地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

中国鉄オフ会記念・緑皮満鉄客車を偲ぶ

2013-01-04 00:00:00 | 中国の鉄道


 やや旧聞になってしまい恐縮ですが、去る年末、都内某所の中華風居酒屋にて、リンク頂いております『中国鉄道倶楽部』Borgen様の一時ご帰国、及び『不思議な転轍機』はいらーある様の北海道からタイへの年末年始鉄旅途上 (気温差50度以上!) の東京ご滞在に合わせ、中国の鉄道事情に造詣の深い多士済々が雲集する極めて濃いぃ宴会が開催されました! 私自身はと申しますと、ここ数年のあいだに中国を訪れた機会は一昨年・震災直後の香港・深セン界隈のみで、あらゆる意味で激変している中国鉄道事情についてはネットで側聞するばかりの疎い人間となってしまっておりまして、中国に関連した鉄道車両として昨年春にベトナム・ハノイで満鉄客車や昆河線からのもらい物車両にフィーバーした程度ですが、有り難くもお誘いを頂きましたので、ベトナムで撮影した写真やら、怪しく製作した華中鉄道客車社会主義日本エレクトリーチカやらを携えて参加させて頂きました! 
 そして会場では、日中関係が悪化した今となっては恐らく未来永劫類似本は出ない可能性があるという点で奇書として語り継がれるであろう (?)『中国鉄道大全』を著者サイン本にして頂いたり (^O^)、様々な方から様々に濃いぃお話を伺うなど、あっという間の約4時間となりました。また、はいらーある様のご友人である店員の方が濃いぃ鉄でおられ、ウェルカム画像として壁に相鉄6021が貼ってあったのには一本取られました (笑)。何はともあれ、当日はBorgen様・はいらーある様をはじめ、皆様には大変お世話になりました! m(^^)m 
 そこで以下、ざっと備忘録を綴るついでに、中国国鉄の良き時代を象徴する緑皮満鉄客車が放置されていたシーンの未公開画像 (上・北京鉄道博物館脇。下・瀋陽駅南側。いずれも2006年撮影) をアップしてみた次第です。



