ようやく国会で、憲法を無視する集団的自衛権行使容認に対する質問、論争が開始した。民主党の辻本清美議員と枝野幸男議員が質問に立った。辻本の質問は、自らの主張を傍らに置いた過去の経緯を細かくついたつもりであったようだが、軽くいなされた感がある。
枝野民主党幹事長の質問は、立場上集団的自衛権の党としての見解が曖昧なままの極めて空虚のものとなり、論議はちゃんとしか言いようのないものと言える。
安倍首相が執拗に、3要件を満たせば戦争に参加することにならないと説明するのであるが、その根拠は言葉の域を脱していない。
枝野は党内事情を配慮し、シーレーン防衛は必要ですよという前提から始めている。個別的自衛権は海外でも行使できるという見解を披歴しての質問は、野党としての意味がほとんどない。
明白な危険が迫っているとする根拠を枝野は迫ったが、「明白な危険は、明白だることだ」と禅問答の終わっている。枝野は引き出せなかった。結局、時の政府の見解でどうにもなるのだと、捨て台詞で終わってしまっている。
安倍首相は、「イラク戦争やアフガン戦争のような戦闘には今後も参加しない。大規模な空爆や敵地に攻め入るような行為は、憲法9条の下で許される必要最小限の自衛措置を越える」から、戦闘行為はできないというのである。この根拠も全く示していない。これまでできなかったから、これからもできないというのである。
所信表明演説では、全く触れることがなかった。都合の悪いことや耳触りがよくないことは、触れないようにしている。首相は丁寧に説明すると言っていたが、とても丁寧とは言えない。
そもそも、必要最小限の実力行使は、相手国にとって、とても都合が良い。必要最小限のレベルを越えれば、その戦闘に勝利できるからである。そんな必要最小限の武力行為は、戦場では存在しない。ありえないのである。
別の言い方をすれば、必要最小限のレベルは何時でも際限なく高くなるのである。必要最小限は戦闘の途中で放棄するということを意味する。戦場ではそんなことはありえない。
集団的自衛権行使そのものが、憲法で禁じている行為である。枝野の質問は茶番である。
定以来、17年ぶりの新ガイドラインは、現行の「 周辺事態法 」
では、自衛隊の後方支援ができる地域を「 非戦闘地域 」に限定
しています。
「 戦闘地域 」はもとより、「 今は戦闘が行われていない
が、将来的には行われるかもしれない地域 」での自衛隊の活動
はこれまで禁じられていました。
また給水や給油、けが人への医療提供は認めてきましたが、「
武器・弾薬の提供 」と「 戦闘のために準備中の航空機に対する
給油と整備 」は、非戦闘地域であっても、アメリカ軍の武力行
使と一体となる恐れがあるため除外してきたのです。
7月1日に行われた、「 集団的自衛権行使を容認する閣議決定
」の中では、「 後方地域 」や「 非戦闘地域 」という「 一体
化の問題が生じない地域に区切る枠組みではなく 」、「 他国が
「 現に戦闘行為を行っている現場 」ではない場所で実施する補
給、輸送などの我が国の支援活動については、当該他国の「 武
力行使と一体化 」するものではないという認識を基本 」とする
と規定しました ( 「 国際社会の平和と安定への一層の貢献 」
いわゆる後方支援と「 武力行使との一体化 」) 。