熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

晩秋のロシア紀行(1)久しぶりの海外旅行

2014年11月22日 | 晩秋のロシア紀行
   ロンドンの赴任を終えて、帰国途中に、ザサクトペテルブルグのエルミタージュ美術館に立ち寄って帰ろうと思った。
   しかし、ソ連邦が崩壊してロシア経済が最悪の時期で、治安が悪くて、断念せざるを得なかった。
   東欧は、東独とハンガリーとチェコ、それに、エストニアくらいしか行ったことがなかったが、これらの国はベルリンの壁が崩壊してから、かなり、政情も生活も安定していて、大国ロシアも大丈夫だろうと思ったのだが、実情は、最悪であった。

   大英博物館やナショナル・ギャラリー、それに、ルーブル博物館やメトロポリタン・ミュージアム、アテネ、ウィーン、ベルリン、ローマ、マドリード、フィラデルフィア、ワシントン等々、目ぼしい欧米の博物館や美術館を回ってはきたが、エルミタージュだけは機会がなかったので、今回、思い立って、JALパックの「ロシア紀行7日間」に参加することにした。
   
   

   サンクトペテルブルグとモスクワの目ぼしい観光地は回ることになっていたので、マリインスキー劇場とボリショイ劇場の観劇チケットを、自分で手配すれば、ほぼ、楽しめそうだと思ったのである。
   パック旅行や団体旅行は、経団連の視察旅行など以外には参加したことがなく、個人旅行は、1週間でも2週間でも、総て、自分で手配して欧米を歩いて来たのだが、ロシアは違っていて、ビザの取得からして、ロシアの旅行社が絡まない限りダメであり、JALパックのように、少人数で上手くアレンジされた団体旅行に参加するのが、最善の方法であったのである。

   ビザの取得は、JALパックに必要書類を用意して貰って、自分自身で申請書類を作成して、ロシア大使館に行って取得した。
   ザンクトペテルブルクのマリンスキー劇場は、到着した夜に、ギルギエフ指揮で、プロコフィエフの歌劇『戦争と平和』が上演されていて、後半の1時間や2時間くらいなら、観劇可能であろうと思ったが、ロンドンやパリならいざ知らず、ロシアでの厳寒の深夜なので諦めた。
   結局、チャンスがあったのは、1日だけで、無駄でも良いと思って、旧劇場でのアドルフ・アダンのバレエ『ジゼル』と新劇場Ⅱでのドミートリイ・ショスタコーヴィチのオペラ『鼻』のチケットを取って、どっちへ行くかは、現地で考えることにした。
   
   
   
   ボリショイ劇場は、ニコライ・リムスキー=コルサコフの歌劇『皇帝の花嫁』のチケットは、間一髪でソールドアウトとなり、結局、遅れて売り出された『Golden Voices of MONNGOLIA』のガラ・コンサートのチケットを取得した。
   ロシア国立管弦楽団をバックにして、モンゴル国立歌劇場のトップソリストたちが覇を競う。
   かっての宗主国であり、タタールの軛で苦しめられてきたモンゴル後裔の歌手たちの凱旋公演とでも言ったコンサートであろうか。
   面白いと思った。

   本格的なロシア・オペラを鑑賞したかったが、天下のマリインスキーとボリショイで、鑑賞できる機会を得て、幸せであった。
   勿論、両劇場のチケットとも、スカラ座やメトロポリタンと同じように直接劇場のホームページから取得したので、現地価格で安く、間髪を入れずにeーチケットがインターネットで送られて来たので、全く雑作がなかった。
   
   

   さて、今回の旅行は、晩秋とは言え、両都市の気温は、-4~-9前後の温度で、日本では正に厳寒で、それに、緯度が高いので、日が非常に短い。
   心配したが、1週間全日晴天で、現地では、稀有なる好天気。 
   私も、アムステルダムとロンドンで、8年間生活したが、冬は、毎日、リア王の世界で、晴天など数えるほどしか経験していない程、北部ヨーロッパの冬の天候は悪い。
   青空をバックにした写真を撮ることが出来たのが不思議である。

   カメラは、とても、大型の一眼レフを抱えて歩ける筈がないので、今回は、望遠レンズ装着のミラーレス1眼のニコン1 J3とコンデジのソニーのDSC-RX100を」持って出た。
   小型で、両カメラとも、極めて性能が高いので、結構役立ってくれた。
   ロシアは、美術館は勿論、教会内部でさえ、フラッシュナシなら撮影を許されているので、意外に、シャッターチャンスは多い。
   良い写真は撮れなかったが、ブログ用には、まずまず、面白い写真が撮れたと思う。 

   色褪せてしまったが、BRICS'sで、まだ、行ったことがなかったのは、インドとロシアで、今回は、ロシアに対して、かなり、有益な情報を得られて喜んでいる。
   思うままに、私のロシア観を交えながら、ロシア紀行を綴ってみたいと思っている。
   
     
コメント
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