多くの人が注目するようになった World Economic Forum 國際競争力 competitiveness 評価(2006年)が公表された。10位までの順位をみると、1)スイス、2)フィンランド、3)スエーデン、4)シンガポール、5)アメリカ、6)日本、7)ドイツ、8)イギリス、9)香港、10)台湾となっている。
スイスという小国に次いで、高福祉・高負担のスカンディナヴィア諸国が上位を占めていること、アメリカが前年の第1位から5位にランクを落としていることが目立つ。代わって日本が浮上し、ドイツと肩を並べるまでになった。日本の復活はご同慶のいたりだが、内容は問題山積である。
注目すべき点のひとつは、スイス、シンガポール、香港、台湾などの地理学上の小国が継続して、大きな存在感を発揮していることである。いずれも、それぞれが得意とする産業分野での技術革新を成長力の源として重視している。
天然資源などに恵まれた国ではないが、長期的視野の下で、常にグローバルな市場を意識していることが、強い競争力を維持・活性化させている最大の原因だろう。その背景には高い教育水準と技術力重視の立国方針がはっきり見て取れる。イノベーションを掲げる日本の安倍内閣だが、その政策方向は読み取りがたい。「美しい国日本」の骨格はなにによって作られるのか。10年後の2016年、そして2050年に日本はどんな国になっているだろうか。
Reference
"International Competitiveness." The Economist September 30th 2006.