タンチョウは一時10番い程度しか確認されない状況であった。タンチョウなどのツルの仲間は、渡りをやり古くは冬に本州方面に行っていたのである。花札の、一月がタンチョウになってその名残が見られる。
絶滅寸前の時も、根室地方の湿原で繁殖をしていてくれた。冬の給餌場を、阿寒や鶴居村で過ごせる環境が整って、急速に数を増やしてきた。今では、根釧地方に限ら ず他のところにも、夏の繁殖地域が広がっている。
一方、アメリカがバイオ燃料へ飼料用穀物を大きくシフトしたことにより、多くの酪農家が飼料用コーンを作付するようになった。今年は温暖化の影響もあって、コーンの収量はまずまずである。
その、コーン畑の落ち穂を拾って、多くのタンチョウが集まってきた。ここ風連川河口のあたりのコーン収穫後の、畑に60羽以上も集まっていた。長年タンチョウを観察しているが、驚異的な数である。(写真をクリックすると大きくなります)
繁殖調査のために、付けられた足輪のタンチョウが8羽もいた。それらは、かなり集中した地域であったことも分かった。
タンチョウが増えたことは、いいことに違いないことではあるが、養鶏場のような気がして少し異常な気がしないでもない。それと、間接的に環境問題の逆の意味の現象でもあるのだ。