今回の訪問でひとつ楽しみにしていたのは、205系でスルポン=バンテン線のタナアバン~マジャ間を完全走破すること。スルポン線は、今年に入ってからのダイヤ改正でマジャまでの複線電化が正式供用となり、スルポン線の電車は10連に統一されましたので、今年8月の時点での10連は205系のみという状況に鑑みて、マジャまで必ず205系に乗って1時間半の「長旅」が出来るようになりました。これまでタナアバン~マジャ間の直通乗車では103系 (^o^) ・KFW・メトロ05系に乗ったことがありますが、205系に乗れば103系とは違った意味でワイルドだろうと思いまして、活動最終日の4日目に、パクアン急行様とスルポン=バンテン線の客となったのでした。
環状線沿線での朝練を終え、203系に乗って午前10時にタナアバンに着きますと、ちょうど少々遅れていたマジャ行きが入線して来るところで、始発駅から着席成功! そして車内を見回すと、我々の近くにはドカドカッと大量の荷物を持ち込んだ行商客が。しかも行商客は、車内への搬入に当たった兄ちゃんたちにチップを払っていました。ジャカルタの一大市場街であるタナアバンを起点とするスルポン=バンテン線では長らく、ローカル客レを用いた行商が盛んに行われてきましたが、鈍行客レがタナアバンを通過するようになって以来、ロングシートの電車が行商列車を兼ねるようになっているようです。しかも、ポーターの兄ちゃんが自動改札を通過するのを駅も黙認している (?→入場券Karcis Peronは売っているのか?) あたり、何とも興味深いところです。
タナアバンを発車した205系は、例によって重厚なMT61のモーター音を響かせながら、ジャカルタの田園都市線と呼ぶべき景観の中を走って行きます。パルメラやクバヨランといった駅がいつの間に見事な橋上駅舎になっているのがスゴい……。
そしていよいよスルポンを発車してチサダネ川の鉄橋を渡り、お楽しみのド田舎ゾーンへ! 欄干のない旧鉄橋を歩いて渡られたYopie様の武勇伝を思い出しつつ、今や骨組みだけになった旧鉄橋と眼下の濁流を眺め、やがてスピードが上がって行くと……をを~!田植えを終えたばかりの水田と椰子の森の組み合わせが瑞々しすぎます! 通常の乾季であればカラカラな風景ですが、木々の緑が実に鮮やかで空も青いのは異常気象の成せる技。異常気象に泣いた今回の滞在ですが、最終日に「悪い話ばかりではないな」とも思ったのでした。
さらにチサウク・チチャユル・パルンパンジャン……と進むと、ますます車内は空いて、沿線の田舎度とMT61モーターの組み合わせは極上♪ 205系のド田舎走行シーンといえば、今や宇都宮以北がアツいですが、バンテンの大地へと向かう赤顔205系のそれも激賞するに値すると思います……。
そんなこんなで、205系はチルジットの大カーブをゆっくりと通過し、さらにダル、テンジョーと停車。ほんのりと賑わう田舎駅風情が何とも言えませんが、駅舎改築やホームかさ上げなどの変化が少しずつ進んでいます。複線化によって、テンジョー駅のド真ん中を横切る幹線道路の踏切が長時間閉まらなくなったのは御同慶の限り!! (単線時代、テンジョーで交換のために10分以上停車しようものなら、カヲス度が半端なかったです……。車内から見ている分には最高に面白い光景でしたが ^^;)
さらに進むとティガラクサ。2面4線化が完成し、205系が反対側ホームに停車してはいるものの、駅周辺は余り開発されていない状態で、開通当初の田園都市線という雰囲気が漂っています。タナアバンで大量の荷物を積み込んでいた行商集団は、ここティガラクサで手際よく荷物を下ろしていました。そしてひとしきりド田舎の築堤を走ってチコヤ着! 村役場とその周辺の申し訳程度の商店・農家を除けば本当に田んぼと森ばかりで、この駅を電車は通過していた時代に客レで降り立ったのも懐かしい……。
こんな感じで、変わりゆく鉄道と、今のところ余り変わらないバンテン州の風景を激賞する旅も、マジャに到着して終了~。昨年8月時点では建設中だった橋上駅舎が既に完成しており、掘っ立て小屋に毛が生えたような昔の駅舎を思い出すにつけ、余りの違いに頭クラクラ (^^;)。駅前商店街は以前のままの長閑さそのものでしたが、今後は果たしてどうなるのでしょうか? タナアバン~マジャ間は、パルンパンジャン以遠が単線だった当時はやたらと交換待ちが多く、1時間50分ほど要していましたが、1時間半で着くようになったのは偉大な進歩と言えましょう。
瑞々しいバンテンの大地を行く。ガラ空きですので窓開けまくり♪
チルジットの大カーブを行く!
前から2両目に乗っておけば良かった (^^;
ティガラクサで大量の荷物を下ろす行商。
両開き4ドアのロングシート車はむしろ行商向き?
鉄道利用の場合、彼らが客レではなく電車に頼らざるを得ない事情もあります (そこらへんは改めて)。
しかし道路が一層整備されれば、いずれ行商も過去のものに?
マジャ駅の駅名板と205系の先頭部♪
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