●「和諧」という名が付く動車組・機関車が激増し、入れ替わりに東風4形 (緑亀) 牽引の緑皮車が牽引する鈍足な列車が激減したここ3~4年、中国の鉄道は一気につまらなくなった。
●これに比べれば2000年代半ば~後半は古いシステムのまま列車本数がかつてなく多く、一番面白い時代であった。もちろん日中関係・日本人に対するウェルカム度も今と比べれば破格に良かった。このタイミングで中国に長期駐在し、いろいろ撮り歩けた人が究極の勝ち組。
●80~90年代はSL三昧にして緑皮ワールドという最高の時代であったが、外国人に対し未開放のエリアが非常に多く、撮影もヤバい雰囲気がまだまだあったことから、田舎の慢車で多数残存していた日本製・満鉄製客車を撮り乗りまくり!というわけには行かなかったのは残念。
●もしかすると今や中国も旅客よりも貨物の方が面白い? 中国高度成長をエネルギー面で保証した大秦線の超ロング石炭列車は凄い……。しかし、そんな大秦線が日本のODAで建設されたことを知る中国人が誰もいないのは憤懣に堪えず。
●現在もSLが多数現存するのは……遼寧阜新・新疆哈密三道嶺など。
●現在辛うじて東北の鈍行や各地の短距離ローカル列車で残る22系緑皮車は、乗り撮り出来るのもマジで今のうち。
●高度成長期に造られた各地の巨大な駅舎はどれも見かけ倒しのハリボテで、瀋陽北駅は地下の漏水が深刻で早くも立て替えとなるほか、北京西駅もマジでヤバい。造っちゃ潰しの繰り返しで勿体ないし、それこそがチャイナ・クオリティの鉄の現実。しかし常に造って壊せば少なくともGDPの足しにはなる。C国共産党万歳! (嗤)
●車両メンテナンス技術力の根本的欠如という点では、最近鳴り物入りでリニューアル開業した上海~金山衛の近郊鉄道はその象徴ではないか? かつてYZ31やYZ21などボロボロの緑皮客車が思い出した頃に走っていた路線が、今やCRH2 (はやて) によって運転されているのは面白いと言えば面白いが、裏を返せば新造から僅か3~4年で最高時速100数十kmの運用に惜しげもなく投入されること自体、高速車両としてのメンテに限界があり使い捨てに近いことを意味している。
●いっぽうCNRは近距離都市間輸送用としてCRH6を開発中であるが、見た目からしてチープでショボ過ぎ!
●近年ぼちぼち増えつつある中国人鉄ヲタが模型を愛玩するにあたっては、なけなしの小遣いをはたいてバックマン等のHO客車単品を購入し、各自それを持ち寄って運転会で連結する……という楽しみ方をしているようだが、各自が自宅で運転を楽しみたいという需要はあるはず。そこで、中国の住宅環境にも日本で高度に発展したN模型は好適であり、マイクロエースあたりが中国市場向けに中国型を発売すれば当たると思うし是非欲しい! あるいは、CRH2・CRH380Aを日中同時発売して欲しい! しかし日中関係悪化により、日本で満鉄型ではない中国型が発売される機会が永遠に去ったのは何とも残念。(個人的にはN700・台湾700T・E5はやぶさを既に購入し、その横にCRH2・CRH380Aを並べて「日本技術による高速鉄道・卓上の大東亜共栄圏」を実現したいのですが。爆)
●中国の鉄道事情が数年前ほど面白くなく、日本人にも居心地の悪い空間になってしまった今や、中国以外のアジア、あるいは欧州・米州は俄然面白い。
●しかし台湾の客車列車事情は急速に寂しくなりつつあるので今のうち。
●「西方快車」様にご教示頂いた、米国加州オークランドの複線併用軌道はマジでスゴい! アムトラックの2階建てスーパーライナー客車が平然と走るとは……。帰宅後さっそくググッて動画を見たところ気分は鼻血噴水大放出!
●計画経済時代のボロい車両が数多く残り、物価が安く、撮影制限もないに等しい東欧 (除:リトアニア) は、共産趣味も兼ねる鉄ヲタにとって最後の楽園である。(鉄道車両だけでなく社会主義時代の巨大建築名が飛び出して一同恍惚。笑)
●ロシアもウラジオ近辺を除けばそれほど撮影にはうるさくない?

……私が座った近辺では、記憶の範囲ではこんな内容が飛び交いましたが、そのことからしても如何に濃厚な宴会であったかがお分かり頂けるかと存じます。

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5 コメント

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Unknown (SY1698)
2013-01-06 00:29:48
すみません。当日は諸般の事情で(自分が某所で売り子やってたのと、あと別のサークルの打ち上げに参加してそっちの狂乱の宴の事後処理にゲフンゲフン)参加できませんでしたが、例のブツは例の場所に置いておりますのでご笑覧くださいー。
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Unknown (yz31)
2013-01-06 13:46:15
オフ会の節は、ブログで紹介されているところおよびその周辺の濃いい写真をみせていただきありがとうございました。私が乱入する以前は、かようなDEEPな会話が繰り広げられていたのですね。特に、2000年代後半が、中国鉄道の趣味的な黄金期であったというのは、私も常から感じているところです。あのころは、客車夜行がバンバン増発され、しかも東北や山西、内モンゴル方面はその大半が非空調だったという。あと、規則面で、途中下車が可能だったのも大きいですね。実際に中国で気軽に途中下車なんて出来ないのですが、しかし、できるのとできないのとではやはり大違いです。高速鉄道の旅客営業システムや、近年の諸々の案内を見ていると、鉄道の大量輸送性を無視して、面的な輸送ではなく、点と点の輸送にますます純化しているように思います。これでは、速度やサービスで航空に負けますし、利便性で高速バスに負けてしまい、結局、上下から客を奪われるだけでしょう。中国の鉄道の将来はあまり明るくなさそうです。これもすべては役人連中のおもちゃと金づるにされた結果ですね。
ところで、最近注目しているのが、非空調の臨時列車です。定期運用が減少した分、非空調編成の活躍の場は臨時列車にうつっているようにおもいます。臨客、非空調普快、普客の乗りつぶしに努めて行きたいものです。

