BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

進撃の巨人 The Final Season 完結編 感想: 「自由の奴隷」の明言が意味すること!

2023-11-15 17:58:55 | 進撃
ようやく終わったわけだけど。

正直、完全に熱が冷めてしまったところでの、完結編だったので、最初はだいぶ戸惑った。

でも、それでも途中まで見ていくと、最後まで勢いで見れてしまったのだから、やっぱり『進撃』はよくできた作品だったんだな、って思った。

あと、今回の映像化で、終盤のエレンとアルミンのやり取りがだいぶ増量されたわけだけど、その中で新規にエレンの口から出た

「自由の奴隷」

という表現は、原作が終わってから今日までの世相の変化まで踏まえたものだったのだろうなと思った。

端的にいえば、現実の世界で、ウクライナとイスラエルのように、複数の戦争が起こるようになってしまったから。

『進撃』が始まった頃は、まだファンタジーの世界での争いとして解釈できていたことが、この数年でリアルになってしまったから。

そうなると、エレンのいう「自由の奴隷」という言葉は重い。

自由だけを求めても世界は破綻する、ということだし、

だからこそ、最初に「自由」という概念の存在をエレンに教えてしまったアルミンがエレンの罪の源であると自覚するのも理解できる。

要するに、自由という価値観に基づくイデオロギー戦争という解釈。

そういう意味では『進撃の巨人』という作品は、2010年代の世相の変化に翻弄された作品だったんだなと思う。

当初こそ、世界を先取りしていたけれど、途中で現実の世界に追い抜かれてしまった。

つまり、「時代」に翻弄されたわけだけど、終盤ではさらにこれに同時代の「世界」の重みも加わった。

始まったときは日本人向けのマンガだったのが、いつの間にか、ワールドコンテントになってしまい、日本人ファーストの構成だけではすまなくなった。

その結果が、今回の「自由の奴隷」という言葉の追加だったと思うのだよね。

ネトウヨ的自由の暴走に対する牽制。

ただ、ウクライナならまだしも、イスラエルとハマスの戦争まで起こると、もはやただのマンガと言い続けるわけには行かないよね。

マーレとパラディ島の争いを考えれば。

それにエレンによるホロコーストを考えれば。


とまれ、かようにこの『進撃の巨人』という作品は、時代と寝ただけでなく、世界とも寝てしまった、類まれな日本のマンガとして記憶されていくのだろうな。

その意味でも、唯一無二の作品になってしまった。

ちょっと驚いている。

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グリッドマン ユニバース 感想: 盛大に開かれたグリッドマンとダイナゼノンの合同同窓会!

2023-11-15 17:42:24 | Weblog
アマプラで配信が始まったので早速見てみた。

完全にグリッドマンとダイナゼノンの合同同窓会のような話w

ダイナゼノンの最終回の最後で見られた、ガウマが一体化したと思われるダイナレックスをアンチと2代目が眺めていたことから想像できた通り、2つの物語の橋渡し役は、ガウマとアンチたちだった。

ガウマ改めレックスが、グリッドマンの従者?である新世紀中学生の新入りとして登場したことで2つの世界が繋がった、という感じ。

とはいえ、ガウマが登場して以後、ほどなくさしたる事件もなく、いつの間にか、蓬や夢芽がグリッドマンの世界に現れてしまったのは、ちょっと拍子抜け。

いくらあとで、それが「グリッドマンユニバース」によって多次元宇宙の収束が起こったからと言われてもね。

で、そのあたりも含めて、最後は、いつものトリガー流の「こまけぇことはいいんだよ!」という勢いだけのバトルの押し切られた感じ。

その分、不完全燃焼が残るのもトリガー作品の定石通りw

もちろん、合同同窓会というボーナストラックだからそれでいいんだけどさ。

にしても、グリッドマンの最後に映った実写のアカネがひきつづき出てくるとは思わなかったし、河原でゴミ拾いしているアカネの姿が、なんか囚人が無理やりやらされている社会奉仕みたいで後味が悪かったw

だからまぁ、面白いことは面白かったけど、でもなんか腑に落ちないところも多かった映画だった。

簡単に言えば、原作との関係上、グリッドマンではやれなくて、だから代わりにダイナゼノンでやってしまったことを、ひるがえってグリッドマンでやり直した、という感じ。

要するに、ダイナゼノンの最後で蓬と夢芽が付き合ったのと同じように、裕太と六花が付き合うことになった、という物語。

正直、これはわざわざやる必要があったのか?とは思ったけど。

というのも、グリッドマンって終盤は、裕太と六花というよりも、六花とアカネの関わりを描いた話だったと思うので。

そのときできなかった裕太と六花の恋バナを、一応、ボーイ・ミーツ・ガール的に描いたのが、ダイナゼノンの蓬と夢芽だったと思っていたので、六花と裕太の恋の行方は正直、どうでも良かったんだよね。

