半分教師 第47話 「ZARD   きっと忘れない」

ZARD_きっと忘れない


この会場に自分がいたことを忘れない。

きっと忘れない。

自分が教えた子たちのことも、きっと忘れない。


養護学校の1年目、3人を直接担当した。
一人はもう亡くなってしまった。
でも、きっと忘れない。

2年目から4年目、高校1年生から3年生までを3年間担当した。
やっぱり一人はすでに亡くなってしまった。
でも、使命があればは延びるということを私に教えてくれた。
一人は今でも、毎日私のことをネット上で見ながら、何か面白いことをしてくれないかと笑っている。

普通小学校に移って1年目。5~6年生。
学級旗を作って頑張ったマラソン大会。32人全員忘れてはいない。

3年目、5~6年生。
自分では頑張ったつもりだったが、もしかしたら良い思い出を残してあげられなかったかもしれない。残念ながら今ではつながりの無くなってしまった子たち。
でも私は忘れない。

5年目。5~6年生。
仲の良いクラス。最強の担任集団。私が「スーパー小学生」を育てることを意識し始めた学年だ。何をやるにしても仲良くて、担任していて居心地が良かった。
きっと忘れない。

4年生。
実は今、一番つながりのある子たちだ。
私が発信する情報を一番キャッチしてくれる子たち。
ありがたい。

2年生。
たった1度の低学年担任。
経験浅く、あまり上手な学級運営をできなかった。
でも、忘れない。

5~6年生。
転勤して初めて会った時のあの笑顔。
「あ~、自分はここに来るべくしてきたんだ!」と思わせてくれた。
あの笑顔を忘れない。

6年生。
緊急当番だった。強く指導しすぎた。悲しい思いをさせた子もいた。
辞表を出す覚悟もできていた。
でも、立派に卒業していってくれた。
今、出会っても、「先生!」と懐かしく声をかけてくれる。
だから忘れない。

3~4年生。
たくさんの子がバレーボールを始めてくれた。
自分の命も惜しくないと思って指導していた。
何度も死ぬかと思ったほど激務の中で戦った。
命に刻まれた子ども達。忘れるわけがない。

3年生。
何でも自分達でやってしまう楽しさ。
マインドマップを授業で初めて使った学年。
でも、自分に指導する知識と技術がなかったので、実を結ばなかった。
今教えていれば、すごいクラスになったのに。
だから忘れない。

3年生。
たくさんの子が保健室に逃げ込むようなクラスだったのを、教室が一番居心地がいいという状態にした。J-KIDS大賞で頑張って、「全国ベスと8」の表彰式に連れて行った。
忘れるわけがない。

6年生。
これまた緊急当番。
でも、みんなが「学校の看板になる」と自覚して、見違える姿に成長してくれた。
感動の卒業式。
「私たちは日本一の卒業式をやるんだ!」
「そのためには、みんな泣かないで、歌を唱いきるんだ!」
と言って頑張った子たち。すごかった。
忘れられるわけがない。

5~6年生。
マインドマップを使って日本中に衝撃を送り続けた。
取材が毎月続いて、なんだか日本一注目されている小学生だったんじゃないかな。
NHKのニュースにも出たし。
一生忘れないよ!


担任していた子のことを「覚えていないことがある」と言う教員もいるが、それは悲しい言葉だよ。私は自分のクラスだけでなく、自分の学年、担任していなかった子たちのことも全員を忘れてはいない。
インターネットが発達した時代だから、卒業生とたくさん交流が復活しているが、担任したことのない卒業生から、「どうして私のことを覚えているんですか!?」と驚かれることが多い。

だって毎日毎日、「成長しているように、幸せになっているように」と祈っているんだから忘れるわけがない。

今教えている学年の50人も、きっと忘れない。

【お薦めの本】
この本は私の宝です。
きっと忘れない―ZARD‐OFFICIAL BOOK
ビーイング
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移動教室のスローガン決め マインドマップの効果的使用法

9月に行う「日光移動教室」に向けて、その準備のための班長会議を続けています。

今回は移動教室のスローガンを決める話し合いをしてもらいました。時間がなかったので、井上がファシリテーターになって子ども達にはアイデアを出してもらいました。会議の見える化、加速化のために、当然マインドマップを活用します。

