韓国のテレビ番組のラインナップを見ていると、ミュージカル関係のプログラムがある事に気づく。ミュージカル界のニュースター発掘番組らしき物がレギュラーのテレビ番組として成立しているのを見るのは、日本人としてはなかなか新鮮な感じだ。
ということで、今回のゲストスターはミュージカル界からだ。
韓国的にはインコ夫婦なんだろうが、仕事もプライベートも終始一緒の夫婦のちょっとした秘密が大きな亀裂にならないように苦心するマ・テオ。プロのマネージャーらしい裁きだと思うのだが、それがブーメランのように自分に戻ってきて、更には「今までの件は感謝するが、私達に嘘をついていた(更には嘘をつかせた)事は許せない。ついては、別のプロダクションに移る。あなたのやった事についてはそれ以上非難しないから、残りの契約期間についてはゴタゴタ言わないでね」と、びっくりするような展開で、満身創痍のマ・テオは、自分が担当していたミュージカル界のおしどり夫婦スターを失ってしまうのだ。
更にはジェインが何とかプロダクションの起死回生をと、成功した学生時代の同級生に「ぜひ投資を・・」などとセールストークを気軽にしたら、なんと逆にいわゆる乗っ取り状態に陥てしまうプロダクション。
プロダクションの維持のため、ジェインが声をかけた成功した同級生は、自分のビジネスに愛情を注ぐというより、ビジネスが生むお金に愛情を感じるタイプだった。
こういうのは「どちらがいいか?」という問題に答えはなく、自分のスタイルがどちらか?という単純な比較問題。特に彼のようなタイプは「合わない人は辞めてください」というシンプルな思考だ。
今までの歴史や人間関係なんてなんの意味がありますか?という思考故、話はかみ合わないのだ。
彼が連れて来たヒョンジュと同い年の秘書は「アメリカから帰国したばかりで韓国の商習慣が良く分からないから・・・」などと可愛らしい事を言いながらも、その実知りたい事は、「誰を辞めさせるのが一番合理的か?」という事。何も知らないヒョンジュはまんまとその策略にはまり、一番年調のマネージャーは辞める事になるのだ。
危機一髪なのは他のメンバーも一緒。マ・テオはミュージカル界のおしどり夫婦を失ってしまったため、当然矢面に立つことになるし、ジェインも彼が目星をつけた男優を連れてこれなければ辞めるしかないのだ。(肉食系女子の印象が強い役柄だが、ここでマネージャーとしての本質を感じさせてくれる・・)
まぁ、とにかくジェインの元同級生のやり口がかなりいかがわしい。演じるホ・ソンテは、私の中ではイカゲームの組織のお金を使い込んで命を狙われる役柄のイメージがあまりにも強すぎだ。このドラマの中でもそれを見越してのキャスティングだと思われ、まさしくその通りのイメージなのだ。
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イ・ソジン演じるマ・テオ。当初は調子のいい役柄だと思っていたのだが、回を重ねるごとになんだか中年の悲哀が感じられ、ちょっと可哀そうになってきた。もちろん自分が調子よくやって来た事の様々なしっぺ返しと言えるかもしれないが、それでも憎めないキャラクターでもある。