「明治や大正の文豪なんか吹いて飛ばしたるわ」 田辺聖子さん語録
会社員になったばかりの頃、読んだ本の事を思い出した。
クリスマスケーキという単語に別の意味を感じて切なさを感じていたあの頃、適齢期という言葉がまだ普通に使われていたあの頃。
「エイプリルフール」や「中京区・押小路上る」という話より、「雨の降っていた残業の夜」や「怒りんぼ」のような胸がヒリヒリと痛くなるような話がいつまでも忘れられなかった事を覚えている。
孤独な夜のココア (新潮文庫)田辺 聖子新潮社
「明治や大正の文豪なんか吹いて飛ばしたるわ」 田辺聖子さん語録
会社員になったばかりの頃、読んだ本の事を思い出した。
クリスマスケーキという単語に別の意味を感じて切なさを感じていたあの頃、適齢期という言葉がまだ普通に使われていたあの頃。
「エイプリルフール」や「中京区・押小路上る」という話より、「雨の降っていた残業の夜」や「怒りんぼ」のような胸がヒリヒリと痛くなるような話がいつまでも忘れられなかった事を覚えている。
私は一言も広東語は話せないけれど、香港映画をずっと楽しんできた。
アクションたっぷりなカンフー映画も、あり得ないお馬鹿コメディも、男の友情に涙する香港ノワールも、狭い香港の土地で有り余るエネルギーを抗争につぎ込むヤクザ映画も・・・・とにかく沢山の映画を見て楽しい時間を過ごさせてもらった。
そんな楽しい夢を沢山くれた香港が、こんな風に時代の流れに抗おうとしているのを見るのは心穏やかではない。
雨傘運動の時、ある人が「香港の街中であんなことをやっていたら商売上がったりじゃないか。香港人はお金儲けであそこまで街を発展させたんだから。商売が出来なきゃ香港の存在価値なんてないんだから、大人が夢みたいな事を言っている若者を諭さなきゃいけないのに・・・」と言っていた。
大きな時代の流れには逆らわずに、金儲けだけに注力していればいいんだという内容に、胸が痛くなった。
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私に出来ることは、何もないけれど、次、香港に行くことがあったら、天安門事件の展示をしているという場所に足を運びたい。