(1)スタート
まず、スローガンはみんなの気持ちの方向性を決めるものですから、セントラルイメージはハートだろうと簡単なハートを描きます。

(2)討議テーマ
テーマ(柱)となるメインブランチを4本、教師指定で書きます。今回は「生活」「学習」「心」「思い出」というBOIからスタートしています。

(3)話し合い
ここからは実行委員長を中心に子どもだけで話し合いです。井上は書記に専念します。

「心といったら“あいさつ”が大事でしょ。」
「生活といったら“安全”“第一”だよ。」
「学習からは“まじめ”なイメージかな。」
「うん、“まじめ”だけど、そのためには“自分で”“考える”ことが必要だね。」
「思い出は“楽しい”よね。」
「楽しいことは“たくさん”あるといいね!」
「思い出・・・俺は“おみやげ”が浮かぶな。“おみやげ”っていったら“家族”や“友達”だな。」
「思い出いっぱいで“笑える”移動教室にしたいね。」
「日光だから自然も大事じゃない。」

そこで“自然”のメインブランチが新たに伸びる。

「“自然”といったら“ふれあい”だよ。」
「“ふれあい”は“動物”!羊とかヤギとか、牧場でふれあうよ。」
「自然や動物とのふれあい、“民主党”です。」

実行委員長がふざけて言うが、これもまた何かの意味があるかもしれないので、ファシリテーターは拾い上げて書いてしまう。可能性がわずかでもあれば認めてしまった方がアイデアが湧くからです。いいえ、逆にとんでもないところからの方がアイデアが湧くものです。

「“ふれあい”は大事だから、いっしょに行く“川南小”ともふれあいが生まれるんじゃない。」
「それなら川南小とも“友達”になって、“楽しく”移動教室をすごしたいね!」

ほらほら、民主党からどうつながったか分かりませんが、他校ともなかよくすごしたいなんていう心の広がりが出てきました。

「“生活”には“ルール”が必要だよ。」
「“協力”することも大事だよね。」
「それは“みんな”の協力だね。」

「心から“感謝”がつながるよ。」
「それは誰に対する感謝なの?」
「“宿舎”で世話をしてくれる方々や、“見学先”の方々に感謝しないといけないと思う。」

これだけのことを話すのに要した時間はたった10分です。

(4)文章化
このマインドマップを元にして、スローガンの文章に直します。

井上「たくさん出てきた言葉の中で、大事だと思うものを言ってみて。」

子ども達が選んだのは「あいさつ」「感謝」「安全」「ルール」「協力」の5つの言葉でした。

井上「それでは、この5つの言葉を使って、ひとつの文章にしてみよう。」

熱心に話し合う子ども達。するとそのうちに、
「ひとつにまとめるんじゃなくて、分けた方がいいよ。」
という流れになり、最終的にこの2つにまとまりました。

「お世話になる方々にさわやかなあいさつをし、感謝の気持ちを表せる移動教室」

「ルールを守り、安全に協力し合う移動教室」


班長が集まり、こうした話し合いをすることによって、学年のリーダーとしての自覚が深まります。私の宿泊行事指導は、当日を迎えるまでに徹底的にリーダー集団を育て上げて、2泊3日の間、教員がいるのかいないのか分からないくらいに、ほとんどを子ども達に任せます。

よく「それは子ども達が大変じゃないですか?」と言われることもありますが、絶対に違います。この方が子ども達自身、3日間の見通しを持って行動できるし、現地で教員に叱られるようなことは全く無くなるので、本当に楽しめるし、自信にもつながるのです。

この学年の子ども達は、日光で磨いた心を持って、残り半年の小学校生活で、またまた「ありえないドラマ」を次々に起こしていくことになります。

映画の予告編みたいに、今からドラマを予告しておきます!!!

【お薦めの本】
iMindMapの活用書ではありますが、グループでマインドマップを活用するための手法を20ページにわたって紹介されていますので、今回の私の授業に加えて参考になる点が多い本です。

著者の伊藤賢氏はこのように書いています。

「マインドマップを会議に利用することで、まずなによりも会議の時間が大幅に短縮できます。アジェンダ(議題)の作成から議事進行、議事録の提出までが短時間でできるようになります。また、マインドマップをベースに話をすることで、全体像と会議の進行状況、その時点でどの話をしているのかがわかり、参加者の参加意識が高まります。つまりマインドマップを使うことで高い集中力とモチベーションを保ったまま会議を進行することができるわけです。」

今回、私がファシリテーションをして話し合いを進めましたが、重要案件であるにもかかわらず、たった10分で話し合いがすんでしまったこと、伊藤氏が書かれたことを裏付ける事例でもあるでしょう。

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