先月読了した神田昌典著「全脳思考」P350に、このように書かれています。
「2007年10月20日、土曜日。
この日は、ブザン教育協会にとって、歴史的な日となった。マインドマップを教育機関に普及するブザン教育協会は、公益社団法人化を目指していた。そのための趣意書を草案する会議を行っていたのである。」
そして、イメージストリーミングによってAHA!体験的なアイデアを呼び起こし、趣意書の草案の骨子を立てていったことが描かれています。
この350ページの事実は私にとっても重要な意味を持ちました。
なぜなら、この会議が行われた翌日である10月21日(日)に、私は6時間の「マインドマップ基礎講座」を受け、その講師が前日の“趣意書会議”の中心メンバーだった内山雅人先生であり、内山先生の講義を受けたことから今の私の活動が始まったからです。
ブザン教育協会にとって分岐点となる重要な会議の直後に、自分自身がまるで何かに呼び込まれるような状況の中、この活動に参加することになったのだということを今になって知ったわけです。
10月21日(日)の講座を受講した直後の夕方、私は知人にこのようなメールを送っています。
「○○さん、マインドマップの講座を受けてきたよ。この考え方はものすごいよ!!!教育のあり方を大きく変えられるかもしれない!しかも、講師の先生に『授業を見たいのですが、どの学校に行ったら見られますか?』って聞いたら、授業で使っている教員はほとんどいないらしい。ウソでしょ???と思ったよ。だったら自分が授業で使って成果を出せば、日本の教育を変えられるかもしれない!!!必ずやるから見ていてね!」
その後の私の取り組みについては、多くの方々が知っている通りです。(ご存じない方は、このブログの2007年10月20日以降を読んで頂ければと思います。)
↓趣意書の全文はこちら
ブザン教育協会設立趣意書(ブザン教育協会サイト内のPDFファイルにリンクしました。)
設立趣意書の冒頭に私が心から尊敬する沢田淳子氏が感性をフル回転させて描いた詩があります。
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~前文にかえて~
「新しき人よ 目ざめよ」
「学び」とは 「自己を知ること」である
「自己を知る」とは 思考と感情と意志とを統合させることである
個の思考には 宇宙の思考が宿り
個の感情には 宇宙の力が息づき
個の意志には 宇宙の本質が作用する
人が己を知ったとき 完全なる世界が創造される
今こそ その時
新しき人よ 目ざめよ
思考し 体験し 本質を発見せよ
そして自らの内なる己自身を知れ
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ここに表現された「自己」とは、個人という小さい単位の自己ではないと私は思っています。個人というところに本質を求めてしまうと、それは最終的に「わがまま」になり、自分の能力さえ開発されれば良いという利己主義に陥ります。
だからこそ「宇宙の本質」という大きな大きな「自我=宇宙我」に根ざした、生命の本源的な創造性から発した「自己」の開拓をする必要があるはずです。世界の多くの知性(賢人、知識人)はすでに何千年も前からこのことに気づいており、どうしたら宇宙の本質である「創造性」を自らの身から引き出せるのかということと格闘し、模索し続けてきたのだと思います。
たとえばソクラテスも「汝自身を知れ」と言っているように、いったい人間とは何なのか、汝自身が偉大なる宇宙の力といかにしてつながっていけるのかを追求しています。
これまでの100年間の教育は、科学技術力や権力、経済力、競争力などの「力」を持つことを重視して教育が行われてきました。実はこの考えに根付いた教育哲学からほとんど抜け出せていないために、無用な学力論争が巻き起こってしまうような気もします。
これからの100年は、これらの「力」をいったいどのように使っていったら、人類の幸福に結びつけていけるのかを考えるための「智慧」を育むことを目的とした「人間教育の100年」になるでしょう。否、そうしなければならないと書いておきます。
願わくば、これからマインドマップフェローになろうとする先生方は、「自分のための資格」という枠から飛び出て、「人類のために何ができるか?」という大きな「自己」を発見できるように心がけて頂ければ幸いです。そのためになら私は協力を惜しまないつもりです。