「自尊心・・・セルフエスティーム」が今後の教育のキーワード

私は今、教員採用試験に挑んでいる学生さんのために毎日、論作文の添削を続けています。その学生さんが「自尊心を育むためにはどうしたら良いか」というテーマを選んで書いてきました。

テーマを見た瞬間、これは非常に大事だと感じた私は、すかさず放課後の職場自主研修を組みました。そこに論文を見ている学生さんも呼びました。

自尊心を高める教育講座

参加してくれたのは職場の20代若手3名と、このテーマを私に与えてくれた教育実習生1名(論作文添削対象者)の4名。私が言うのも何ですが、この4名は非常に貴重な場に居合わせたメンバーとなりました。

完全な勤務時間外の18時からの井上講座でしたから、本気で学びたいという人だけが集まりました。そこで自尊心に関するお互いの意見をシェアしながら学び合っていくうちに出てきた最終的な結論は、
「担任である教師自身の自尊心が高いか低いかによって、そのクラスの子ども達の自尊心まで影響を与えてしまう」
というものでした。

『自尊心』とは低学年の子どもにとっては、「自分が好き」「自分が大事」「自分は愛されている」という感情です。極論になりますが、この自尊心が低いと「自分はダメなんだ」「自分なんて居ても居なくてもいいんだから、教室から出て行く」「自分は先生から嫌われているから、先生を困らせてやる」という態度に無意識になってしまうのではないでしょうか。

高学年の子どもだったらもっと顕著に顕れないでしょうか?

大人に頭ごなしに注意されたり、子ども達の心を受け止めることができなかったら、「何なんだよ、先生は俺のことを分かってくれないのかよ。」「どうせ私たちはダメなクラスなんだ。」「頑張っても無駄だよ。」「自分のことだけやっていればいいや。」などという感情が芽生えてしまい、その学級は確実に崩壊します。


学校でも家庭でも、大人の自尊心が大事だと思います!!!


学校ならば、教員は、
「自分が担任するからには、どんな子どもであっても、すべて優等生にしてみせる!」
「自分が受け持てば、子ども達みんなに楽しい学校生活を送れらせる!」
そして前述の研修会では、私は20代の若手に「一騎当千の教師になるんだ」と呼びかけました。愚痴の教師が1000人いても何も変わらない。それよりは「必死の一人の教師がいれば、それは1000人の教師に匹敵する」と教えました。そのくらいの自尊心を持っていても良いのではないかと。
さらに何のために教師として教育をするのか、その使命を自覚するべきだ。「使命を自覚した時に才能の芽は急速に伸びる」とも教えました。

強力な自尊心を持った教師がいれば、その教師に率いられた子ども達もまた、強力な自尊心の高い集団になっていきます。


これは家庭でもまったく同じです。
自尊心の高い親に育てられた子どもは、その「家庭」というバックボーンによって、いつも穏やかで、前向きで、さわやかで、誇り高い子どもに育っていくことでしょう。
ここでいう自尊心とは、例えば偏差値の高い学校に進めるとか、受験に勝てるとかいうような低い次元の話ではありません。私たちの家族は、個人の幸福のためだけではなく、学校の子ども達全員の幸福のため、地域の幸福、社会の幸福、人類の幸福のために少しでも貢献していこうという広い次元での自尊心のことを私は言っています。


と、ここまで、ずいぶん生意気な論を展開してきましたが、この「自尊心」を育む教育について、私自身もまだまだ学び始めたばかりです。さらに研鑽を深めて、地球のどの国に出しても通用するような教育哲学を生み出したいと思っています。

日本から見た地球の裏側ブラジルでは、私の仲間の現職の教育者たちがボランティアで、文字を読めない方々のために「識字教育」を行っています。民族の自尊心向上のために努力を惜しまない先生が他国にもたくさんいます。

そんな先生達に負けないように、自分の考えを深めていこうと思います。



【お薦めの本】
今年出版された本です。
様々な実例を示しながら論を展開しています。
教育関係者、保護者は読んで損はしない一書です。
新書ですからお手軽価格です。ぜひ読んでみて下さい。
日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか (光文社新書)
古荘純一
光文社

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