江華島から逃げ出すギルチェ達を助ける為に、後金の男達17人と一人で対峙するジャンヒョン。天然痘にり患していると思われる身体のどこに力があったのかと思う神業だが、ギルチェを守る為にどんな事でもやり遂げる信念があるらしい。
更にジャンヒョンは、戦を終わらせるために、後金の陣営で天然痘が流行っていた事を逆手にとって、交渉すべきと進言までしていたのだ。それが仁祖の三跪九叩頭の礼に繋がるのだが、それでも戦が終わるきっかけを作ったのだ。儒生や両班たちには出来ない技で、フリーの敏腕ネゴシエーターではないか・・・
戦は終わったものの全てを奪い去って行った後金の強欲さは恐ろしい。引き上げる際にも行く先々で穀物や物品を搾取、更に人質も取る。ギルチェも無事ジャンヒョンと再会出来るものの、ギルチェの心にヨンジュンが居る事を知ったジャンヒョンは、もう一押しする事なく(自分が江華島で17人と戦ったという事も明かす事なく)人質として瀋陽に向かう世子の一行に同行する事を決めるのだ。
恋する乙女心をこじらせているギルチェの行動は想像がつくが、飄々としていながらもギルチェの言葉に傷つき彼女の元を去ろうとするジャンヒョンの心の動きはどうも不思議だ。もう一押しがないのは、彼女を思っての事なのだろうが、通訳として取引の場で口利きをして手数料をしっかり稼ぎ、ひと財産作ろうとするその手腕からは想像も出来ない繊細さだ。
「経費は自分持ちだから、その分は通訳以外で稼がないと」と、通訳業は政府の仕事に随行しても個人事業主的な立ち位置らしく、その立場存分に利用しての錬金術にいそしんでいたジャンヒョンは、別の通訳のトラブルに巻き込まれ、更には後金の陣営に潜り込んだ件についてもスパイ容疑を後金に掛けられてしまうのだ。
一旦瀋陽から戻った一行にジャンヒョンの姿を探しに行くギルチェだが、遺品の中にジャンヒョンが持っていた自分の髪飾りを見つけてしまうのだ。
まだまだ運命のすれ違いが続く。