昨日は、いつもお世話になっております落花生。様の東京ご転勤 (?)と、パクアン急行様の一時ご帰国を記念しまして、そして何と言ってもMRTJの開通を記念しまして、都内某所の某インドネシア料理屋にて盛大に宴席が催され、合計10数名の参加者によってビンタンビールの小瓶が50数本空になるという大盛会となりました。席上ではもちろん、日本・インドネシア・タイ・ミャンマー・台湾といった、1067&1000ミリゲージ党お馴染みの国々に関する四方山話に花を咲かせたわけですが、個人的には「インドは地下鉄でなければ意外と文句言われず撮れる。釣掛近郊電車を撮るなら問題ない」という複数の経験談に激しく反応してしまいました (笑)。今年の夏は久しぶりに、超浦島状態の解消を目指してジャカルタを再訪したいと願っているのですが、他にも行きたい国はあり、乗りたい車両はあり、されど隙をみて数日の休みを取るのはなかなか難しく、どうにも困ったもんだ……と、心地良い酔いの中で思った次第です。
そして多くのご参加の皆様が感慨深く仰っていたのは、秩序あり清潔なMRTJの開通やステンレス客レの大繁盛に至ったほどにまで目まぐるしく移り変わったインドネシアの鉄道事情と経済・社会の全般的な変化でした。あとそういえば、インドネシアに限らずタイやミャンマーなどでも最近はデッキのドアを開け放って外気に身を晒すことに対して喧しくなったとのことで、これもまた時代の流れか……と思う一コマでございました。そしてその他、さまざまな密談 (笑) や不確定重大情報がもたらされるなど、食事も話題も超お腹いっぱいのひとときとなりました。まずはこの場ながら、幹事役を務めて下さったKucing様をはじめとして、ご参加の皆様に心よりお礼申し上げます!
また、パクアン急行様からは、インドネシアにおける中国中車の猛烈な (?) 営業活動の一端を示すかのようなパンフレットをお土産として頂き、むかし中国に通っていた者としては何とも有り難い限りです。
というわけで、数年前の「中国鉄道展」(落花生。様と会場に潜入したのも懐かしい思い出です) 及び、その直後のジャカルタ~バンドゥン高速鉄道の中国落札ドタバタ芝居を改めて思い起こさせるような、インドネシアのインフラを巡る一帯一路グレートゲームが展開されていることが仄見えてくるものですが、その帰趨は自ずと、中古電車輸入禁止措置正式発動以降における中国中車製新車の大量増殖の可能性でしょうか。あるいは、当面は全車日本製であるMRTJにしても、路線延長や増発に伴う増備は中国中車が落札しないとは誰も断言できますまい。マンガライ立体交差とブカシまで複々線化の完成の暁には、ボゴール線とブカシ線を分離してそれぞれ超頻繁運転が可能になり、スルポン・バンテン線の沿線開発も加速度的に進む中、怒涛のような205系の譲渡を以ってしても全然車両が足りないことは明らかで、その穴を埋めるのは引き続き日本の中古なのか、それとも中国中車なのか……2020年代以降の中長期的なジャカルタ鉄道事情を大きく左右する重大な転換点が待っているのかも知れません。(INKAの新車じゃないのか~?とも思うのですが。少なくとも、ウリナラ企業の口車に乗せられて、またまた安物買いの銭失いをすることなかれ!と思うばかりです。運用開始から僅か2~3ヶ月で全編成離脱してマディウンに送り返されたHolec ACという噴飯ものの電車もありましたし……)。
そして、中国が現在、「イスラーム死ね!ハラール死ね!外国の事物に関心を抱き外国とつながるのは止めて偉大な中国文化の懐と党の恩恵に包まれろ!」(「氏ね」ではなく「死ね」)と本気で言っている過酷極まりない少数民族弾圧をやりつつある中、既にごく一部のインドネシアのムスリム・エリートは、そんな中国と経済関係を深めることの矛盾に気付いているわけですが、ほとんどの一般庶民はまだ何も知らないとか。しかし、既にトルコ政府は激しく中国に抗議している通り、行く行くは一帯一路なるもののインチキ臭さが、全てのムスリムに認識されてゆくことでしょう。そのとき、中国中車から大量に電車を買う契約をしたインドネシア政府が、人口の9割を占めるムスリムから総スカンを食らう……という混迷の未来図すら見えて来ざるを得ません。
何はともあれ、ジャカルタ初訪問時以来の様々な変化が脳裏を去来する中、アジア経済危機やジャカルタ暴動の記憶も生々しい混沌の時代に突如大挙してジャカルタに渡り、今日のジャカルタ冷房電車時代の礎を築いた都営6000系の功績は余りにも偉大であったと、改めてしみじみ思います。もともと極めて地味な電車であり、ジャカルタでも積極的な追っかけの対象にならず、いつの間にか全編成離脱して、今は話題に上ることはほとんどない都営6000ですが、MRTJ開業に際して敢えて、ジャカルタにおける都営6000全盛期の模様を外付けHDの中から掘り起こしてみた次第です。「また都営が来た……」とぼやいていた頃が本当に懐かしいです (急行は本当に速かったため、遥かボゴールに向かった編成がすぐジャカルタ市内に戻ってくるかのような感覚がありました)。
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