日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

高齢者社会に突入は明白なことだから

2014-02-12 08:43:34 | 社会問題
日経新聞の報道から。
介護保険の自己負担割合を2割とする案が一面記事に。
年金額280万円超の人が対照とのこと。
また、特別養護老人ホーム入居者のうちで、預金残高が1000万円超の人については、現況行われている月額5万円の食費等にかかる費用の補助を取りやめ、自己負担してもらうことにする。現在50万人の入居者の内の1割である5万人程度が対象になる見込み、とのこと。
選挙立候補者の常套句でもある、「みんなの暮らしをよりよく」とは、幾分逆行する。「負担を増やす」という提案なのです。
記事では、このような策を講じても、高齢者増に伴う支出(国庫負担)が健全化するわけではないらしいのですが、とりあえず、支出額のべらぼうな増加に歯止めをかけなければ、と考え出された「案」のようです。

高齢者増は、突然起こるものではなく、何十年も前から判っていたことなのですが、なにしろ有権者に弱い政治家は、言い出しにくかったのでしょう。

20年程前でしょうか、その頃70代の一人暮らしの男性の台詞を思い出します。
2週間ほど入院したけれど、お金が一銭もかからないの。病院食は無料。病院までの地下鉄も無料。ターミナル駅から病院へのバスも無料。
普段は一人暮らしだから食料の買出しもあったけれど、それもしなくてもいいのだから、助かるよ、と。
当時は、そういうやりかたで「お年寄りをいたわろう」主義だったのですね。
今は、地下鉄もまったくの無料ではなくなたし、きっと入院中の食費も発生するのではないですか。
「高福祉からの揺りもどし」とも取れますが、湯水のように負担していった結果の債務に
現役世代が担いきれなくなっているのが、現状なのですから、受け入れざるを得ないことだと思っています。

ただ、これらのお金の流れの中で、役得のポジションの方々に大量に漏れていくのを、監視していただきたいものです。
ああ、猪瀬さんのケース、特養老人ホーム経営関係者から5000万円のお金が動いたのは、やっぱり戒めねばなりません。

読書中の「漆の実のみのる国」(藤沢周平著)でも、藩主上杉治憲(鷹山)は、どんなに右腕として、藩の財政難からの改革に取組んだ知恵者であっても、その後に藩の財産を「私」した事案が指摘されれば、処分を見逃すわけには行かない、と行動します。
財政難の飢えに不作が続いたりで、四公六民が五公五民、七公三民にまで、絞らねば、幕命に添えないほどの財政難、とか。徳川になって200年頃の話ですが、当時の「生きていくことがいかに大変だったか」いろいろ学ぶところ多し、です。

戦がなくて70年。
明治以降では初めてのこと。江戸期は戦闘はなくても、暮らしは上記の類。
だとすると、莫大にかかってくる福祉費用を、公平に、不満の坩堝となることなく、どう捻出するか、政治手腕なのでしょう。




コメント
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