SY1698 様
狂乱の宴の後処理はさぞ大変だったことでしょう(笑)

スマホでどうも投稿がうまくいかず,もしかしたら二重投稿になってしまっているかもしれませんがご容赦ください。
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Unknown (おっとっと)
2013-01-08 13:43:54
>SY1698さま
 こんにちは、コメントどうもありがとうございます!
 オフ会当日はお台場イベントとのからみ故、お会いできず残念ですが、ブツは○泉にて近いうちにゲットのうえ楽しませて頂くことにします~。
 それにしても……ブログ拝見しましたが、あの新橋Xinqiao駅に、CRH2の一等座車に乗って到達出来るとは、奇想天外な時代になったものですね (滝汗)。
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Unknown (おっとっと)
2013-01-08 14:11:52
>yz31さま
(上記のつづきです)
 途中下車システムがそれなりにやりやすい形で機能していたのは、切符の裏に薄~い座席指定票をペロッと貼るシステムだったからこそでしょうね。乗り換える度に転乗窓口に出向いて貼り替えるだけでしたから (それでも乗りたい列車が直近数日間すべて没有であればどうしようもないという問題があり、随時駅前で客引きしている長距離バスに乗るという選択肢を考えざるを得ませんでしたので、私は途中下車制度を使ったことはほとんどないです ^^;)。しかし、駅の上級幹部や切符売り場の服務員が「薄い紙」を抱え込み、裏ルートで売り捌いて賄賂を取ったり黄牛分子に横流ししたりという状況が常態化していたからこそ、結局全て厳格にオンライン化されてしまったわけで、その結果それなりに臥舗車の切符が手に入りやすくなりましたから、やはり途中下車制度の衰退はやむを得ないのだろうと思います。
 それにしても、最近建設された(とくに郊外に建設された)駅のギガントマニアぶりを見るにつけ、中国の鉄道システムは空港や航空機を意識し過ぎているのではないかと……。そうせずにコンパクト・スマートに都市の中心部に乗り入れ出来るところが鉄道システムの長所であるはずですが、短時間での折り返し準備をCNRの車内服務員がやってのけるとは到底思えず (笑)、結局見てくれに溺れて長期的な優越性を捨てているように思えますね……。まぁ、鉄道部も交通部に吸収される云々という話もありますし、あくまで日本という距離を置いた場所から冷静な目でCNRの行く末を観察するというのも、それなりに意味のあることなのでしょう~。
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Unknown (おっとっと)
2013-01-08 14:12:05
>yz31さま
 こんにちは、コメントどうもありがとうございます! こちらこそ昨年末の宴では楽しいひとときをどうもありがとうございました! 
 ブログで飛ばしまくりの○共事情裏話、面白すぎますので引き続き楽しみにしております (汗
 それにしてもあの場では、ここに列挙した内容が到底不十分であると思えるほど濃いぃ内容百出でした (笑)。ホント、ついこの間まで、北京発の内陸方面行き普快クラスの列車は非空調緑皮ばかりであったというのに (さすがに22系は減って25Bの比率が高くなっていましたが)、一体何処へ行ってしまったのですかねぇ……。
 その一つの答えは、地方都市発着の慢車や市郊列車への転用でしょうが、ブログを拝見していて包環線に25Bが使われている光景には「そんな馬鹿な!」と叫びそうになってしまいました (笑)。ああいうのは、それこそYZ31で十分なはずですが……。結局YZ31的な近郊客車・近郊電車の運行体系が発展しなかったのも、CNR趣味への意欲を損ねるもとになっているように思います。
 これからしばらくはまさに春運体制に突入し、緑皮臨客がバンバン増発され、確かに貨物用ELがオール緑皮硬座編成を牽引するなど濃いぃ光景が展開されるわけですが、個人的には春運にはツラ過ぎる思い出が……(滝汗)。春運でなくとも、オッサン化した体力で今さら西安~奎屯なんて乗ったら発狂するだけですし (^^;
 まさに、残存長距離緑皮普快趣味を極めるのは、yz31様をはじめ若い世代に引き継がれた崇高な使命かと存じます……(爆)。
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