NHKの新春番組「NHKスペシャル 巻頭言2025 新・トランプ時代 混迷の世界はどこへ 」で、トランプの経済顧問であったラッファー教授が、トランプの貿易関税やインフレなどについて興味深い見解を述べていた。
まず、冒頭、勲章を貰った所為でもなかろうが、トランプは、博識で教養があり正しい判断を下すと意表を突く発言で煙幕を張る。
「MAGA」の権化のトランプが、自由貿易主義者だというラッファーの発言に違和感を覚えたのだが、まず、見解を示すと、
何故、関税を引き上げようとするのかと言う質問に、日本人はトランプのユニークさを知らない、彼は自由貿易の交渉が好きなのだ、関税を課すぞと脅しているのは、各国に交渉のテーブルつかせるためである、関税はどちら側にも損害を与えて誰も得をしない、自由貿易はウィンウィンである、トランプは自由貿易の世界を本当に実現したいと思ている、実は、トランプは自由貿易を望んでいる、と言う。
本当に日本に関税を課すのかついては、それは日本次第、自由貿易の交渉に日本が応じれば関税を課さない、ぜひ、関税のない自由貿易政策を結ぼう、日本は政府の保護政策が国民に損害を与えるを理解していない、勿論守るべき品目はあるだろうか最小限にとどめるべきで、保護主義を理由にすべてを守ってはいけない、と言う。
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至極尤ものように聞こえる見解だが、まず、アメリカの実体経済からは、逆立ちをしても、トランプが自由貿易を思考する余地はない。レーガン時代にラッファー・カーブで一世を風靡した経済学者の残影がトランプ時代到来に蘇ったというべきか、
どう考えても、アメリカファーストで、同盟国は勿論、世界との連携、共存共栄に一顧だにしないトランプが、自由貿易の大切さ、その意味を理解しているとは思えないし、脳裏にある筈もない。
国際競争力を喪失してポンコツになったラストベルトの産業を守るために、腹いせに関税を引き上げるような時代錯誤の姑息な政策を打ち出す単細胞。日鐵のUSスチール買収の拒否が決まったようだが、バイデンもトランプも、斜陽の極に達したアメリカの実力を全く知らず、外資を締め出し世界からの頭脳の流入を拒否し、高関税を課して貿易戦争を引き起こして国際経済を縮小して、結局返り血を浴びて窮地に泣くのはアメリカ。
新トランプ時代の到来だが、混迷の世界は、どう動くのか、全く先が読めない。