ベトナム戦争に至る経緯を詳細に書いた記事がニューヨーク・タイムズに掲載されるも、異例ともいえる差し止め命令が政府(ようするに大統領であるニクソンから・・・)から出されたのは1971年。
自分の父が興した会社ワシントン・ポストを、夫亡き後引き継いだキャサリンは、株式公開という難しい時期でありながらも、ニューヨーク・タイムズから少し遅れて入手することとなった文書を公表することに踏み切るのだ。
専業主婦から突然新聞社の経営を担うことになった彼女の下す決断。時間との戦いの中、彼女に決断を迫る新聞社のメンバー達とのやり取りの緊張感は伝わってはくる。
そうは言っても、その決断を下すまでの短い時間の間に、彼女の中にどんな葛藤があったのかを映画の中で手に取るように分かったとはちょっといいがたい。ただ、実際に起きた事件だという重さが、そのあたりの曖昧な感じをカバーしてあまりある。彼女が見せた一瞬の決断が、世の中の流れとあいまってその後の報道に繋がっていくというのも、実際にあった出来事ならではの勢いを感じさせる。
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マスコミと政治の関係、権力が集中した際の起こる誤った判断に対する批判の姿勢・・・40年以上も前の出来事なのに、今の出来事に簡単に照らし合わせることが出来るのが不思議でしょうがない。更にその事に国境の壁がないこともにも驚く。
音楽ジョン・ウィリアムズ、衣装アン・ロスと重鎮の仕事は手堅い。特にメリル・ストリープのコンサバな着こなしの数々は、堅い仕事についている女性の着こなしの教科書のようだ。
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