地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

消えゆく韓国の抵抗制御車1000系

2015-10-01 00:00:00 | 韓国の鉄道


 先日神保町の書泉を訪れたところ、(財) 海外鉄道技術協力協会の編集による『世界の鉄道』(ダイヤモンド社) の最新号が平積みになっており、思わず「ををっ!これまた出たのか!」と内心叫んで即ゲット! (笑) この本は10年前に、ほぼ同じ体裁で、日本を含め世界各国の鉄道を一国ずつ網羅的に紹介するかたちで出版され、鉄ヲタに復帰して間もなかった頃の私も「海外鉄を今後の趣味活動のひとつの方向性にしようかなぁ……」と思っていた矢先ですので、ヒマさえあればパラパラとめくり、各国ごとに多種多様な鉄道運営のあり方や雰囲気・車両があるものだと悦に入ったものです。以来、あっという間に10年。日本の鉄道にもその間に変化はあったわけですが、それ以上に外国の鉄道の変化は長足であるわけで、結構新たな見所がありました。
 とりわけ重点が置かれていたのは中国の部分でしょうか。そりゃそうだよなぁ……10年前は「中華之星」が失敗の烙印を押されてひっそりと160km/h運転しているだけだったのが、一昨日の報道から明らかなように、いつの間にか破竹の勢いで増殖したCRHが日本の商売敵になってしまっているわけですから (日中協力云々と安請け合いして技術を渡したJ○Eは責任をとるべき……)。また、中国のイケイケな雰囲気は、途上国の新たな中国製DLやDMUの画像からも窺い知ることが出来ますし、深圳メトロ経営によるアディスアベバLRT!には衝撃を受けました……(あと、ダッカ近郊DMU、格好良さそうなのに意外とヘロそうな風貌に、撮ってみたさを感じる……笑)。ボンバルやらシーメンスやらが世界各地に放つ新型車両もさることながら、中国中車や中国鉄建が少なくとも近い将来、そして中期的に放ちまくるであろう、「安くてそこそこ走る車両、そこそこ使える設備」の動向には注意を払わなければならないのではないか、と愚考します。



 いっぽう、何となく紙面のあちこちに手抜きの気配を感じたのが韓国……。全体的な鉄道事情の流れとしては本文の通りだと思ったのですが、ムグンファとの説明が付いた画像の中に収まっているのは、とっくに引退済みのPPセマウルとはこれ如何に……。勿論、PPセマウルは乗っても撮っても素晴らしいと思いますので、哀悼の意からいつの間にか画像を間違えた、とうことであれば理解出来るのですが (んわなけないか……単に編集校正作業が気合い不足であるとしか思えない……)。さらに路線図も、京元線の中断点が新炭里のままですし (既に白馬高地まで再延長済み)、中央線も清涼里から堤川まで完全新線による複線電化が進んでいるはずが、単線とカテゴライズされたまま……。そして、ロテム製のあれやこれやの新型車両の類いは基本的にガン無視! (そういえば他の国の車両画像においても、中国製車両は割と登場する反面、ウリナラロテム製は台湾EMU500、フィリピンDMU、トルコ国鉄の新型電車を除けば、管見の限りほとんど見かけない・・・)
 というわけで勝手な暴論で総括しますと、海外鉄道に関与する日本の諸々のセクターにおいて、韓国という存在自体がどうでも良くなりつつあるということなのかも知れません。これもまた世の流れ、花の色は移りにけりな、ということなのかも知れませんが、とりわけ韓国から、日韓鉄道協力の象徴であったはずの首都圏電鉄抵抗制御車(KORAIL・ソウルメトロ)が、「廃車25年ルール」に従ってついに風前の灯火となっていることが伝わってくるにつけ、抵抗制御車の消滅とともに、日韓鉄道関係そのものも個別の部品の供給やライセンス生産を除けば、完全に一つの時代が終わるのだろうなぁ~と愚考した次第です。
 日本によって京仁・京釜・京義線をはじめとする主要路線が建設され、朝鮮総督府(一部は地方民鉄)によって運営されていた1945年まで、いや強いて言えば、1965年の日韓基本条約締結による経済協力開始=鉄道全面改良開始まで、朝鮮戦争による破壊を経ながらも、戦前日本の置き土産を基本的に使っていたという点で、約65年間を一つの時代と形容しうるでしょう。1965年からは、首都圏電鉄については日本の莫大な援助を皮切りに、いっぽう鉄道公社は米仏などから罐を購入しつつ、依然としてある意味において鮮鉄・日本的雰囲気を濃厚に漂わせながら、KTXなど最初御フランスに頼りつつ独自のものを目指そうとした時代ということになりましょうか。以来2015年まで半世紀。

 というわけで、これからの半世紀、いや千年、半万年の歴史は、鉄道における「倭色」を徹底的に剪除して「セーゲイルドゥン・クンミンチョルド(世界一等・国民鉄道)」の崇高な理想を追求する新時代ということになりましょうか。まぁご自由にやって頂きたいのですが、それとは別に首都圏電鉄やムグンファなどに「ダークグリーン+黄色細帯」や「腰ダークグリーン・窓から上ブルー・白細帯」が塗られる「主体的な新時代」も悪くないなぁ~と思うのは私だけではないでしょう (個人的にはもう、いくら日本が誠意を尽くして発展に協力してもどうせ理解頂けない国であれば、同じ半島に二つも要らず、南の一部親北人民も熱望している通り、金正恩同務が領導なさいます先軍朝鮮主導の祖国統一でも別に構わない、と思っているのです。日本は歴史的反省を踏まえ、朝鮮半島人民の自主統一を願う心情を理解して一切干渉せず、統一朝鮮と是々非々でやり合い、対馬海峡の守りを固めるだけでしょうから。爆)。英雄的朝鮮人民の怒りのうねりが南朝鮮傀儡と米帝に鉄槌を下し、革命ソウルの香り高き花が咲くあかつきには、先軍朝鮮的精神によって一色化されてゆく鉄道風景への熱烈な讃美を示すべく「現地指導」させて頂きたいと思います (すげぇ他人事……爆)。

 とまぁこんな感じでモヤモヤした気分の赴くままに、未アップだった首都圏電鉄1000系の画像をHDから漁ってみました。タマ数が少ない後期車(2枚目の画像)、結局一回しか撮ったことない……。