ムハンとスンジン・・・とうとう二人で病気に向き合う日々がやって来た・・・
こんな風に言うと、長い闘病生活に二人で立ち向かうという感じにも思えるが、残された時間はあまりにも短い。
病院で過ごすのでなく、二人の時間を大事にしたいというムハンに「そのために病気と闘うの・・・」と明るく笑うスンジン。
(最後の時、手を取り合って耐えてくれる人がいてよかったと思う瞬間だ・・・)
治療を前にして絶食が必要な彼の前で親友のミラが用意してくれた弁当をおいしそうに食べ、彼のベットの横に準備したベットで眠るスンジン。病気への立ち向かい方は色々あるだろうが、こんな方法も一つの選択肢なんだろうなと思う。
病室は息が詰まるからと上がった屋上で、飛び降りようとする患者を止めようとして、逆に自分が屋上から落ちることになってしまうムハン。
病気と向かいあわせに生きる日々なのに、そんな時でも病気以外の思わぬアクシデントが日常には潜んでいるのだ。明日、どうなる分からない・・・今日を生きるしかないということを改めて思わせてくれるエピソードだ。
退院してからもごくごく普通の日常は続く。
最後になるかもしれない50歳の誕生日にも娘とスンジンは何事もなかったかのように仕事に向かう。
部屋に一人残るムハンのところにやってくるのは「私のジャスミンはどこ?」と自分の飼い猫を探しに来る3階の女性・・・・多分、スンジンと初めて出会うことになったあの頃のエピソードを思い出させる、ごくごく日常の出来事をわざと最終回に持ってきたんだろう。
残された時間は短くとも、日常はこんな何でもない事の積み重ねなのだ。
友人たちと楽しく過ごし、そして眠りにつき、朝「おはよう」と挨拶が出来ることがどんなに幸せなことなのか・・・
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キム・ソナとカム・ウソンという二人の演技が、大人のロマンスというテーマを余すところなく感じさせてくれた。