BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

ソードアート・オンライン 第25話 『世界の種子』 2 追記

2012-12-23 18:53:48 | SAO/AW
さっき書き忘れたことを一つ。

アインクラッド編からフェアリダンス編への移行で一番大きい変化はアバターだった。

強制的にリアルの似姿にされたSAOと違って、基本、ALOではアバターは選択できる。自分の似姿である必要はない。

この基本的な違いが、終盤まで、リーファ=直葉、という事実を隠すことができた。

で、そのリーファのアバターだけど、明らかに直葉と違う。
リーファと直葉は、体型、スタイルからしてかなり異なる。

この違いは、普通に考えて、「違う自分になりたい」ってことの現れだよね。

だから、直葉にとっては、ALOはもう一つの世界だった。

それに対して、アインクラッド編の面々は、もう一つとは決して言えないほどリアルな世界をとしてSAOを捉えていた。なにしろ、姿も自分自身だから。

なので、確かに、最後に、リーファがキリトにどうして、他の人達のようにアバターをSAOのものに戻さなかったのか?と聞いたのは、当然の疑問。

実際、クラインやシリカたちはほぼ同じアバターを使っていたから。

そのリーファのもっともな疑問に対して、キリトは、SAOのキリトの役目はもう終わったから、と答えた。

ここは結構大事なところで、既に、リアルもバーチャルも「現実性」という点で差が亡くなっていたキリトからすると、アスナを解放した時点で、かつてのSAOは全部クリアしたと感じた。

その完結感が、以前のアバターを捨て去ることに繋がった。
彼にとっては、もうSAOは過去の出来事だから。
そして、今使ってるALOのアバターこそが現在の自分である、と感じている。

で、この姿勢、というか決断が、リーファの心を軽くしたのは間違いないよね。

で、更に大事なのは、アスナも、アバターを変更したことで。

多分、この、キリトとアスナのアバター変更の選択が、リーファにとって、彼らとの壁をなくすきっかけになったし、それによって、彼女はようやくキリトの世界に参加することができた、ということになる。

いやー、しかし、こういう心境の変化を示すような絵の表現というのは、やっぱり、実際に絵で見ないとわからない。

原作だと、なんとなく見過ごしていた、ウンディーネとしてのアスナのアバターも、リーファの心情に立って見ると、ちゃんと意味があるものになってくるから面白い。

もっとも、そう思うのも、ALO編が、基本的には、リーファ/直葉視点で物語が語られていたからなんだろうな、と思う。

そうして初めて分かるものもあるから、原作から映像にするのって、やっぱりシリーズ構成で苦労するのだろうなー、と感じる。

そういう意味では、フェアリダンス編は、ホント、丁寧に作られていたと思う。

だから、きっと今回のリーファに起こったのと同じようなことが、GGOの後に、ケットシーを選択してALOにダイブするようになるシノンにも起こるのだろうな、と思う。

これ以後の話では、GGOで登場するシノンも含めた三人が、キリトのサポート役としてそれぞれに大事な位置を占めるようになるわけで。

ということで、続編が本当に楽しみになってきた。

それにしても、リーファ視点にこだわって映画的演出を多用したフェアリダンス編は、本当にいい作品だった。

いつか、ボーナストラック的に、シノンも参戦して、新生アインクラッドを、皆で攻略している物語を見てみたいものだなぁ。

いや、原作では、ALOの攻略編はあるんだけどね。
あと、最初のSAOの攻略はプログレッシブの方で始まってるわけだけど。

この、フェアリダンス編以後に登場したものを見てみたい。

要するに、リーファがキリトたちと一緒になってガチに攻略する姿を見てみたい、ということだけなんだけどねw

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ソードアート・オンライン 第25話 『世界の種子』

2012-12-23 16:11:59 | SAO/AW
いやー、いい最終回だった。

アスナの救出と解放をようやく成功させ、SAOの面々が再結集する。
そして、最後の最後で、このフェアリダンス編の主人公だったリーファをアインクラッドの世界に導くことで、SAOとALOの話がきちんと繋がって終わる。
同時に、前々回あたりから何となしに感じられていた、リーファの疎外感もきちんと解消されて。

最後に、リーファがALOの中で月に向かってどこまでも上昇を続けていく場面は、垂直方向にどこまでも上り詰めようとする彼女の決意と、けれども、その彼女の意志にも拘わらず、上昇できる高度には物理的限界があることが示されていて、つまり、意志の強さとともにそれをはねつける限界も示されていた。