実際、ダイナゼノンの方が多分100倍気に入ってる視聴者の一人としていうと、裕太と六花のカップリングは今更感が激しくて、お話としては蛇足にしか見えなかった。

しかも、裕太本人は、グリッドマンの物語の記憶もなかったわけだし。

もちろん、それはそれで裕太本人が、物語の蚊帳の外に置かれていたのだから、可哀想は可哀想なのだけど。

でも、だからといって、そのグリッドマンの話を作中で適切に裕太にも追体験できるよう、演劇として上演する、というのは、さすがに迂遠じゃないかな、と思った。

わざわざ書く必要があったか?というくらい。

もっとダイナゼノン側の続編が見たかったんだけどね。


あー、その点ではむしろ積極的に不満だったのは、ダイナゼノンでは最終的に否定したはずだった「フィクションへの耽溺」を再び肯定するような物語になってしまったこと。

それと、それに合わせて、蓬の怪獣使いをもう一度させたこと。

え、それじゃあ、ダイナゼノンの最終回で、蓬がシズムの怪獣使いへの誘いを断って、(フィクションではなく)現実世界の「不自由」を選択した、という決着をうやむやにしちゃうじゃん! ってちょっと憤慨した。

せっかくグリッドマンの世界とは違って、ダイナゼノンの世界では「リアル」のやり直しのできなさを強調した物語にして、フィクションの世界で好きなだけ「自由」に妄想で遊ぼうぜ、と息巻いていたラスボス・シズムを否定したのに。

いくら今回の話は、事実上のバーチャルワールドのグリッドマンの世界だからといって、蓬たちまでその融通無礙な世界に取り込ませたのは、いや、それは無いでしょ、って思った。

まぁ、だから、ダイナゼノン組で活躍したのは蓬くらいだったわけだけど。

夢芽なんて、ホントに、ただの蓬の「カノジョ」くらいの役割しかなかったからね。

でも、夢芽って、もともとアンチ・アカネのキャラとして造形されていた気がして、その分、リアルに拘り、蓬にリアルを選択させた張本人だったのだから、この『グリッドマンユニバース』で夢芽に活躍させたら、この世界そのものを否定する側に回るはずなので、そうしたら物語として破綻しちゃうよね。

なので、ほとんど本作で夢芽は出オチで終わってた。

その夢芽の代わりに、リアルの過酷さを体現したのは、「姫」と偶然再会できたガウマだよね。

もっとも当の姫から、いつまでも引きずってんじゃねぇよ、というメッセージを送られ、この先再会はもうないという厳しさが伝えられていたわけど。


・・・というわけで、なんか不完全燃焼。

まぁ、同窓会祭りだからいいんだけどさ。

でも、グリッドマンで遠慮してできなかった、現代的な世知辛さというひねりはダイナゼノンで十全に表現されていたはずなのに、今回の映画では、また前者の世界に戻ってしまったのは、やっぱり残念。

だから、ダイナゼノン側に寄せた合同同窓会をもう一度、作って欲しいなぁとは思うだけど。

でも、グリッドマンの世界は、結局、昭和のノスタルジックな世界の再現だから、そもそも現代的にはバーチャルなんだよね。

だから、現代的な人間関係や社会関係の上で作られたダイナゼノンとはどうにもソリが合わない。

それが今回痛感したことだったので、やっぱり続編は無理だろうなぁ。

そもそもトリガーという制作集団の志向が昭和を向いているから、ダイナゼノンのほうがイレギュラーだしね。

まぁ、だから、不完全燃焼もやむなきか。


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よふかしのうた 第192夜 『めちゃくちゃすぎる』 感想: え? あと8話で終わっちゃうの?

2023-11-15 15:41:04 | よふかし
いやもうビックリだよ。

あと8話で終わっちゃうなんて。

そのくせ、今回なんて、ずっとコウとハルカがバトってるだけなんだぜ?

なんか、バトルシーンにあと2回くらい使いそうだしw

そうすると、実質物語をたたむのに6話ちょっとしかない。

しかも、この流れだと、一気にナズナとの関係をどうするのかというところまでノンストップで行きそうだし。

そうなると、前に書いたように、探偵さんとか他の吸血鬼の皆々様が、物語に関わってくる、というのも難しそうだよね。

ていうか、もっと気になるのは、この残り話数では、ナズナの母のハルの秘密とかにまで辿り着けそうにないのだけど。。。

なんていうか、終わらせることが目的で、駆け足で決着をつける・・・なんてことだけは避けてほしいけどなぁ。

いっそのこと、コウが自力で、半吸血鬼から真吸血鬼に転じてしまえば、全部丸く収まるんじゃない?って思うけど。

そしたら、実質的に201話目から、スピンオフないし続編としての吸血鬼コウの物語を始めればそれでいいじゃんという気もするのだが。

その一方で、同じくいっそのこと、ナズナが吸血鬼をやめて人間になってコウと一緒に学校に通う・・・という展開でもいいのだけどw

とにかく、残り8話、ずっと、この夜のままで終わりそうだよなぁ。。。

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トニカクカワイイ 第252話 『不死と不死』 感想: ちょっと今回はせつなすぎるね。

