13年前のNHKスペシャル番組を見た。当時を思い出したりしたが、プーチンのロシアはジョージア(グルジア)侵攻とそれに先立つ隣国のチェチェンを、武力的に平定したことが、プーチンに変な自信を持たせたことが、クリミアそしてウクライナ本土への侵略をさせたことに今更気付くのである。
ジョージアにいわれない因縁をつけて、南オセチア自治州にコーカサス山脈を越えて侵攻した。南オセチアの住民には、ロシア人パスポートを無原則的に配布押し付ける。同様にアブハジアとアジャラも事実上ロシアの支配下に置く。
大ロシアの回顧をさせたのが、ソ連崩壊後の経済を立て直した、プーチンの国家資本主義である。金がプーチンを増長させたのである。民間に払い下げた国営企業を選別して事実上支配下に置いたことで、リーマンショックの影響をほとんど受けなかった。これは中国にも似たことが言えるが、国家資本主義の強みではある。
順調に経済成長したロシアは、2014年の増長してウクライナの内政干渉したことと、クリミア半島の武力的に獲得したことが影を落とす。今回のウクライナ侵略は更に決定的になるだろう。経済的ダメージは、いくら伸ばしたとしてもプーチンの任期を超えて続くことになる。
民族的な結束を国民に訴える時には、背景に危機的要因がるときに効力を持つが、プーチンのように金が余っているから帝政ロシア時代へのノスタルジーで侵略するなら、勝利以外には支える要因などない。
一次的な勝利で制圧したところで、継続的な支配ができるわけでもない。すでに制圧地域の復興計画をロシアは示しているが、自分たちが他国に侵略して破壊しておきながら、そこを復興するとはどういうことを誰が理解できるというのであろう。