北朝鮮の3度目の核実験で、各国が騒いでいる。これこそ、世界最貧国の自己主張であり、騒がれれば騒がれるほどわが意を得たりとするところである。騒がれることこそ、最も大きな意味を持つ。
安倍首相の訪米前は計算したかどうかわからないが、先代の金正日の誕生日の前、オバマの一般教書発表の前、韓国の次期大統領朴槿恵の就任前であったことがそれを物語っている。
日本はとなれば、相変わらずの経済制裁と唱えるばかりであるが、もう制裁することなどなくなって、手詰まりであることが現実である。日米韓欧州などが、いくら制裁をしても、中国という抜け穴があるから、何も変わらない。
世界各国の制裁を無意味にし、抜け道になっている中国も今回は、断固反対の声明を早速出している。その中国の北朝鮮対応の内容が、すべてを握ることになる。今回断固とした反対と、声明を出した以上中国は何らかの制裁をするのであろうが、その内容がこれからの北朝鮮を決定すると言って、過言ではない。
韓国メディアは、中朝共同開発の羅先特区の見直しをするのではないかと報道している。それも一時で終わる可能性もある。これまで通り安保理決議は多少の効果も見込めない。
今回の実験は子飼いのように扱っていた北朝鮮に裏切られたと実感し、本気で制裁を加えるなら、北朝鮮が消費するの石油の9割を輸出している中国は、これを何とかするべきである。もしくは経済活動の半分ほどを止めるべきである。
中国以外にこうした有効な手立てを持つ国家は存在しない。北朝鮮は、世間知らずのボッチャマが権力の座に座ったが、ピョンヤンの祖父と父の巨大な立像を、何億もかけて自らの顔に似せるように作り変えたりと、無駄金を平気で使っている。核実験もそうである。経済感覚がない。
中国が有効な制裁をするとこの国の体制はあえなく崩壊する。その後のほとんど無意味になる尻拭いを中国は嫌っている。金正恩体制崩壊のソフトランディングのシナリオで、中国により従順な体制の設立を探っているのであろう。