日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

「お弁当」というタイトルで書くとしたら

2010-07-04 16:30:32 | 私の雑感あれこれ
向田邦子の「無名仮名人名簿」というエッセイを読み始めた。
初端(しょっぱな)が、「お弁当」の思い出昔話。
で、自分の場合、なにが思い起こせるか、と。

新一年生だけが建築途中の校舎の出来上がったばかりの棟で、1学期からの授業が始まった。鉄筋コンクリートの3階建ての1棟だけが、工事現場に建ち上がっている、そんな光景だ。
職員室も音楽室も体育館もない。
グランドも原っぱの真ん中が禿げたように赤土になっていて、バレーボールのコート2面ほどはあったでしょうか。
ましてや給食設備もありません。
各階4教室で、12室。1学年7クラスで、余りの部屋を、仮の職員室にしたり、音楽室として始まった新学期でした。
で、もちろん給食もなくて、お弁当持参。小学校時代は給食だったこともあって、俄かにお弁当作りも大変、という配慮か、毎朝パンの注文をとって、お昼時にはパン屋さんが配達してくれていた。

向田さんのエッセイを読みながら、自分の記憶に残っているシーンを思い浮かべる。
浮かんだのは、高島クンの卵焼き。
お母さんが作られたお弁当なのでしょうが、その中の卵焼きの巻き方が見事なのです。
何切れかが入っているのだけれど、横から見ると、厚さ2ミリほどのキレイな渦巻き。
焦げ目もなく、黄色一色。
高島クンは、色白で、顔のどこかに黒子があった。
笑うと八重歯がみえて、成績優等生の真面目クンらしいやさしい笑い方をした。
その中学校は、5つほどの小学校の学区の生徒が集まってきていて、私の卒業した小学校が一番人数も多く、田舎ではあってもそれなりの繁華街もある町。
比して、高島クンの小学校はどちらかという、より田舎っぽかったのだけれど、かれの様子は、どこか都会のぼっちゃん風で、少年雑誌の表紙にあるような、そんな風貌だった。
すっかり忘れていたけれど、お弁当の光景、を思って振り返って、出てきたシーンは、自分のお弁当のことではなくて、隣の席の高島クンの卵焼き、だった、というそれだけの話。

今も週に何度か私はお弁当をつくる。勿論卵焼きもするけれど、「ああ、ビタミン、おー、野菜」という思いがあるものだから、卵だけのプレーンな、高島風卵焼きは作らない。
ちょっと挑戦したくて、卵焼き専用器を買ったこともあるけれど、台所の奥に片付いていて、平生はフライパンで、手早く野菜を混ぜての卵焼きばかりです。

高島クンのお母さん、お料理得意だったのだろうか。
中学生のお母さんだから30代だったでしょうに。
勉強に行く息子のために、という思いがこめられていたのだろう、今思い返しても、そう思います。

その中学校は、順次校舎が整っていき、卒業する時点で体育館が出来上がって、ようやく完成。ピカピカの体育館の初使用は、私たちの卒業式でした。
それまでの体育?
屋上でバレーボールのパスの練習をしたり、雨の日は、廊下でトレーニングもしていましたねー。
いまだったたら、苦情がでるでしょうねー。
卒業式があったのは昭和40年3月。
そんな時代でした。
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「もし高校野球部の女子マネージーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

2010-07-04 09:07:42 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
もし高校野球部の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海著)を読了。
今、本屋さんの店頭で平積みになっている本らしい(本はネット購入になって、殆ど本屋さんに行かなくなった)。
で、これは、さらに進化して、先ごろ購入したiPADで読見始め、iPODで読了した(両方とも購入、これが働いていることの恩恵だと思っています)。
ワタシが率先してIT機器を使いこなしているわけではないのですが(汗)、家人のおかげ手、世の中の進歩を享受しています。
指先で液晶画面に触れてページを捲るという仕組みで、本の厚さ、というものを実感できず、どこまで読み進んだものか不明、と思っていたら、今朝、進行具合の表示も出るという仕組みを発見。
ま、便利なものです。
表紙はコミケ版のような軽いイメージ。登場するのも高校生。で、語られるのはドラッカーのマネジメントのセオリー。
高校生たちをチェスの駒のように配置して、判りやすいし。
真面目に立ち向かいたいのだけれど、でもどうしようもないよね、と自分に回答しそうになっている人に、元気を与えてくれる、リポビタン(古い?)のような本です。
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