30代半ばの女性が主人公のドラマ。上海で自動車会社(それも電気自動車だ)の法務部門で働く彼女は、会社の中で着々とキャリアも積み上げてきたいわゆる出来る女性。若い時はそれでもよかったが、段々と本格的なライバルが同年代の男性社員となると風当たりもなかなか強くなる。上手くやっていこうとしても、彼女をライバル視する男性社員はこっそりしかし分かり易く足を引っ張ったりする。そんな時、自分のアシスタントとして配属されたのは一回り以上も若い男性社員。
彼女の頑張りを真横で見て、アシスタントとして彼女をサポートし、仕事で辛い局面に立っても頑張る彼女を人生の先輩として尊敬し、更に彼女の女性としての魅力に触れ、彼女を自分の人生にとっても大事な人と考えるようになる彼。
父を早くに亡くし、母に育てられたという彼のキャラクターがこのドラマのポイントだ。彼女が年上だからと変に気を遣うでもなく、自分の方がまだまだ子どもだと焦るわけでもなく、ニュートラルに彼女の頑張りを見て、彼女を応援する。
こういうキャラクターだからこそ、観ているこちらも自然体で見ていられる。年上の彼女が「若い男性と付き合うなら、若作りした方がいいんだろうか?」と悩む場面もなく、更に彼の周りの女性に変な敵対心を燃やす場面もなく、ただただ自然な雰囲気で、一緒に過ごす時間がお互いを思いやる時間を産むという非常に理想的な恋愛ストーリーが語られるのだ。
勿論、彼女の母親は一人で過ごす娘を心配し、その彼女が選んだのがまだ社会人としてキャリアの浅い若い男性と知ると拒否感を示すものの、それに対しても彼の態度は非常に理想的。卑屈になる事なく、理想を語り彼女をキッチリと守ろうとするのだ。
理性的な人生は、ワン・ホーディーが演じる若い男性のキャラクターのおかげで、夢を語る健全なドラマになっているのだ。
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二人が住むのは会社のそばにある高層マンションだ。彼女は自分のキャリアで手に入れたそのマンション。若い彼はこれからの未来のための先行投資として、友人と一緒にシェアしながらそのマンションに住む。二人が日々の仕事に疲れた時に時々映し出されるのは、高層ビルやマンションが立ち並ぶ素晴らしい上海の夜景だ。
私の勤務先の中国人の同僚は「東京より上海の方がずっと都会」とニコニコしながら話していたが、確かにあのドラマの中の綺麗な夜景を見ていると、彼女が一点の曇りもなくそう言い切るのも分からないでもない。
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中国語を習ってかなり時間が経っているが、上達の気配はみえない。中国語に触れる機会を増やそうと、敢えて日本語字幕でなく中文字幕でドラマを鑑賞する。台湾ドラマにしなかったのは、中国語の先生が「南の言葉はちょっと違う」と常々言っている為。そして時代劇にしなかったのは、今時の言葉遣いを覚えたかったからだ。そういう意味ではこのドラマはピッタリのドラマだった。
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理智派生活 | 正式預告 | Netflix