2023-11-15 15:30:19 | トニカクカワイイ
そうか、この真魚編の司は、不死になってからまだ200年くらいのところなんだ。

司からしても、不死がもたらす孤独や、死が誰かに与える無念を、何度か実際に繰り返して経験することで、本当に絶望していた頃なんだろうな。

つまり、司からしても、不死の突きつける残酷さに実は心が折れそうになっていたとき。

だとすると、この先、真魚は、その「不死」との向き合い方について、逆に、司に対して何らかの真理を告げる人になるのだろうな。

いいかえると、真魚の言葉があったからこそ、司はその後も800年間、不死を続けることができた。

そうして、ようやくバランスの取れた達観を手にすることができた、ってことじゃないかな。

だって、真魚って弘法大師になるはずだし。

いくら不老不死といっても、司の心が折れてしまったら、ただの死ねない廃人でしかないからね。

そのあたりの、心のケアの呪いwを真魚が司にかけてくれたのだろうな。

その一方で、この真魚との付き合い方の経験が、現代のひまりとの向き合い方にどんな影響を与えるのか、というのも気になるのだけどw

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カッコウの許嫁 第181羽目 『こういうの初めてだからっ』 感想: まさかの季節外れのバレンタイン!w

2023-11-15 15:18:09 | カッコウ
いや、作中時間としては、それほど不思議ではないのだけどw

でも、高校入試ってそんなに早かったんだ。

てっきり、バレンタインの後に実施されていたんだとばかり思っていた。

しかし、予定通りとはいえ、4人からチョコを貰った凪w

ホントはね、4人以外の伏兵からのチョコにもちょっと期待していたのだけど、そうはならなかった。

となると、ひろがいった「私が1番先にあげたかったから・・・」というのも意味深だよね。

だって、これって要するに「四人の中で」1番先にあげたかった、ってことでしょ?

そうすることで、サプライズも含めて、一番インパクトを残したかったって、ことじゃん、ひろとしては。

やっぱり、ひろの場合は、先々のことまで考えての「戦略的別れよう!」だったってことなんだろうな。

多分、煮えきらない、というか、選びようもないし、今のところ選ぶ気もあまりない凪のことを思って、ここは一度撤退しよう、ってことだったのだろうな。

そういう意味では、もしかしたら、幸が告白を取り消したのも、実は、ひろの入れ知恵かもしれない。

で、そんなひろと幸の攻勢を目の当たりにして、いよいよエリカも呑気なままではいられなくなった、というのが今回のポイントだったのだろうね。

そうなると、「あい」はどこまで行っても、数合わせ的存在でしか亡くなってしまうけれど。

あい、がいることで、3人の緊張関係が緩和される、ってことで。

実際、あいだけ、随分あとになって登場したしね。

真面目な話、あいは、物語の緩衝材、安全地帯、避難場所として登場したのかもしれない。

まぁ、それはさておき。

エリカが、今後、どういう動きをしてくるのか。

親友のひろと実妹の幸に挟まれて、今更ながら焦り始めたみたいだしw

やっぱりラブコメにはこうしたシーソーな場面が適宜必要だよねん!

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彼女、お借りします 第306話 『アレと彼女③』 感想: なんか、なんだなー、って感じの回だったかなぁ。

2023-11-15 14:56:46 | かのかり
千鶴がアレの痛みに耐えている場面が基本だったからから、前回のように和也がキモいってことはなかったのでなんとか読めた感じ。

これはこれでエピソードとしてはありなことはわかったけれど。

しかし、なぁ、もう、これ、とっとと付き合うことにして、もう終わりにしようよ。

まぁ、千鶴が和也ラブ!を正式に表明すればそれでいいだけなんだけどさ。

もうこれ以上、引っ張る要素なんてないじゃん。

だって、同居までしてるんだから。

まぁ、こう書いてるのも、いい加減、この流れに飽きてきたからなんだけど。

もうあからさまに話をただ延ばしてるだけだからね。

まぁ、その方が、マンガビジネス的には正解なんだろうけど。

でもなぁ、もう、いろいろ意味で、出がらしでしょ、この状態。

単純に、つまらないよね。

ただ、一枚絵として千鶴が可愛い、とかそれだけしかないでしょ、もうこの作品の売りは。

それは、今回の和也の「あのとき」回想の中で、最初期のレンカノとして登場したときの千鶴の姿とか見ると、作者も連載を続けていくうちに熟達してきたんだな、とは思うけど、でも、もうそれも頭打ちでしょ。

キャラにも飽きてきたら、もともとストーリーも大したことないのだから、見るべきところなんてないよね。

それくらい引き伸ばし過ぎたと思うのだけど。

そういう意味では、もうとっとと和也と千鶴が付き合うことにして、二人で、千鶴が女優として大成していく物語に変えてくれるといいんだけどね。

ここのあたり、ずっとそんな風に思ってる。

もうキモい和也の独白なんていらないし、いつまでも調査調査言って自分を騙している千鶴にもうんざりで、これ、麻美なら、絶対、なにカマトトぶってんだよ、おまえ!って突っ込むところだと思う。

ところが、そういうやり取りは、家の外に出ないと起こりようがないんだよね。

ホント、この箱庭生活、やめて。

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