私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

The Crossing -ザ・クロッシング- Part Ⅱ

2019-06-16 19:31:28 | 映画鑑賞

The Crossing -ザ・クロッシング- Part Ⅱは、旧正月の夜、上海から台湾に逃れるため、基隆市に向けて運行される太平輪に乗り込もうとする人たちの姿が描かれる。

前半のストーリーを引っ張るのが将校を演じたホアン・シャオミンだとしたら、後半のストーリーは、台湾人でありながら日本軍の医師として従軍し、戦後は家族の中で悩み、弟を上海から連れ戻そうとして太平輪に乗り組む男を演じた金城武が引っ張ることになる。

恋人だった日本人女性との再会は叶わず、母は夫を亡くした義理の姉との再婚を進めようとする。共産主義者が次々と拘束される台湾で、彼の弟は、こっそりと上海に向かい、理想の社会を目指して共産主義に傾倒していくのだ。自分の力ではコントロールすることの出来ない大きな流れに飲み込まれながらも、もがく男・・・・・

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パート2の前半はパート1の話が少しずつ組み込まれ、1時間近くは前半の復習もなんとなく出来るようにはなっているのだが・・・(そのせいでややスピード感は削がれてしまう。)

太平輪沈没事故は中国版のタイタニック号沈没と言われる有名な事故だ。見ている方は沈没することが分かっているため、それまでのカウントダウンが非常にもどかしい。内戦で国民党が勝つことがないと分かっていても諦めなかった将校の姿と、結局弟を上海から連れ戻すことが出来ず一人台湾に戻る医師の姿が、自分たちの力だけではどうすることも出来なかった時代の流れに翻弄される姿が重なってくる。

オリジナルが前後半で公開されたので仕方のないことかもしれないが、日本での公開には、三時間超位の1本にまとめた方が、ストーリー的には分かり易かったのではないかと思う。

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従軍している恋人を探す女性を演じたチャン・ツィイーの力強さには感心する。男性二人と違い、時代に抗おうとするなどという事ではなく、とにかく生きる為に探しに行くというエネルギーが半端なかった。将校の妻を演じるソン・ヘギョのパートは、別の視点からの女性の姿だったのだろうが、私にはちょっとよく分からなかった・・・

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ジョン・ウー監督作品らしく、カモメではなく船の周りを飛んでいたのは白い鳩だったようだ。