それは同時に、リーファがキリトを追おうとする意志の強さと、それでも乗り越えられない壁の存在を表していた。
つまりは、彼女の決意と断念が同時に表現されている。

もともと、リーファ/直葉は、キリト/和人が囚われてしまったSAOの世界を知るために、ALOに参加した。システムは違えど、同じVRMMOの世界を体験することで、もしかしたら、和人が感じていたこと、考えていたことに気付くことができるのではないかと思って始めたことだった。その過程で、和人の思考の追体験だけでなく、ALOの世界のあり様に気づいていき、その世界に慣れ親しんでいった。

だから、あるタイミングで、直葉はそれなりに和人のことを「理解」できるようになったと自信をもつようになったのだと思う。

もちろん、それは、SAOの中に閉じ込められて眠ってしまったまま起き上がらない和人の存在を「感じる」ための行為だった。和人が目を覚まさない以上、彼にコミュニケートする手段は、彼の世界を追体験するしかなかったから。

このあたりのジレンマをうまく表現したのが、最後の、月に向かったリーファの上昇飛行だったのだと思う。

以前であれば、どこまでも飛翔して、月(=和人)にまで手がもう届く、届くはず、と確信していたはず。
その自信を揺らがせたのが、フェアリダンス編での、キリトとの冒険だった。
キリト=和人は、結局、ALOにいてもSAOのアスナを目指していたわけだから。

もちろん、キリトにはキリトの事情があるのだから、そのことだけでリーファが自信をなくす必要はないのだけど、そこは、完全に一人よがりの、自分勝手に落ち込んでいるだけ(それが前々々回の、バレの後の爆発なわけで)。

近づいたと思ったはずの和人が、フェアリダンス編の冒険を通じて遠くなった。

正確には、どこまでも近づくことができるはず、と思えていたことが、アスナの登場によって、和人=キリトとの距離がある近さで確定してしまったように思えた。
キリト=和人とアスナ=明日菜の関係も、頭では理解できても、心がついていけない。

それを、ALOとSAOの間に横たわる壁、として理解しようとした。

これも、正確には、SAOのオフ会を最後に挿入することで、その現場を直視する直葉の疎外感を同時に表現しようとする、作者の構成がどうにもあざといわけだけどw

その疎外感を、最後に、ALO内での飛行並びに飛行限界で暗示しているのだから、ホント、あざといなぁ。

でも、その、リーファが感じていた壁すら、アインクラッドを強引にALOの中に呼び込み、一緒に攻略することでチャラにしてしまう、キリトさん(+作者)はホント、あざとい。

リーファが逃げ口上に使おうと思っていた「壁」が実際になくなってしまったわけで、それじゃ、リーファがキリトの前から退散する(真っ当な)理由もなくなる。

同時に、この新しいアインクラッドで、アスナやクライン、エギル、シリカ、リズ、といったSAOの面々と、リーファやサクヤたちALOの面々が、協力して攻略に当たる、新たなゲームが始まるわけで、そこで、リーファからすれば、また、ゼロベースで、キリトとアスナたちの世界に参加できる。

同時に、キリト=和人との距離も埋められる(かもしれない)と期待できる。

実際、休戦協定終了後の、リズやシリカのような存在もいるわけだしw
この後のGGO編からは、シノンも加わるわけだしw

・・・ということで、直葉=リーファの中で燻っていたわだかまりも、最後にきちんと昇華して大団円を迎えたわけで。。。。

いやー、ホント、よくできた構成だなぁ。
物語のパートパートで示されたことが、いずれもきちんと最後には意味を持って繋がっていくところが。

最後の最後で、須郷が、心理的にも、肉体的にも、そして、社会的にも、ボッコボコにされる爽快感も含めてw

加えて、須郷との対比で、いつの間にか、茅場がどちらかというといい奴だったって誤解させていくところも。

もちろん、以上の構成は、全て基本的に原作通りなのだけど、そのツボをいずれもうまく映像化してくれたわけで。制作スタッフの方々には大感謝ですよw

そして、改めて、ソードアート・オンラインって物語が、細部まで緻密に作られている作品だな、と感じたのだった。

個々のエピソードにしても、シリーズ構成にしても、それらを支える世界観にしても。

アニメ化によって原作もバカ売れしているので、二期と言わず、続編が作られること自体には何ら不安はないので、希望としては、できるだけ間を開けずに、二期、三期の製作に取り組んでもらえるといいな。

ともあれ、最後、アスナとキリトの物語も、リーファとキリトの物語も、ともに、気持よく閉じてもらえて、ホントよかった。

まだまだ言い足りないところはあるのだけど、まずはこんなところで。

面白かった! 続きが楽しみ。

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