28%も減少する。基礎年金部分の下がりを食わえれば、30%以上目減りすることになる。政府は所得代替え率50%維持を掲げているので、経済成長率が0.4%以上なければならないことになる。
しかしこれはどう見ても粉飾の域を出ていない。厚労省の自画自賛、絵に描いた餅である。雇用が順調でなければならないし、その雇用関係も厚生年金加入者でなければならないし、人口減少を雇用延長と負担増でまかない切らない現実がある。
しかも国民年金にしか加入していない人たちは、少額である上に減額率が大きい。低所得者に厳しい消費税同様の、年金の逆進性がここでも起きている。
しかも、これらは悪くても0%という経済成長が前提にある。マクロ経済スライドは国民を守ることはないが、制度はしっかり守るシステムである。厚労省は制度の破たんを口に出せないが、2000万円以上備蓄しておけというのが、本音である。ただし現在40歳以上という前提である。それ以下の人達はもっと自己責任でため込んでおけという、年金制度である。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アマゾンの森林火災が果てし... | トップ | こんな些末な口利きで辞任さ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

福祉社会」カテゴリの最新記事