地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

美濃路歩き鉄 (1) 名鉄御嵩6000系

2017-09-22 12:00:00 | 都市民鉄 (中京圏)


 これまでしばらく、恐らく不評な連載として「木曽路歩き鉄」をお送りして参りましたが、既に中山道歩き醒ヶ井駅に到達しております。そこで今後は、美濃国横断中に遭遇出来た車両の日常風景をちまちまとアップして参ります。
 中山道は大井宿 (恵那駅周辺) を出発しますと、やがて街の西外れ、中央高速が迫って来たあたりで踏切を渡り、下諏訪以来寄り添ってきた中央線とついにおさらばして「十三峠」と呼ばれる果てしないアップダウンの繰り返しに入ります。十三峠が終わったところに大湫 (おおくて) 宿が現れ、さらに「琵琶峠」を越えてしばらく進むと細久手 (ほそくて) 宿、その後は「御殿場」の激しいアップダウンなどなど……とにかく人口密度が低い里山の縦断が続き、うっかりリタイヤ出来ないという緊張を強いられます (コミバスを利用出来るところも1日に3~4本ですし)。それだけに、約30kmの寂しい山道を抜けて御嵩に出て来ると、「生きて帰って来た!」感はハンパなものではありません (笑)。
 そして、御嵩に着くということは、名鉄エリアにも歩いてたどり着いたということを意味しています☆ そこで、終点の御嵩からちょこっと西に歩いた御嵩口の界隈にて、大いなる喜びを以て6000系ワンマン車を激写しました♪ 



 御嵩駅は、宿場の街に何とか電車を突っ込ませるべく1面1線という非常に狭いレイアウトとなっていますが、その代わりに御嵩口駅は貨物の集散機能を担っていたようで、貨物ホームの残骸や草ボーボーの線路用地が放置されている中、スカーレットな6000系がゆっくりと入線して来る光景は、まさに侘び寂び以外の何者でもありません……。いっぽう、直線の田んぼゾーン (2枚目) では、結構凄まじく加速しておりビビリます (笑)。
 それにしても、地図をじっくり眺めてみますと、名鉄広見線の末端ワンマン区間は、事実上「御嵩町内路線」としか言い様のない路線なのですね……。朝夕こそそこそこ通勤通学客はいるでしょうが、日中は30分間隔で来るのが御の字といえるほど車内はスカスカ、沿線はのんびり田園……という風情です。新可児駅に犬山方面から入ってくる複線ですら、草が生え気味の木製枕木線路ということで、名鉄の広見線に対する熱意が感じられない中、廃止を免れて電車運転に戻った新可児~御嵩間も、少子化と人口減の御時世では、果たしていつどうなるか分かりません。御嵩町では危機感はもちろんあり、亜炭採掘の歴史にひっかけたB級グルメ「みたけとんちゃん」(ホルモン焼) も売り出して電車の集客も図っているようですが、果たして……? そんな、あれこれ去来する思いを抱きつつ、伏見宿の東で八百津線の廃線跡を横切り、美濃太田に向けてひたすら歩いたのでした。

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