韓国には検察VS政治家という対立が描かれているドラマが本当に沢山ある。
強大な捜査力を持ち警察さえも傘下に置きかなり強引な捜査をする検察と、政治力と資金力をバックに、自分たちを狙う検察のトップを挿げ替えようとする政治家との丁々発止のやり取り。
このような内容そのものがテーマになっているドラマもあれば、大きな権力の渦に飲み込まれそうになる人々の後ろにはこんな権力闘争があったという設定もある。
また、面白いのが、あれだけ検察VS政治家という対立構造がありながらも、検察や警察で権力を持った人間が「政治家になりたい」とパワーゲームに乗り出すという設定もよくあるのだ。更には財界を牛耳る大立者が、自分の利益の為に検察のトップを政治家に仕立てようとしたり、「資金は準備しますから、ぜひ立候補を」と言われた警察トップや検察トップが逆に足元をすくわれたりと、そのパワーゲームは非常にアグレッシブだ。(韓国に限らず)どこの国も権力を持った人間はアグレッシブなのかもしれないが・・・
*****
韓国ドラマ好きとしてはこんなドラマを沢山見てきたせいか、検察出身で政治経験のないユン・ソギョル大統領の就任演説をニュースで見て、「事実はドラマよりもドラマチックだ」と思ってしまった。
2020年の12月には検察VS権力 検察VS警察というタイトルで長々とユン・ソギョルの停職の事を書いたりしていたのだが、それが今は大統領になっているのだから・・・
そして、どんなドラマでも権力の象徴として描かれていた青い屋根瓦が特徴の韓国大統領府@青瓦台(チョンワデ)を執務に使わないとは。。。ドラマでチョンワデという単語が出てくればそれは大統領の権力を指す事だったし、青い瓦が画面の隅に移れば、それは大統領に関連する出来事だという演出に決まっていたのだ。
検察出身の大統領は青い瓦をあっさり手放し、立ち去る大統領は、検察の強大な権力をかなり縮小するという置き土産を検察出身の大統領に残していくという・・・これも、ドラマでは見ることのできない「ありえない展開だ」と思ってしまう。
*****
こんな現実を見ていると、警察から政治家を目指す補佐官や、検察VS警察の姿が描かれる秘密の森を見返したくなる。