米国中西部における鉄道の総本山であるシカゴと、ラスト・ベルト (錆び付いて没落したかつての重厚長大型工業地帯ゆえに、トランプ政権の金城湯池に) の地方都市であるミルウォーキーを結ぶハイアワサ号は、アムトラック公式HPに載っている時刻表によると、基本的に2運用で機織りをしているようです。しかも朝方には、シカゴとミルウォーキーの双方でせわしなく20数分で折り返しており、シカゴ付近のジャンクションでは近郊列車や貨物列車も錯綜することから、もし遅延が発生したら相当キツいだろうな……ということが読み取れます。
そこで、多分これは前後に罐が付いており、機回しを省略するのだろうと予想したところ、まさにビンゴ。最後尾には古い罐が連結されていました。客レの撮影でありながら、EMU・DMUの撮影と同じく、後追いで二度美味しいのは有り難いことです。
そこでWikipediaを参照してみたところ、この罐は1970〜80年代に製造された古い電気式DL・F40PHを出自としており、老朽化して新鋭罐に主な役目を譲ったものの廃車にはせず、エンジンとモーターを外して運転機能を残しているとのこと。なるほど……米国でプッシュプルに見える列車は大方、動力があるのは片側の新しめな罐のみで、もう片側はこの手の付随化された罐なのですなぁ〜。日本も、国鉄末期に大量に余ったDD51・DE10などのエンジンを外して付随化していれば、客レも機回しを省けて、もっと生き永らえたのかも知れません。