日本が戦後処理しなかったのは、台頭するソ連と中国などの脅威から日本を防共の防波堤にしたかった連合国、とりわけアメリカの意向が大きく反映している。
戦争責任者を勝者側が裁くのはおかしいという論理は、こと日本については成り立たない。開戦においても、戦争継続においても、降伏においても、あらゆる場面で為政者は、国民に一方的な犠牲を強いたからである。しかし、上記のような理由や背景、国際情勢で旧軍事態勢の残骸を大きく国家機構の中に残す結果となってしまった。その好例が開戦、宣戦の署名者でもあり、東京裁判でA級戦犯の昭和の妖怪岸信介を、無罪放免したことである。
いつまでたっても戦争への罪悪感、周辺国家への贖罪が国民の中に定着していない。
オリンピック開会式でショーの演出を担当するはずだった、小林賢太郎が解任された。22年前に、ホロコーストを揶揄するコントをやっていたそうである。なんで今頃と思われるほどの経過があるが、この男を含めて日本全体が、戦争責任に鈍感になっているからである。あるいは、戦争の反省を怠ってきたからである。
私はブログをもう12年も書き続けているが、南京虐殺はでっち上げとか、731部隊の人体実験などなかったとか、慰安婦問題も沖縄の集団自決も嘘だとか絶え間なくコメントさしれる。根強くこうした、日本帝国の犯罪はなかった、正しい戦争だった、うまくやれば勝っていたという考えは、戦争への反省をこの国がやってこなかったからである。
小林賢太郎が22年前のホロコーストを揶揄するコントで追放されるなら、ナチスの手法を真似して憲法変えればいいじゃないか、緊急事態法を成立させればいいと言った、新聞は読まないし本も読まないが、漫画で世界情勢は解ると言った日本の副総理、自民党副総裁、元総理の麻生太郎を放免してはならない。ナチスを称賛するような発言した人物を、恥ずかしくも国家権力の中枢座に置いておくことはあってはならない。